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研心館道場
研心館道場はすぐに見つかった。
道場に近ずくとドスンドスンと音が聞こえる。
「失礼します」と言って村上は戸を開けた。
中には空手着を着た大柄な男がいた。
「始めまして私は矯正学園の教師の村上と言います。アパートに行くとクラスの橋本君がこちらにいると聞いて参りました」
男は「私は道場主の南井です。どうぞお入り下さい。おい橋本、先生がいらっしゃったぞ」南井が声をかけると顔に気品がある痩せぎすの青年が現れた。
「始めまして」橋本は村上に言った。
「長期欠席しているが、なぜ学校に来ない?」
村上は橋本に訪ねた。
橋本は「行きたくないからです」と答えた。
「その理由を知りたいんだが。まあ今日はこれで帰るよ。稽古して下さい」村上が言うと南井は「ちょっと奥でお話しましょう」と誘った。
村上は南井に言われるまま奥に入った。
南井は村上に茶を出すと語り始めた。
話の内容は橋本の両親はイギリスにいるため1人暮らしをしている事、矯正学園に来る前は都内有数の進学校にいた事、などだった。
不登校の理由は喧嘩に負け、相手が少年刑務所を出所するまで稽古に励み、再戦して勝つため、と南井は説明した。




