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序章
森の中、朝の気配をまぶたに感じて目を覚ます。
木の枝葉の隙間から差す陽の光が、斜めに光を透して『僕』の顔に当たっていた。
まぶしくて起き上がり、頭痛にうめいて頭を抱える。
転んだのだろうか?後頭部に違和感を感じて触れてみる。
さいわい出血はしていないし、傷もない。
あたりを見渡すと、そこは低木が特にない森の細道。
低木がない代りみたいに、低木くらいの大きさが当たり前のキノコがはえている。
食べたら美味しいのか考えたくなるような綺麗な見た目。
そこらは瞬く星空のように小さな輝きが舞っている。
それが、人体が吸い込むと危ないキノコの胞子であることに気づく。
・・・一体、どれくらいの間・・・『僕』はここで、何をしていたのだろう?
「ここは・・・どこだ?」
記憶が、ない。




