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Android Duty -Episode 0-

作者: 原案&挿絵:湖沼弥音  ストーリー&文章:タートルカンダ

この作品はタートルカンダさんとのコラボ作品です。

私のカラーイラストと元設定からストーリーをおこしていただきました。



原案&挿絵:湖沼弥音  ストーリー&文章:タートルカンダさん



Android Duty~Episode0~


挿絵(By みてみん)


とあるネット犯罪に手を染める男を始末するため向うエイリとカイリ。

役割としては恵依吏が実行し、カイリがサポート役に回る。

今回のターゲットは、ネットハッキングの腕に優れ、証拠を何一つ残さないほどのつわもの。

だが、恵依吏とカイリにかかればすぐに見つかってしまう。



耳の穴に超小型の通信機を付けた恵依吏が、ターゲットがいる家に潜入しようとしていた。

しかし、ターゲットのいる家のセキュリティーが厳しく、その解除をカイリが務める。

左腕に付けたコンピュータ端末と、セキュリティーシステムを司る基盤とを繋ぎ、解除に掛かる。

ど素人が突破を試みようものなら、すぐさまセキュリティーが反応し警備会社に通報されるが、

カイリに掛かってしまえば、数分のうちに解除される。

「アラーム解除。手早く済ませろよ」

「Loger、了解。五分でケリ付けるから、その後Pick upよろしくね」

手短に通信を終わらせると、恵依吏は仕事に使用する三枚の札を取り出す。

「今日は、これね」

取り出した札には「銃」「ナイフ」「スタンガン」の絵が描かれ、登録された人の指紋を認証することにより

その武器が具現化する仕組みになっていた。

エイリのお気に入りである銃を出すべく、銃の描かれた札に親指をタッチする。

タッチした瞬間、札は弾き飛んだかのように宙を舞うと、跡形もなく消え銃へと変化する。



家の中では、ターゲットの男が多くのパソコンに囲まれながらキーボードを奏でるように薄いタブレット

を入力していた。

「さぁ、今日も情報いただくぜ」

パソコン画面だけでも明るくなってしまう部屋の中、男は活き活きとハッキング行為をしていた。

「クックックッ、こんなセキュリティー、オレ様には通用しねぇっつうの」

男は画面を見つめたまま、手近にあったファストフード店のカップに入ったジュースを飲む。

「これで、五十万円いただきだぜ!」

男がEnter Keyをタッチした瞬間、男の後頭部に銃口が押し付けられる。

一瞬にして背筋が凍りつく。


挿絵(By みてみん)


「……」

「飯倉 泰。あなたは法の目を掻い潜り、ハッカーとして多くの犯罪をしてきた。極秘情報を他国に流し、

見返りとして多額の金を手にした。その罪、万死に値する」

銃を突きつけたまま、冷静に告げる恵依吏。

「どっ、どうして、オレの部屋に……」

「あぁ、防犯用のセキュリティーね。そんなの、私達にかかれば、チチンプイプイ、あなたのように

指を滑らすだけで解除できちゃうのよ」

恵依吏の隙を窺い、タッチパネルに手を伸ばそうとする飯倉。だが、その動きを見逃さない。

「Hold up! 妙なマネはしない事をオススメするわ」

飯倉は促されるまま、ゆっくりと両手を挙げる。

「どうせ、何したって殺すんだろ? そうでなきゃ、ここへ来た理由が付かねぇ」

殺し屋の顔を窺おうとした瞬間、恵依吏は銃のトリガーを引く。



外で待機しているカイリ。恵依吏からの連絡が入り、拾いに行くため車を運転する。

ほとんど外灯のない通りを走ると、道沿いに佇む人を見つける。

車を停車させると、その人物は助手席に乗り込んでくる。

「首尾は?」

「Completeだよ」

どや顔の恵依吏。

そこへ電話が入る。相手は一翔からであった。

『大丈夫かい恵依吏? どこもケガはないかい?』

テレビ電話のように画面が現れ、メガネを掛けた一翔が心配そうな顔を見せる。

「もう、一翔は心配性なんだから。大丈夫に決まってるじゃん」

『はぁ、裏の仕事を辞めろとは言わないけど、お父上や僕の身にもなって欲しいよ』

画面に映る一翔は、目に涙を浮かべながら訴えかける。

「はぁ……過保護なのは、ある意味ウザイんだよね。特に、一翔は」

つれない様子で応対する恵依吏に対し、一翔はめいいっぱいカメラに近づき顔を見せ付ける。

『そっ、そんなぁ……恵依吏にもしもの事があったら、僕、いてもたってもいられないよぉ……』

「……近い、近い。ったく、だからいつまでたってもカノジョができないのよ」

『うっ、うっ、グスン……』


挿絵(By みてみん)


何かを諦めたかのように、画面から離れる一翔。

「とにかく、これから帰るから、お風呂の準備しておいてね」

と、だけ残し、一方的に切る恵依吏。

「はぁ……」

カイリの運転する車は帰途へと着く。



コラボ企画第一弾でした。


この作品は、絵からストーリーを起こそうという企画から始まりました。その時に、私の引き出しに眠っていた(というか、設定を活かしきれないまま挫折していた;;)恵依吏たちを引っ張り出して簡単な設定と共に一枚絵を描きました。そのイラストにお話をつけてくださったのが、このepisode0です。


一枚のイラストから、クールな海吏や、心配性の一翔が出来上がるのは感動ものでした。今回はその中から、恵依吏の仕事シーンと、ラストのほのぼのとしたシーンを選んで挿絵をつけさせて頂きました。モノクロには不慣れなのが、ありありと見えてしまっていますね。これから修行していきます。実は、このプロトタイプを元に、中~長編バージョンを二人で制作中です。遅筆な私のことですので、タートルカンダさんにはご迷惑をおかけしっぱなしなのですが、ぼちぼち、一話ずつ話と挿絵のセットが出来上がったらアップするという連載形式をとって行きたいと思っていますので、お付き合いいただければ幸いです。


声をかけてくれた&素敵なお話をつけてくださったタートルカンダさん、本当にありがとうございました。



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