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『21g』の付加価値

―――これは、もしかしたらDr. McDougallによって証明されていたかもしれない、『魂の本質』に関する考察の一つである―――

『それ』は38週間かけて、

肉体(2.7kgの質量)を得た

『人間』と呼ばれたそれは

己の『人生』を歩み始める


類稀なる大脳が

与えた無限の可能性

それこそが人の尊さだと、

一体誰が否定しよう


化学物質の寄せ集め

秩序を持った原初のスープ

それこそがヒトの本質だと、

果たして誰が認めよう


「人類は考える葦である」

神経パルスの生み出した

曖昧模糊な哲学など

人間と草木を隔てうる

分水嶺足り得るのだろうか


「畜生に魂は宿らない」

崇高な『人間の本質』は

その実、僅か二十一グラム

量れる程度の尊厳に

縋り付くヒトは滑稽だろうか


『それ』は78年かけて、

(21gの付加価値)を解き放った

『物体』と化したそれは

静かな『崩壊』をただ待つのみ

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