怒り爆発ぅ~?
エタっておりましたが、更新します!
大佐を放置してとりあえずホーム・・・てか、教会に戻ってきた訳だが、今日は何しようかな?何か調合すっかな?
考えながら歩いてると、ひょっこりとあずきが自室から出てきた。
「あ~ちょうどよかったぁ。今日はボク絶好調でさぁ、コタちゃんの籠手作ってみたの~」
じゃ~んとばかりに取り出した籠手は、銀色に輝く金属でできていて、龍が巻き付いてるかのようになっている。
「ボクがつけてあげるよ」
いそいそと俺の丁度手の甲にあたるところが龍の顔が乗っているようになっている。
まるで龍の口から指が出ているようなデザインだ。おまけに目の部分は赤と青の魔石でできている。
魔石はモンスを倒すことによってドロップする力を秘めた(ぷぷw)石である。
・・・うん。もうね、厨二バリバリな装備だと思うよ・・・ってか、この龍の頭ちとでかくね?俺、格闘家なんだけどな・・・かなり邪魔なんだけど・・・
属性付与されているみたいだから役に立つとは思う。
「それでね、ボクの後に続いて呪文を唱えて欲しいんだ」
・・・はぁ?何が悲しくて呪文を唱えるんだ?このゲーム呪文いらんだろ?個人の好みで唱えてもいいようになってるけどさ・・・きっとこいつの事だから厨二的なセリフを言う事になるんだろうな・・・
こんな・・・カッコイイ籠手を着けてカッコイイセリフを言うなんて・・・チュウニスギ・・・
「ほらっ!言うよ!いいよね??」
なんでこいつは目をきらっきらさせているんだ??
すごく嫌な予感が・・・
しかし、言わないと話は進まないよなぁ・・・
しぶしぶため息をついて頷く。
「我に並ぶは強敵よ」
「・・・我に並ぶは強敵よ・・・」
てか、すでに厨二・・・
「全ての闇を割くは我が光。」
「・・・全ての闇を割くは我が光・・・」
「絶望すら我が前では意味はなく」
「・・・絶望すら我が前では意味はなく・・・」
あーもう言いたくねぇ・・・
「幾千、幾万、幾億の軍勢すら退け」
「・・・幾千、幾万、幾億の軍勢すら退け・・・」
なんか・・・現実逃避していいかな?・・・(たぶん今レイプ目になっていると思う)
「日の光すら霞む我が輝きをその魂に刻め!」
「・・・日の光すら霞む我が輝きをその魂に刻め・・・」
俺の詠唱が終わるや否や籠手の竜の目が光り、全体が七色に発光した・・・
七色・・・すっげぇ光ってる・・・光る意味ってあるのか?・・・ウワーカッコイイナァ・・・
「ねっ!ねっ!すっごくカッコイイでしょ?ボク頑張ったんだ!この七色に発光するように呪文との紐付がねっもー大変だったんだよぅ。呪文も籠手もかっこよくしたかったしー」
何を言っているんだこいつは?
いったい何を言っているんだ?(大事なことなので2回・・・)
とりあえず外す!!
ん?は ず れ な い ?
「もー今できる全てって感じー」
「外せ」
俺もびっくりなくらい低い声が出た。
「え?なんで?かっこいいのに?それにそれ光ってる間は外れないようにできてるもん」
何 を 言 っ て い る ん だ こ い つ は ! !
「・・・あ・・・れ?・・・コタちゃ・・・ん?無表情だよ?えっと、えっと、コタちゃんってすっごく怒ると無表情になっちゃうよね?・・・あれ?もしかして、怒ってる・・の?」
あずきの顔から血の気がなくなった・・・確か前にもアホがアホをやらかして怒った覚えがあるが・・・
覚えてたのにやらかしたんだな・・・
「外せ・・・」
「えっと、うんと、ごめん少なくても1時間ははずれないよぉ?」
アホはあざといほどの可愛さアピールでへにょっと笑顔を作り小首を傾げた。
・・・どこかで『ぶちり』と何かが切れた音がしたような気がした。
「ごめんって~~~~~!!」
アホは何かに気付いたようで急にダッシュして逃げてった・・・教会から外に。
「・・・・・・」
「うーわーー!!ごめんって~!悪気はなかったんだよぉ!」
悪気があってたまるか!お前のは無邪気って言うんだ!無邪気ってのは邪気が無い分性質が悪いっつーの!
そのままアホは町に向かって逃げている。
AGIとスタミナ勝負だ・・・後はSTRも少し関係あるか・・・
俺も伊達に格闘家をやっているわけではないんでな、戦士には負けん!
なおもスピードアップしアホを追いかけ肉薄する。
「コタちゃん怖いよぉ~」
「・・・・・・」
半泣きながらもすばしっこく動き回り、民家の屋根の上をダッシュしている。
・・・ちょろちょろと、「あずき」じゃなく「ねずみ」にしたらどうだ?
って!追いついた!首根っこを引っ掴む。
「ぎゃーーーーっ!!!」
ぶるっぶる震えてるアホをアイテムボックスから出したロープで簀巻きにする。
「えっ!何々??痛いよコタちゃん」
「・・・・・・」
このくらい痛いはずないだろ・・・痛覚は最大10分の1だろ?気分の問題だろ?
持ってるロープを全部使ってぐるっぐるに巻く。
もぞもぞ動いてる蓑虫ができた。
「コタちゃぁん。これ何?動けないよぉ」
「・・・・・・」
俺は紐の端を持って、来た道を戻っていく。
「痛っ!いたいよ!・・・ぶへっ!・・・あぶ!・・・ぎゃ!」
俺の出せる最大速で教会に戻ってきた。もちろん蓑虫があちこちぶつかるようにワザと跳ねて走ってみせた。
で、そのまま教会の入り口に吊るす。・・・もちろん、逆さ吊りだ。ぶらんぶらんと揺れてほんとに蓑虫に見える。
「え?このまま?ボク頭に血がのぼっちゃうよぉ・・・え?ちょ・・・コタちゃん!行っちゃうの?!ボク放置?うそぉ!」
変な声上げているアホは放置で教会の中に入る。それから俺は自室に戻る。もうこれ以上人目に付きたくない・・・引きこもろうかな?絶対他の人に見られたと思うし・・・
絶対掲示板あがったよな?
「むむ!これも修行?!ボクがんばる!」
何やらアホがアホなこと言ってる・・・
机に向かって座り、さっき言わされた呪文を紙に書く。
なんだかんだで1時間たったみたいで光が収まりさっきアホが着けたのとは逆に外していくと、まったく外れなかったのがウソみたいにぽろっと外れた。
肺の中の空気を全部吐き出すようなふっか~~~~~い溜息を吐き、ステータスウインドウを開く
その中にあるオークションボタンを押し、籠手を出品しコメント欄に『聖属性付与されています。厨二的呪文を唱えると七色に光り、1時間STR+30%アンデッドに追加ダメージ30%ドロップ率+20%アップします。呪文は籠手と一緒に紙に書いて渡します。』と書いて出品した。
俺にくれたもんだ。俺がどうしようと構わないだろ・・・てか、こんなもん持っていたくねぇよ!!
外を見たらアホはさっきまでもぞもぞと動いていたのに今は寝てる・・・
鼻提灯って・・・漫画かよ・・・初めて見たわ・・・
疲れ切った俺はそのままログアウトした。




