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石にぼったくられる草

【個体:マンドラゴラのレベルが1から5に上昇しました。それにより、ステータスが上昇しました】


 ……

 …………へ?


 えええええええええ!?


 え、え、ちょ、え!? ま、待て待て待て待て! おかしい! おかしいって、このスキル! だって一声でこの数だよ!? 何回も叫んだらどんだけ殺せるんだよ!?

 やっぱこのスキルチートかよ!? ちょ、ちょっと、一回落ち着け、僕。こんな時こそ深呼吸だ。今までみたいななんちゃって深呼吸じゃなくて、マジもんの深呼吸だ。スー、ハー。スー、ハー。……よし。


 じゃ、ちょっと振り返ろう。

 叫んだ→大量の経験値獲得。それに尽きる。

 ……やっぱえげつねーな、これ。

 いやいや、でも、こんな強いなら何かしら欠点があるだろ。強い奴には効きにくいとか、自分に反動が来るとか。

 あ、そういえば……あの時のアナウンスには、カマキリの経験値20は無かったな。やっぱ強ければ強いほど成功しにくいんだろうな。

 反動は……何も無いように思うけどな。あ、もしかして魔力とか使ってる? ちょっと見てみよう。


 ……あ、減ってら! さっきテンの部屋の天井を作った時は魔力34あったのに、24に減ってるわ。……そういや、テン大丈夫かな? 見てくるか。



 ――僕は今、テンのいる部屋の前に来ております。で、ここで問題が発生しました。

 ……これ、どう無くそう?

 最初は「崩れろ」って唱えればいいと思ってたけど、よく考えたら下手したらテンが下敷きだよな。うーん……


 ……あ、「動け」ってのはどうだ? ……いや、やめよう。もしも横にスライドなんかしたら、それこそ最悪だ。他に――あ、そうだ!「倒れろ」って唱えればいけるんじゃないか? これだと……うん、多分悪い方向には転ばなそうだ。よし……


あ゛オ゛エオ゛(倒れろ)


 ググッ……コトン!


【スキル:地属性魔法のレベルが2から3に上昇しました】


 よっしゃ、成功! テンは……ん? え!? いない!? あいつどこへ……あ、いたわ。土の部屋の壁にくっついてた。動いてるし、どうやら無事みたいだ、良かった。


 それにしても、即死のスキルは魔力も使うのかー。強すぎだから仕方ないとは思うけど、強い奴には効きにくいのも考慮すると、使い勝手がいいのか悪いのかわからんな……。ま、ケースバイケースって奴だな。

 そう考えると、付加系のスキルって使い勝手良すぎとも思えるな。代償無いし。……本当に代償無いのか? なんか心配になってきた。まあ、この件に関しては、保留ってことでいいか。


 よし、じゃ、魔法の検証するか。ワクテカ。まあ、ひとまず魔力が全快するのを待つか。



 はい、魔力満タン! 待つついでに、風属性魔法もちょちょいと習得しといた。そしたら、なんか「魔導師」っつー実績ももらえた。で、魔力とか魔法関係のステータスが上がった。やったね!

 ところで。何か魔力の回復が遅い気がするんだが。何でだ? 種族によって違うとかか? それとも光合成が……あ、そうか! 光合成だ! 今の僕の葉って前より小さいから、その分光合成ができないんか! なるほどなー。我ながら冴えてる。

 まあ、それはいいとして。早速検証始めるか!


 用意するのは、土(適量)、魔力(適量)、地属性魔法(1つ)。料理番組風に。

 で、まずは、どんなことができるか試してみるか。例えば……ここに大きめの石があるな。これの形とか変えられないかな? よし……


あガエ(曲がれ)


 ……何も起こらないな。これは無理なのか? じゃ、今度は……これを動かしてみよう。


うヲ゛くェ(動け)


 ……またダメだ。え、使い勝手悪くね? 魔力はあるよな? 一応確認――

 ――って、魔力0になってんじゃん!? Why!? え、もしかしてどっちか成功してた? それとも、失敗しても魔力消費しちゃう系? もう一度これ良く見てみよう……


 ――ああ! ここにすっげえ微妙な凹みがあるわ! 気付くかこんなもん! っていうか、え!? こんな凹みのためだけに全魔力消費した系!? うわー、回復めんどくせー。どうしてくれんだよ、この石ころめ! 蹴飛ばしてくれるわ! そいやっ!


 ガサッ!


 ……



 ガサッ!

「キシイイィィィィィィ!!」


 ちょ、ハァ!? カマキリはお呼びじゃないんだよ! 今魔力無いんだよ、帰れ!

 っつっても帰らねえよなー。あれ? そういや、こいつって鳴くんだっけ? まあいっか。っと、危ない! 動けるようになったから、カマキリの鎌攻撃が避けやすくなったな。これなら今までみたいなトゲがなくても戦えるかも? それに、麻痺も試せるな。よし、バッチコーイ!


 じゃ、まずは麻痺かな? よし、突撃してきたところを……かわす! そして体の向き変えて殴る!

 ……うーん、当たらないなー。前よりリーチが短くなったから、攻撃がしにくい。そしてその分相手が大きく見えるわ。もうね、迫力がダンチ。これ、別の種族なんじゃね? ってくらい違う。

 まあ、もし仮に別の種族だったとしても、僕だって進化したんだ。勝てないわけが無い!……はず。



 ――うーん、全然当たらないなー。もう8回は空振ってるわ。もっと速く動けないもんかね? あ、また突撃してきた。じゃあ避けて……避けるのは結構簡単なんだけどな。ぶん殴るのがね……そおい! ――おお! よっしゃ、当たった!


【スキル:麻痺付加のレベルが1から2に上昇しました】


 よおし! で、カマキリは……別に麻痺ってる様子はないな。失敗かな? 混乱でも初期にあったよな、これ。まあ、今ので殴るタイミングは掴めた。こっからはずっと僕のターン!



 ――でもありませんでしたー。さっきから3、4回立て続けに殴ってて、スキルのレベルも3になってるのに、全然麻痺しないんだ、これが。また来た。ほら、こうやって横にひらりと避けて……殴る。これはもう簡単なわけよ。


【スキル:麻痺付加のレベルが3から4に上昇しました】


 お、レベル上がった。でもですよ。ほら、ピンピンしてやがるんですよ、このカマキリ。畜生め。

 もう1回。避けて…闘牛士ってこんな気分なんかな。よく知らないけど。ここに赤い布があれば様になるんだけどなー。あるわけないからいいけど。で、殴ると。でも、麻痺はしな――おお、した!! やっとだ、よっしゃー!!


 おー、すごい痙攣してる。いかにも麻痺って感じだ。さーて、この間に何するか……とりあえず殴るか。今の僕は攻撃力もあるからな。さあ、スーパータコ殴りタイム、スター――って、うおっ! 治りやがったよ! もうちょっとタイミング考えないもんかな? まあ、そんな事言ってもしゃーないよな。また麻痺……いや、混乱でもいいのか。もう検証は済んだんだし。まあ、どっちにしろ、魔法が使えなきゃ、決定打にはなんないんだけど。

 じゃ、魔力が回復するまでの耐久、始めますかー。


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