表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

交換要望所

「ユリカさんは『ニセグリ』が好きなんですか?」


「ん?別に好きでも嫌いでもありませんよ。どうしたんです?」


「主食は『ニセグリ』?」


「ああ・・・」


 苦笑したユリカさんが、数日続くと飽きちゃいますよね、と言う。


「交換所で交換したらいいのに」


「え?」


 ユリカさんが意外そうにした。


「ここらへんでの主食なんですか?」


「いえ、私の領地で採れるもので、貴重なので交換はしたことがないです」


「ほう・・交換しましょうよ。交換所で!何か食べ物と!」


「んん~・・・」


 唸るように困っているユリカさんに、書籍を広げて見せる。


「ニセグリを主食的なものにしているのは、タンパク質とデンプンが多いから?」


「ご名答」


「じゃあ、きっと『アボカド』があるはずだから交換してもらいましょうよ」


「アボ・・・?」


「知らないっ?」


「知りません。初耳かも・・・」


「そういうことか。交換所に、ニセグリ持っていきましょう!」


「ニセグリにつりあう交換かどうか・・・ちょっと・・・アポガド?」


「アボカド、です」


「なんだろう?どういうものですか?」


「木の実です。きっと気に入りますよ。僕は醤油で食べるのが好きです」


「醤油ならありますけど」



「あるんだっ!?」


「はい」


「醤油好きですか?」


「嫌いではありませんけど、なに?」


「だったら、アボカド頼みましょうよ!」


 不思議でいぶかしそうな顔をしているユリカさんに頼んで、交換所へ。


 そしてアボカド好きな僕の勘で、ニセグリ5個とアボカド8個を所望した。



 翌日、部族の方から共通語で、「本当にありがとう」とメッセージ。


 気を使って、すぐに食べれる熟したものを、も、要望通りだ。


 あと持っていた自分の金を代償に鮭を頼んで、切り身にしてもらった。


 その日の夕飯はアボカドの刺身と、鮭の切り身のソテーと庭で採れた野菜のサラダ。


 見た目も味も抜群だ。



 ユリカさんは嬉しそうにしてくれて、「美味しい」と感動していた。


 昔食べた、マグロに味が似ているとアボカドのことを言っていた。


 マグロ、って何だろう?



 部族さんたちから「ニセグリくれるなら、交換の種類を増やすぞ」と連絡があった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ