秘策(考えてあるとは言ってない)
決め手になりうるもう一工夫。それは―――魔力操作だ。
魔力操作は、スキルは覚えられなかったけど、単品でも少しは使える。まあ魔力フルで消費しても土が少し盛り上がるだけってくらい少しだけど。でも、塵も積もれば山となるっていうし、時間をめっちゃかければ何か大きな変化も起こせるはずだと思うんだよ。
でも、問題は何をするかってことだ。燃やしたりとかの火関係は燃え移ったらこっちの命に関わるしボツ。水関係は……溺れさせれるか? 穴作ってその中に水を入れればいけそうな気がする。よし、思い立ったらすぐ実行!
――はい、穴ができました! いやー、穴完成させるのに30分くらいかかったわ。あと途中で罠師って実績と罠隠蔽ってスキルがもらえた。別に何も変わんなかったけど。あ、ところでなんだが、魔力は30秒で1回復っぽい。それで計算したら魔力15が全快するんに7分半で、それが4往復だったから30分くらいかかったってわかった訳。
まあそれはいいとして……あ、そうそう。その計算で算術のレベルが2に上がった。このスキル最初に入手したのに需要がほとんど無いね。まあいいか。
で、今僕の魔力は満タン。ってことで、水を入れていこう! ふふふ、これで(笑)たちを倒せる。よし、水……あれ? そういや水ってどうすんだ? 今までは地面とか空気とか魔力送る先があったけど、水ってどうすればいいんだ? やっべ、無計画に始めた結果がこれだよ! …そうだ、空気中の水分とか集められるかな……いや、無理ぽ。魔力の送り先が結局わからん。
ってことで、失敗でしたー! ハハッ! あー、今までの苦労はなんだったのか……
じゃあ、別の方法考えるか。水はダメってわかったから、次は風……無理だな。じゃあ土単品でなんとかなるか考えてみるか。落とし穴じゃ、かなり深く掘らないと無理だろうから却下だ。埋めて窒息させる? いや、どうやって埋めんだよ。後は何かあるか? うーん………
あっ! そうだ!土をトゲの形にすればいけなくもないかも。相当時間かかるけど、確実性って意味でも時間的な意味でも落とし穴よりかはいいだろう。よし、決まり!
……って、こうやってすぐ決めるから失敗するんじゃん、何考えてんだ僕。もっと慎重に決めよう。
あー、でももう他に思い付かないからなー。やっぱこれでいこうか。
――はい、ってことでトゲが一本完成しました! いやー、一本作るんに25分くらいかかるとは。細かい作業って大変だね。
あ、細かい作業といえば、また実績が手に入ったんだった。精密作業って実績で、集中のレベルが6になった。集中のレベルどんどん高くなるな。
でだ。憂鬱だ。え? 何故って? だってこの作業を何回も繰り返しやるんだよ!? この一本で25分の作業を! 憂鬱にならない訳が無いわ。
まあ、でも今までみたくクッソ退屈なのよりはましか。それに、この作業が終わってバッタが来たら、とうとう念願のレベルアップができるんだし、それが楽しみだから嫌ではない…訳ではないな。
まあうだうだ言ってても始まらないよな。よし、じゃあ、再開しますかー。




