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第3話 教会

 教会へ向かう道すがらルーと話す。


ここカーナの森(人族はエルフの森と言っているらしい)の南東にエルフの村があるようだ。

小さい村らしく旅の者や冒険者(ギルドに登録してる人の事)などもあまり訪れないらしい。

ルーが言うにはそもそもエルフ自体、他の種族の事をあまり好ましく思ってない人が多く、それが原因で他種族が訪れることは少ないらしい。


「俺がエルフの村を訪ねても大丈夫か?」


「私がいますから! 大丈夫です! 任せてください」


ルーは自信満々に胸を張るが、少々不安だ……。


「ルーは狩りに来てたんだろう? 村に戻ってもいいのか?」


「ええ、私も丁度村に帰ろうとしていたんですよ」


狩りは終えていたらしい。


「そういえば、ルーのジョブは何なんだ?狩人?」


エルフ、弓ときたら狩人かと思い、当てずっぽうで言ってみる。


「すごいですね| 正解です。どうしてわかったんですか?」


何故わかったんだろうと興味津々な顔でこちらを見てくるが、何と説明していいかわからず、なんとなく……と濁した。


 



 森の中といえどきちんと舗装された道を通っていれば、魔物に合うことは少ないらしく、ほどなくエルフの村に着いた。


村に入るときエルフの門番がこちらをちらりと見てきたが、ルーと一緒だったせいか声をかけられることは無かった。まあ弱そうだったから脅威無しと見られたのかもしれないが……。


早速教会に案内してくれるというルーの言葉に甘えて村の中を歩く。ここでもチラチラと見られているが、あまりよそ者が来ることが無いらしいからな、珍しいんだろうと思い特に気にせず教会へ向かう。


 教会は想像していたより大きい建物だった。


「村の中で一番大きいんじゃないか?」


「ええ、そうですね。村人全員が集まることもあるので、かなり大きめに造ったみたいです」


なるほど、と答えつつルーに続いて教会の中に入る。奥に進んでいくと二人のエルフがいた。


「フュージさんエイミさんこんにちわ」


ルーが二人に近づいて挨拶をする。


フュージというのが神父みたいな服を着ているほうだな……。

てことはエイミというのはシスターってところか。


「おや、ルーじゃないですか、どうしたんです?こんな時間に」


神父らしき人はルーの姿を確認すると、チラリとこちらにも視線をよこしたので軽く頭を下げておいた。


ルーが俺の状況を神父とシスターに説明している。俺が説明するより知り合いが説明したほうがいいだろうと思ったので、特に口は出さない。


「それはお困りだったでしょう?」


事情を聞いたシスターが話しかけてくる。俺は相槌をうちながら、ルーのおかげで助かりました。

命の恩人ですよと神父とシスターに説明すると。ルーは顔を赤くしながらひたすら恐縮していた。

ただの事実なんだけどな。


 神父は事情を聞き快く願いを聞き入れてくれた。ただ祈りを捧げる為には、準備が必要らしく少し待つように言われた。奥の部屋に神父が消えた後、ルーに話かける。


「祈りを捧げるのって結構時間がかかるのか?」


ルーが答えようとしてくれたが、シスターが先に答えてくれる。エイミさんだったか


「いえ、そんなことありませんよ。すぐに終わりますので少しだけお待ちください」


わかりましたと返事をして、少し待つことにする。すると先程奥の部屋向かった神父が戻ってきた。


「ユウさん準備が出来ましたのでこちらに来てください」


言われた通り神父の前に移動する。


「ではこちらの魔方陣の中で祈りを捧げてください」


いつ描かれたのか床には魔方陣があった。それにしても祈りを捧げるとはどうすればいいのだろう?

まあとりあえず適当にやってみるか。

魔方陣の中に入って片膝をついて両手を合わせてみた。こんな感じでいいんだろうか?まあ違ってたら誰か言うだろうと思い、そのまま目を閉じて、ジョブをくれ!と念じてみる…。


すると一瞬周りが光った気がしたが目を閉じていたのでよくわからない。すると神父が


「結構です。ユウさんの祈りは神に届きました」


ホントかよ!と内心思いつつ立ち上がり神父に礼を言う。


これで本当にジョブに付けたんだろうかステータスと念じて確認してみる。




ジョブ:なし (剣士 狩人 探偵)


レベル1 22歳 男


スキル:スキルの極意





なんかいろいろつっこみどころが多いな…

だけど、とりあえずスキルは一個もらえたみたいだ。これは幸先がいいな。

しかし、効果がわからない。試しにスキルの極意と念じてみると効果が理解できた。


スキルの極意:対象を殺すことでその対象の所持しているスキルを低確率で取得できる。


これは…。対象を殺すに、低確率か。

もちろん元の世界でも俺は人を殺めたことなど無い。かなりハードルの高さを感じてしまうスキルだ。


気を取り直してジョブを再確認してみる。まだジョブなしになっているな…。しかしその横に3個のジョブらしきものが出ている。3個からひとつ選ぶのだろうか?それにしても探偵って…


「フューズさん、ジョブ欄に3個のジョブが表示されているのですが、これは自分で選べるのでしょうか?」


「そうです。取得したいジョブを念じればそのジョブが取得できます。しかし……最初から3個も選べる人はとても少ないです。ユウさんは、とても恵まれた才能をお持ちの様だ」


「後ひとつ質問なんですが、探偵というジョブは聞いたことがありますか?」


「いや……聞いたこと無いですな、まさか探偵というジョブが選べるのですか?」


「私もそんなジョブ聞いたことないです」


ルーも答える。シスターのほうにも顔を向けるが首を横に振るだけだ。聞いたことが無いらしい。


「とてつもなくレアなジョブかもしれませんよ?」


神父は、少し興奮している。こんなキャラだったのかと、内心苦笑いした。

ルーとシスターも見てみる。ふたりともワクワクしているようだ。





だが、周囲の様子は無視し俺はあっさりと自分のジョブを決めたのだった……
















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