今日の天気は晴れのちくも
え……嘘だろ……? あ、あれ……
茂が目にしたのは――――蜘蛛だった。
それも、2匹や3匹などといった数ではない。数百匹もの蜘蛛が集団で飛んできているのであった。
そして、それらの通った場所にいた生物は、数の力によりほとんどが抗うことも許されずに捕食されてしまっているようだった。
な、何だよあれ!? 一気にこんなに来るなんておかしくねえか!? あんなんいくら一匹一匹が弱いったって対抗できる訳ないじゃねえか!
で、でも、来てる以上は仕方ない……やるしかないか、テンを守るためにも。
僕は植物だから大丈夫だと思うが、テンを食わせるわけにはいかねえ!
よく見ると、(笑)とか蝶とかだけじゃなくカマキリまで襲ってるな……あ! カマキリが食われた! マジかよ!? うう、数の暴力ってやっぱ恐いな。
おっと、のんびり観察してるわけにもいかないか。さて、どうすれば耐えられるか……魔法はあんま使う訳にはいかないよな、魔力は限られてんだし。
となると、混乱付加での肉弾戦しかないわけだが、それで行けるか……? 敵はカマキリより遥かに戦力は上だが……
……いや、考えてるだけじゃ何もできないか。まず動かなきゃな。
テンはもちろん葉で隠しとこう。
よし、そろそろだ。テン、食われないように頑張れ……いや、無理だろうな。やっぱ僕の抵抗次第でテンが生きるか死ぬか決まるのか。
ああ、いざ近くまで来ると恐くなってきたな……迫力がカマキリなんかとは桁違いだ。――いっそのこと諦めようか……って、駄目だ駄目だ。気をしっかり持たないと……よし、来い!!
【スキル:勇気のレベルが2から4に上昇しました】
――来たな。幸い今はテンには気付いてないようだが、いつ気付くかわからん。見えるだけで100匹はいるな……これ全部と言わずとも、3分の1くらいを相手にしなきゃいけないのか。改めてキツいな。まあ、やるしかないんだもんな、しょうがない。
よし、今だ! 混乱付加発動! うおらあああああああああ!!
そうして、茂は葉を振り乱し、がむしゃらに蜘蛛に攻撃を仕掛けた。
葉の数が多いうえ、相手も多数集まっていたため、多くの蜘蛛に攻撃が当たった。
その結果茂の回りは、混乱した蜘蛛が入り乱れる地獄絵図となった。
【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】
【スキル:混乱付加のレベルが8から9に上昇しました】
【8の経験値を獲得しました】
…
……
………
【個体:アミルズ魔草のレベルが19から20に上昇しました】
おらおらおらおらおらぁ!! 心なしか数が増えてる気がしないでもないが、知ったことか!
おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらぁ!!
おらお……ぐっ!? 畜生、あいつら茎に噛みついてきやがった!! クソッ、離れろ! おらぁ!
と、茎に付いた蜘蛛を払っているところだった。その時、一枚の葉が茎に触れた。
あっ!! しまっ――――
【スキル:混乱耐性のレベルが3から4に上昇しました】
ハッ!? やべっ、自分が混乱受けちまった! テンは!? 大丈夫か!? 感知を最大限に稼働して……良かった、無事だったみたいだ。
だったら今度は慎重にやらないとか……いや、ちょっと待て?
茎に噛みついてるってことは、茎に混乱付加すれば……お、食らった! なんだ、これでいいのか。
よし、じゃあ再開だ!
おらおらおらおらおらおらおらおらおらぁ!
【スキル:乱撃を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【15の経験値を獲得しました】
【スキル:乱撃のレベルが1から5に上昇しました】
【8の経験値を獲得しました】【個体:アミルズ魔草のレベルが20から21に上昇しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
……
…………
不意に、蜘蛛達の動きに変化が生じた。テンのいる葉に群がってきたのだ。
そして、もちろんそれは、蜘蛛がテンの存在を知ったということを示していた。
あっ! そっちはテンのいる葉……ってことは、気付かれたか!?
クソッ、何としてでも守らなければ!!
うおおおおおおおおおおおお!!
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【15の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【個体:アミルズ魔草のレベルが21から22に上昇しました】
【実績:一騎当千を獲得しました。それにより、ステータスが上昇しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
【8の経験値を獲得しました】【8の経験値を獲得しました】
……
…………
………………
そうして約3分後。ようやく蜘蛛達の襲撃は止み、遠くへ新たな獲物を求めて去っていった。
――ふう、終わったか………って、テンは!?
……テン! いた! 良かった……! 食われてたらどうしようかと。
でもって、こいつ相変わらずマイペースだな。もう葉食ってら。それ以前にこいつ自分がピンチなのわかってたんかな?……わかってたってことにしとこう。
それにしても、なんであんな大群で襲撃してきたんだ? 蜘蛛って集団行動するっけ? いや、しないよな。おそらくこの世界のこの蜘蛛だけだろうな。
やっぱ数の暴力の凄まじさがわかってたんだろう。もし僕が動物なら間違いなく一瞬で死んでたくらいの迫力だったもん。いやー、自分で数押しするのはいいけど、相手にそれをされると怖いね。身にしみてわかったわ。
あ、そういやレベルどうした? 結構アナウンス流れてたと思うんだけど、耳に入らなかったからな。どれどれ……お! すげえ! 23まで上がってら! これってもしかして進化できるか!? 進化!
――できないみたいだ。え、20レベじゃないの!? うわー。まあ25レベって可能性もあるからな。ポジティブにいこう。あ、でもこっから2レベ上げるのって相当な経験値必要だよなー。あー、だる。
……あ、そういや次進化したらどうなるんだろ? 考えたこと無かったな。うーん、草から木になるとかか? 木……あ、そういやトレントとかいう木の魔物も転生モノだと度々出てくるな! それに進化するのか? でもこの草の体から一気に成長ってのも変な話だよなー。間に一個はさむとか? うーん、想像が広がるな。次の進化が楽しみだ。




