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紫の使者(仮)  作者: 海月
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2話 初代が最強説浮上中

今私は両親と共に教会に向かっている。バッチリおしゃれして。ハーフアップにした髪を薄紫のレースの着いたリボンで結び、少し大人な雰囲気の深い青に紫のレースの着いたプリンセスラインのドレスを着て。

さて、ここで魔法についておさらいをしておこうかな。


そもそも、魔法は一般人、つまり平民は少しの魔力しか持っておらず、火をつけたり少しの水を出すことくらいである。魔法を満足に使えるのは貴族がほとんど。でも、それは人族の話。

獣人は放出系の魔法は使えない代わりに、動物に姿を変えたり、身体強化に優れる。

エルフ族は普通の魔法は使えないが、精霊魔法を使える。

ドワーフはもっぱら身体強化で、魔力量は少ない。が、魔法攻撃への耐性が高い。

魔人族は全員が膨大な魔力を持ち、魔法に優れる。(が、数が少ないため余程のことがない限りは会うことも無い。)

という具合に種族によって様々である。


そして、魔法属性。魔法属性は火、水、土、風の初級魔法と呼ばれ、魔力を持っている者が使える属性に、炎、氷、雷、植物、錬金術、従魔術の中級魔法と呼ばれるある程度の適性と魔力量、練習が必要な魔法。そして、光、闇、無、召喚術、精霊魔法の上級魔法と呼ばれる適性がないと使うことの出来ない魔法がある。私の場合闇属性を持っているのは把握済みだけど、普通はこの時まで知らないし、魔力を持つ物は全員やらねばならない魔力操作くらいしかやらないものだ。魔力を体にまとったりとかね。私は闇属性の魔力だけを操作する練習をしたけど。話がズレちゃったな。

で、そんな魔法適性を計るのが、教会にある“知恵の神の涙”という特別な水晶。それを魔力が体に馴染んだ10歳の時に触れると、魔法適性と魔力量を文字と数値で表してくれるのだ。

それから魔力量について。10歳である程度の魔力量に達し、16歳で魔力量の成長が完全に止まる。それから魔力量が自然に増えることはなく、禁術でも使わない限り増えない。

にしても、上のこと(特に魔力が体に・・・のところ)知った時、我が家ってだいぶやべぇのではと思った。


「エリュ、そろそろ着くわよ。」

「はい!」



おおっ!ここが教会…!初めてここに来たのは生まれてすぐに戸籍を作るために来た時だったから、その時の記憶はないし、実質的に初めてなんだよね。

入ってすぐに見える大きなステンドグラスと、そこからの光に照らされるのは神々の彫刻。中央にあるのは運命神、右には太陽神、豊穣の女神、創作の神。左には知恵の神、武術の神、商売の神。まだ見たことないけれど、ここの真反対にある、西向きの教会には中央に冥府の神、右には月の女神、左には刑罰の神が置かれた、裁判や葬儀が行われる所もあるらしい。ちなみにここは東向きである。


両親と共に司祭様に挨拶し、いよいよ水晶に触れる時が。

ヤバイ。すごいドキドキするわ。手が震えるんですけど。そ〜っと水晶に触ってみると、パァッと少し眩しいくらいにひかり、様々な色が浮かび上がる。より濃いのが黒に近い紫色に、鮮やかな青と、水色、黄緑色、黄色、明るい赤紫に桃色。薄く赤と茶の色の光。

「エリュネシア様の魔法属性は基本属性と、氷、雷、従魔術、召喚術、闇。特に、闇と水、氷が適性が高いですね。そして、魔力量ですが・・・」

え、な、何か問題あるの…?え、その間怖いんですけど。

「魔力量、73万でございます・・・。」

『・・・はい?』

「な・な・じゅ・う・さ・ん・ま・んでございます!10歳でこれとは、将来的に初代オルキヌス公爵に並ぶ程の量でございます!!」

初代オルキヌス公爵。この国、ドナルド王国建国の際に初代国王に協力した黒龍のこと。彼は自分の庇護下に加えた者にはとても寛大で、特に海にまつわる者が好きで、野心がない代わりに海に面しているこの現オルキヌス領を望んだと伝えられている。

そして、その血をより濃く受け継ぐ者は黒とは対照的な明るい色の髪に、瞳孔が縦に伸びた赤い目をしていると言う。

確かに私は白に近いプラチナブロンドの髪だし、瞳孔が縦ではあるが、目の色紫色なんだけど。

両親は驚きはしたものの、すごいなぁ、すごいわぁで終了。え・・・という顔をしている司祭様に心の中ですこぉし謝りつつ、馬車に乗って帰るのだった。

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