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ボワンザ教・・・なんか怪しい宗教でしょうか?

今日も仲良くINしています。


・・・ついでに言えばイラついています。


原因はいつものコイツ


「ねーねー今日は何するぷー?」

「ボク、デカイモンスに会いたいぷー」

「サブちゃぁん。コタちゃぁん狩り行こうぷー」


・・・なんか語尾に『ぷ』を付けてるし・・・


「うぜぇ・・・あずき」


さすがの三郎もウザさに注意をした・・・目が座ってる・・・こえぇよ。


「う~ん・・・サブちゃん。『ぷ』はダメ?じゃぁ『にゅ』にしようにゅ~」


・・・いやな、『にゅ』もウザイから・・・


「ボク、ドラゴンさんに会いたいにゅ~」

「新しい武器作ったにゅ~」

「試し切りにゅ~」


「・・・あずき?」


あー・・・三郎キレるぞ・・・


「何々?ドラゴンさんに会いにいくにゅ?」


とうとう三郎がキレた。

あずきの首根っこ(てか、襟?)を掴むと思いっきりぶん投げた。


「うぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


「にゃ~~~~~~~~~!!!!!」


・・・・うん。よく飛んでったよ。てか、マジでSTR()無いのに、よくあずき投げられるな・・・

あ、よく見たらあずき投げた手とは逆の手にPOT(ヤク)持ってる・・・なるほど、投げるためにドーピングしたのか・・・て、狩りに行ってるわけじゃないのに、なんで筋肉増強剤(STR+10)飲んでんの?!

それ、俺が作った、今作れる薬の中で一番高価な薬じゃん!!!


俺がびっくりした顔で瓶を見ていたせいか、三郎が気付いたみたいだ。


「消耗品は消耗してナンボだろ?私があずき(アホ)を投げる時に飲まなくて、いつ飲むんだ?」


あずきが飛んでいった方向に駄弁りながら歩いているが、俺、あずきを投げるために作ったんじゃないんだけど・・・


「あ、あんなところに刺さってるぞ?」


俺が指差した方向に、あずきの下半身がジタバタとしているのが見える。何かに頭から刺さっているみたいだ。

近付いてみると、草叢に隠れるように落ちている壷に、うまい具合に頭がはまっている。


「何遊んでいるんだ?」


・・・えっと?三郎?お前が投げたんじゃなかったっけ??

しょうがないので、俺が壷(意外と重い)から外してやる。


「はぁ~苦しかったにゃ~」


・・・お前懲りずに、語尾に何か付ける気か?


「やっぱ、『にゃ』の方がしっくりくるにゃ~」


あずき、今度壷にはまっても、俺は助けないからな?


「ねーねー。今度氷の山に行こうにゃ~」


「え?やだよ寒いじゃんか」


また、あずきの脈略もない言葉にため息を吐きつつ返事をする。

まぁ、冷たく返事しながら氷の山に必要なアイテムを頭に浮かべる。雪山以上に寒いところだからホットPOTで凍結予防しつつ、状態異常予防POT用意して・・・後は三郎の作る防寒着でしのげばなんとかなるかな?


「氷点下らしいにゃ~」


一応氷点下って設定らしいし・・・やっぱ寒いよなぁ・・・


「ねーねー、氷点下ってなんか中国人の名前みたいだにゃ~」


・・・・は?

お前は何考えてんだ?


「ヒョウ・テンカじゃなくて、ヒョウテンカな?」


「えー、封神演義に出てくる黄飛虎(おうひこ)の息子が黄天化(こうてんか)だから氷点下もありって思わない?」


思いません。てか、そういうところだけ詳しいのって・・・漫画の影響か?


くだらない話をしててふと三郎が会話に混ざってこないことに気がついた。よく見るとさっきあずきが填ってた壷をじっと見ている。


「三郎?どうした?」


声をかけてみると三郎はニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべた。

・・・あ~、なんか見つけたな。クエか?


「壷の中に何かの鍵が入ってた。」


鍵を取り出した三郎は、その鍵についている泥で汚れているタグを指で拭って、書いてある文字を読む。


「フム・・・『御心のままに』という事は教会か?」


「教会?復活地点の協会のことかにゃ?」


ぽんと浮かぶのは死亡復活地点である教会・・・何の宗教とかはなく、ただの復活地点として認識しているだけだがな。


「いや、あそこは正教会だから、マークが若干違う。」


三郎の言葉にマジマジと顔を見てしまった。

しょうがねぇだろ?教会にちゃんと『正教会』なんて正式名称があって、マークまであったなんて気が付かなかったし・・・


「違う教会なんてあったのかにゃ?他の教会なんて見たことにゃいにゃ。」


同意見だが、あずきよ、いつまでその喋り方続けるんだ?

三郎に張り倒される前に辞めることを祈ろう。


「一応神父のつもりでいたから多少調べてみた。正教会が主にこの世界では信仰されてるみたいだが、少数派の教会もいくつかあるようなんだ。・・・多分、これは少数派のだと思う。」


少数派なんてあるのか・・・ほんとこいつらレアなモノ探してくるの上手いよな・・・

俺が1つ見つけてくる間に5つぐらい見つけてるからなぁ・・・ま、いいけど。


「サブちゃぁん。これはどこの教会の鍵なのかにゃ?」


鍵を覗き込むように見ているあずき・・・うん。ガンバレ


三郎は無言でまたあずきの首根っこ掴みぶん投げる。


「なんでぇぇぇぇぇ~~~~!!」


「ウザイ」


三郎はあずきを投げた方へ歩き出す。


「こっちで・・・街のはずれだが寂れた教会らしき建物があるんだ。前に来た時には鍵がかかってたから、まず間違いないと思う。」


いつの間に調べてたんだろ?まぁ、俺もソロで活動してる時があるからな・・・

それにしてもあずきのやつ、今度はかなり遠くに飛んでったな・・・

PT組んでるから攻撃にならないって言っても、多少の痛みはあると思うんだが・・・

やっぱりあいつ・・・・Mか?

うん。きっとMだろう。


三郎の言ったとおりの街外れに、意外と大きな建物で、蔦の絡まって古びた様子を見せる、教会らしきものがあった。

ちなみに、あずきは建物の正面の、大きな扉の前で伸びている。

・・・うん。漫画のように頭にコブが出来ているから、頭からぶつかって行ったんだろうな・・・ご愁傷様です。うん。


三郎はそのままあずきを足で押しのけて・・・てぇ!


「おぃ、一応中身は女の子なんだからさ、足を使うなんてやめなさい。せめて杖で転がせよ。」


今はガチムチだから視覚的な点では違和感ないけどな・・・はぁ


一応三郎は俺の言う事を聞いてくれるみたいだ。『うむ』とかって返事して、杖で更に遠くに転がす。それからまた、改めて鍵を取り出すと、扉に付いてある鍵穴に差し込んで回した。


『特別クエスト発動しました。』


そんな声がしたと思ったら、扉が音もなく開いた。


「あれ?いつの間に開いたのぉ?」


特別クエストの声で起きたようで、あずきは頭のコブに状態異常回復約をかけていた。

こういう時の怪我(?)は三郎は治してくれない(治してももっと痛い思いをすることになる)ため、慣れた手つきでバシャバシャかけている。

・・・ほんとアホだよなぁ・・・ま、一応コイツの将来設計は死ぬまでされてるからいいけどな・・・


中に足を踏み入れると普通に教会みたいになっていて、突き当りに十字架を掲げ持つ男の像が祀られてある祭壇があった。

祭壇の横にはドアがあって奥にも部屋がありそうな感じだ。


三郎が突き当たりまで来ると、祭壇の男の像が輝き出す。


『汝らに問う。我を敬い、我が意を組むか?』


おや?何やら始まったぞ?一応この声の主が神様って設定なんだろうな・・・


「私が敬うにたる方なれば」


三郎もえらくノリノリで堅苦しい言葉使いしてんなぁ・・・


『我が意としては・・・男は正義。女は神秘。としている。だが、一部は制裁の対象としているが、お前にそれが理解できるか?』


男は正義かぁ・・・うん。わからんでもない。女は神秘・・・確かに・・・でも、制裁って穏やかじゃないなぁ。

このクエって問答が主なのか?何か難しいもの持って来いとかじゃない分楽っちゃぁ楽だけど。

でも、三郎には何かわかったみたいだな。悪い顔になったし。・・・まぁ、俺もなんとなくわかった気がする・・・。

うん。俺は信仰してもいいな。きっと俺も今、わる~い顔してんだろうなぁ。


「正しい行いをしている男は正義である!正しい行いをしている女も神秘と言えよう!ただ、ビッチやリア充・・・いや、リア獣は爆発すれば良い!」


『よく言った!それでこそ我が信徒と言えよう!!』


三郎の言葉に男の像が喜色を滲ませた声で信徒と認めた。


「にゅ?ボク彼女居るからリア充になるの?」


あずきの素朴な疑問はスルー。お前は爆発する必要なんてないリア充だしな。


『特別クエストクリア。称号「ボワンザ教の信徒」を手に入れました。』


俺もついででクリアしたようだな。・・・てかさ・・・『ボワンザ教』ってなんだよ。ダッサ・・・言わないけどな。


「おぉ!主よ私もお使えする方が出来て嬉しく思いますぞ!」


・・・マジで喜んでやがる。まぁ、半年前に彼氏と別れたのが尾を引いてんだろうな・・・


『我が教の神父として、正式に任命しよう。同時にこの教会を汝に預けよう。』


ん?この建物くれるのか?まぁ、三郎にってことだろうけど。


『ボワンザ教教会をホームとして利用可能になりました。代表者名は「三郎」拡張等は三郎を通して行ってください。』


・・・あれ?ホーム機能って・・・まだ未実装だったような気がするんだが??


「どんだけレアなクエだよこれ!」


思わず叫んでしまったが、しょうがないだろう・・・うん。

ん?あずきが首ひねってるぞ?


「どうした?」


「ボクはクリアになってないよ?」


なんと?・・・はっ!もしかして、彼女がいるからか???確かにリア充だが、まったくもって羨ましくないリア充だぞ?!


「主よ・・・・少しばかり内緒話をしても?」


『ん?よいぞ?』


あ~多分、説明してんだろうな・・・オープンにしてるとマズイし・・・あずきのちゃちゃが入るのも話が進まなくなるだろうしな。

・・・なんか長くないか?どんだけ詳細に説明してんだ?


「あ、僕もクリアになったぁ」


『・・・うん。爆発されても困るから・・・俺が』


・・・一応神なんだから怯えんなよ・・・口調も普通になってるし・・・

三郎?お前どんな説明したんだ?


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