第3話
「な ん で ! ?」
またもや自宅のベッドで目を覚まし飛び起きる
神はと言うとそばの椅子に座って机に向かい何をしてるのかと思えばプラモデルを組んでやがった。
軍艦のプラモデルの艦竿と呼ばれる旗を立てる部分で特に折れやすく紛失しやすい部品を取り付けようとしているらしく、ピンセットにつまんだ部品を片目を閉じて凝視しながらいつになく真剣な表情であてがっている
その真剣さを1/3でもいいからもう少しこちらに向けて欲しい
まあ、そんな神の背中を容赦なく蹴り飛ばすわけだが
「へべっ!?ああああああパーツ折れたぁぁぁぁぁあああ!!!」
「知るかこっちはまた死んだんじゃ!!ねえカミサマー?どういうことかなー?この世界雑魚敵すら理不尽に強いのが当たり前なのかなー?」
文句言いたげな神の顔面をアイアンクローで掴み真顔で問い詰める
「いだだだだだだ暴力反対暴力反対!!」
「で、お前さんさっきから雑魚敵の代表とばかりにスライム挙げてるけどさー。スライムめっちゃ強いよ?中ボス張れるくらいの実力者だよあいつ」
と顔にくっきりと赤く手形の跡を残しながら一応の弁明をする神
スライムが中ボス。マジか。この世界だけの話じゃなくてか?
「うんまあここ数十年はね、『アレ』の影響でスライムは最弱って印象が付いたよね。本当は滅茶苦茶強いのに。だって武器溶かすし装備も溶かすし物理攻撃基本無効よ?弱いわけがない」
『アレ』というのはお察しの通りのアレだ。あえて口に出すわけにはいかないが。
「あーそう、わかった悪かった。前言撤回。とりあえずもう何でもいいからコレ持ってればとりあえず安心出来る程度のやつ出るようにしてくれ。じゃないと魔王倒す旅どころか街からすら出れん」
コレ、と言いながら前回溶かされた太く長い木の棒を神に見せる
「それで倒せるくらいねー、わかったわかった任せとけ」
とまたもや世界の情報を変えるべくキーボードを叩くような動作を始める神
「あ、そうだついでに街の人とまともに会話」
「ほい終わった!!」ッターン
ついでに街の人間とまともにコミュニケーション取れるようにしてくれ、と頼もうとしたがそれより早く書き換えが終わったらしくエンターキーを叩くような動作で切り上げた
「チックショウ間に合わなかった!!」