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 またもカマキリは鎌を横薙ぎに払ってきた。が、これはさっきまでに何度も見た動き。体を反らせば避けるのは…簡単だ!

 フェイントさえしてこなければこいつはあんま厄介でもないんだが…あ、そういえば体力はどうなってる?

―――――――――――――――――――

名前:無し 種族:アミルズ魔草 系統:植物系

Lv.1  体力:4/5   魔力:1/25

    攻撃:2    魔攻:12

    守備:5    魔守:25

    速度:0    養分:225

状態:通常


スキル:算術Lv2 混乱付加Lv6 集中Lv6 感知Lv6 瞑想Lv2 混乱耐性Lv3

   魔力操作Lv3 気配遮断Lv1 光合成Lv6 工作Lv1 罠隠蔽Lv1 勇気Lv2

   痛覚軽減Lv4 身体操作Lv3


実績:数学者 物忘れ 孤独 間抜け 魔導師見習い 変質者 不動 栄養豊富 発明家

  三日坊主 罠師 柔能制剛 奇跡

―――――――――――――――――――

 あー、1削られてんな…。回復手段があればいいんだが、無いからなー…

 あ、ところで何か使えそうなスキルあったか? ……うーん、無いか。強いて挙げるとすれば罠隠蔽なんだが、今は罠を作る魔力が無いもんな。


 うーん……これ、詰んだ?

 いやいや、まだ全然大丈夫だろう。魔力もしばらくすれば回復する。でもそのしばらくの間がな……

 まあ、やるしかないよな。よし、かかってこい、カマキ……おおっと、危っぶねえ! あいつの鎌が横に1センチくらいずれてたら、僕切れてたぞ!?

 ま、まあ、避けられたからそれでいいか。あ、まだ来るか。時間稼ぎのために混乱攻撃も仕掛けよう。


 カマキリは同じように鎌を横薙ぎに払ったが、避けられてしまう。そのちょうどのタイミングで、混乱が付加された葉がカマキリの頭上に降り下ろされる……が、カマキリも先程の経験から、この攻撃が危険なものと判断したようだ。間一髪のところで、横跳びしてかわした。


 畜生、当たらないか。あいつ速いから厄介だな。でも耐えるしかないもんな……

 また来たか。今度は左に来……いや、あいつ方向転換しようとしてねえか!? フェイントか!

 だがしかし! 僕は反射神経だけはいいんだ! 二度も同じ手にはかからん! そらっ! 危ねえ!

 よっしゃ、上手く避けられた。心なしかあいつ悔しそうに見えるな、いい気味だ。


【スキル:身体操作のレベルが3から4に上昇しました】


 お、身体操作のレベルも上がった! いいね!

 よーし、カマキリ! もうお前の攻撃なんて当たらん! どっからでもかかってこい!


 その後も、茂はフェイントも交えたカマキリの横薙ぎの攻撃を、体を反らして避け続けた。


 これ魔力全快まで余裕で耐えられそうだな。ところで今はどんくらい魔力回復してんだろ?


 その時だった。ふっ、とカマキリの姿が視界から消えた。


 え? ……え!? あいつ、どこ行きやがった――あっ!? まさかあいつ、気配遮断使ったんじゃ…!?


 そのまさかであった。カマキリは茂の茎に肉薄していた。


 ッ!! ものすごく嫌な予感が、これはヤバい!! 避けないと――――ぐあぁっ!


 カマキリから発せられる殺気を感じ取った茂は、全速力で体を反らした――が、時すでに遅く、茎の半ばまで切り裂かれていた。


 あがっ、僕の茎がっ! た、体力はどうなってる!?

―――――――――――――――――――

名前:無し 種族:アミルズ魔草 系統:植物系

Lv.1  体力:1/5   魔力:14/25

    攻撃:2    魔攻:12

    守備:5    魔守:25

    速度:0    養分:225

状態:通常


スキル:算術Lv2 混乱付加Lv6 集中Lv6 感知Lv6 瞑想Lv2 混乱耐性Lv3

   魔力操作Lv3 気配遮断Lv1 光合成Lv6 工作Lv1 罠隠蔽Lv1 勇気Lv2

   痛覚軽減Lv4 身体操作Lv4


実績:数学者 物忘れ 孤独 間抜け 魔導師見習い 変質者 不動 栄養豊富 発明家

  三日坊主 罠師 柔能制剛 奇跡

 ―――――――――――――――――――

 残り1だと!? これはかなり不味いぞ!? どうにかしてあいつの位置を……感知と集中を最大限に発動すればいけるか!? よし、発動!

 ――くっ、見えないか……畜生、どうすればいいんだ………ん? いや、何となくだが、位置くらいはわかるぞ! 良かった、これでどうにか避けられるかもしれ……って、早速来やがった。うう、何となくだからどっちに来るんだかがわからん……見極めないと――


 その時、カマキリの位置が右にずれた。


 ――右に来る! だから左に反れば!


 確固たる自信を持って放たれた鎌での一撃は、間一髪のところで避けられた――と、思われた。

 だがカマキリは、進行方向を反転し、間髪入れずに茂へと迫った。


 ――――ッ!!!! 不味い、死ぬ! 何とかして助かる方法は――――――! これだ!!

 頼む! 成功してくれ!!

 行っけえええええええええええええええええ!!!


 次の瞬間、カマキリの鎌が茎を切り裂き、茂の身体を両断した――とはならなかった。


 カマキリは腹部を貫かれ、何が起こったのか全くわからない、という様子で絶命していた。


【20の経験値を獲得しました】

【個体:アミルズ魔草のレベルが1から6に上昇しました。それにより、ステータスが上昇しました】


 よっしゃあああああ!! 倒したあああああ!!


 あ、危なかったー。最後にUターンされた瞬間は本気で死ぬかと。

 まあ、何はともあれ、生きてて良かった――――。


 それにしても、僕すげーな。あの場面でトゲを使うのを思い付くとか……


 そう。カマキリを貫いたのは、経験値稼ぎのために作っていたトゲであった。

 茂はカマキリの下にトゲがあったのに偶然気付き、反射的にそれを魔力操作で盛り上げたのである。


 ふう……ん? ちょっと待て。トゲって、そこら辺にあるよな?

 あ、もしかして、最初からトゲ使ってればそんな苦戦しなかったんじゃ……

 ま、まあ、勝ったことには変わりないもんな。け、結果オーライだ。


 ところでどうでもいいけどカマキリって横薙ぎしないようなイメージがあるんだけどな。生前どっかで見た時は鎌を縦にしてバッタかなんかに飛びかかってたし。

 まあ、それは「異世界だから」で片が付いちまうか。


 ―ぐっ、痛たたた……今になって傷が痛み出した。これどうしよう……まあ、一応身体操作で倒れないようにさえすれば、そのうち治るかな? 今は回復手段も無いし。


 ――それにしても、何でカマキリは襲ってきたんだ? うーん、(笑)の匂いがついてたとか……いや、無いな。それだったら前見た時にすでに襲われてただろ。

 じゃあ、動物と間違えたとか? いや、それこそ無………多分それだ。

 フラワー□ックごっこして動いてたから動物だとか思われたんだろうな。

 なんか昔テレビか何かで、動いてるものを食べるとか言ってた気もするし。

 じゃ、これからは安全のために、必要無ければ動かないようにするかー。


 ともかく、一つだけわかった事がある。

 あんな厄介な奴と戦うなんて、もうまっぴらだ。

経験値インフレが起こる事に気付いたので、

バッタの経験値を30→6、蜂の経験値を40→8に変更しました

なお、レベルは変更無しです

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