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村上のため息
翌朝。
益田はベンツに乗って登校した。
校門の前では十数人の男子生徒が益田を迎えた。
「橋本は」益田が聞くと
「まだ来てません」と生徒の1人が答えた。
益田は男子生徒を引き連れ校舎に向かった。
村上は、その様子を見ていた。
橋本は昨日、稽古中に怪我をした。
相手の突きを受けた際、アバラにひびが入ってしまった。
南井から喧嘩をしないよう注意を受けていた。
「この状態では勝てない。しかし、逃げたと思われたくない」橋本は迷っていた。
昼過ぎになって橋本は家を出た。
校門の前では南井が立っていた。
「今日は帰れ」南井の言葉を聞くと橋本の心は折れた。
「乗れ」という南井の言葉に従い橋本は車に乗った。
放課後になり益田は取り巻き連中に「奴は来ないな」と言った。
益田は電話を取りだし「帰るぞ」と伝えた。
やがて、ベンツが校門に着き、益田は下校した。
その様子を見て村上は安堵の表情を浮かべた。




