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肉は歯車、血は油
―――アンドロイドは未来技術?何を言っているんだい。君の周りにもしっかり居るじゃないか。ルーチンワークを義務付けられた、故障するまで動き続ける機械が、ほらこんなに―――
朝八時、起床。意識覚醒。
瞼を開け、無機質な天井を見る
上半身を起こす。着替える。
変わらぬ一日が、また始まる。
いつもの道に、いつもの車。
いつもの時間に、いつもの渋滞。
定型化された職場のメールに
マニュアル通りの返答をする。
予定通りの仕事運びに
契約通りの賃金をもらう
いつもの道に、いつもの車。
いつもの時間に、いつもの渋滞。
変わり映え無き日々の食事
生理的に必要な栄養を
機械的に腹へ押し込む
変則性など何処吹く風
夜十時、就寝。意識のシャットダウン。
瞼を閉じ、何処までも暗き闇を見る
体を横にする。眠る。
いつもの一日が、漸く終わる。
人間の体は細胞によって構成されている
しかし細胞それ自身は生物ではない
個が集まって組織になり、
初めて『人間』が生まれる
組織としての『社会』は
『人間』という個の集まりである
それならば『社会』を構成する『人間』に
人間らしさは有るのだろうか?