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部活動-5-

 最終下校時刻。

 帰宅部部員全員は揃って校門へと向かっていた。

「で、ミヤミヤはなんでちょっと濡れてるんだ?」

「まさかプールに隠れてたんじゃ……」

「やははー。そーだけどー」

「この季節なのに!?」

「すごいです! 流石はセンパイです!」

「水着はどうしたの?」

「んー? 下着のまんまだぞー」

「ばっ!? ばばばばばばバカじゃねーの!?」

「なんでお前が恥ずかしがってんだよ」

「え、えと、じゃあ今って……」

「ノーブラノーパンだぞー」

「な! なななななななななな!?!?」

「大胆だなー、陽ちゃんは」

「し、しかし深淵の訪れが近き黄昏時。御身なる身体に異変はないのか?」

「んー。ちょっと寒いなー」

「じゃあ早く帰りましょう! 風邪を引いたらダメですから!」

「その前に負けたやつらには罰ゲームだ」

「え、罰ゲームなんてあったんですか?」

「スルーできなかったか……じゃあテルテルに内容を任せようじゃないか」

「部長、そんなことさせちゃっていいんすか?」

「まぁ負けた我々にはそんな権利ないからな。ここは潔く受け入れようではないか」

「じゃ、明日の昼、昼飯を俺らに渡してグランド十周」

「…………部長?」

「う、ううう受け入れようではないかかか」

「骨は拾ってね、夏撫ちゃん」

「そんなおおごとですか!?」

「みなさん頑張ってください!」

「いーなー」

「昼って……会議あるんだけど……」

「我と一輪の百合に任せよ!」

 そんなことで騒ぎながら学校を後にした。

 校門からはほとんどがグループで別れてしまうため、みんなでの帰宅はここまでになる。帰る方面が同じな照と陽と飛鳥はそのまま一緒に下校することになった。

 陽の通学用自転車は飛鳥に押してもらい、自分は濡れている髪をタオルで拭いていた。

「とりあえずボクの家に寄ってください。下着を貸しますから」

「わりーなー」

 にこやかな笑顔を飛鳥に向けて感謝する陽。

 前々から陽は恥じらいがなく、こうして下着を着ないで帰ることも珍しくないものだった。

「これからは気をつけてくださいね。陽ちゃんみたいな人がこんな格好をしてるのはダメです」

「なんかかーちゃんみてーだなー」

「ほら照くん! 上着貸してあげてください!」

「は? 寒い」

 今の時期には衣替えが既に完了しているので、男子は学ランか紺色のブレザーを着ることになっている。

 そうは言うものの女子も制服かブレザーのため、上着は自分のもので十分だが。

「ならお前が貸せばいーだろ」

「あっ、そうでした」

 それまで本当に気付かなかったらしく、感心した表情になってから自分のブレザーを渡そうとするが、両手が自転車を押してるため、器用に脱ぐ以外できない。

 勿論そんなこと飛鳥ができるはずもなかった。

「…………照くん」

「嫌だ」

「まだ何も言ってないじゃないですか!」

 あーだこーだと二人が口喧嘩をしていて、いつもの二人だなー、と陽がのんびりと見ていた。

 と、そんな二人が何かに重なって見えてきた。

「あすかっちがかーちゃんならー、にーちゃんは……にーちゃんかー」

 よくわからないことを言い出した陽だったが、二人は彼女の言いたいことが伝わらなかったため、そのボケを拾うことができなかった。




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