レインボーモルフォリーフの単色葉の採取
レインボーモルフォリーフ?
初めて耳にしたかもしれない。
今日はその単色葉の採取。
採取して来た。
赤紫の葉が虹色の光沢を魅せる葉っぱ。
今回は、光沢のないほうの採取、ってことだった。
光沢があるのとないのとでは効能が違うらしい。
それから、ある程度、単色葉を摘んでかまわないと夏を越せない性質の植物。
なんで森にあるんだろう?って質問しても、
「さぁ?まるで神秘的よね」って返事のユリカさん。
枝の分け目から単色緑色のものを積んでいく作業。
案外と楽しい。
問題はそのあと。
帰り道、ユリカさんは転んでしまった。
おぶって帰宅したけど、綺麗な足に傷。
前に読んだ本では、ヨモギが効くらしい。
何か言いたげなユリカさんの傷口を清潔な布で拭って、僕は必死。
畑で適量だと思われるヨモギを収穫して、すり鉢と棒ですりつぶす。
それをガーゼに塗ったら、湿布の出来上がり。
ユリカさんが困惑して苦笑している。
「私、傷が治るのが早いんです・・・」
とりあえずヨモギ湿布を包帯で巻いて、その日の夕飯は僕が作った。
翌日には、ユリカさんの足の傷はふさがっていた。
朝食を作ろうと果物の皮を剥いていると、ナイフで指をケガした。
側にいたユリカさんは僕のその指に「ふ」と息を吹きかけてた。
微笑むユリカさん。
気づくと僕の指先の傷は、治っていた。
昔より魔力が少しだけ上がってるんです、とユリカさんは少し寂しそうに言った。




