命の恩人
「そうならないために、俺らがいるんでしょ。
うまく立ち回って見せるっすよ」
それを聞いたヨドの顔が、険しくなった。
「あくまでもルクソニア嬢を蚊帳の外に追いやる、というのか。それが彼女の自立の妨げになったとしても」
「子供が判断できる範疇を越えてるっすよ、この場合は。
それに、ぽっと出の部外者に、とやかくうちの教育方針のことを言われたくないっすね。
これ以上なにも話すこともないっすし、お帰りはあちらっす」
エドガーは再び、ヨドのそばにある転移ゲートに入るよう手で促した。
「残念ながら、まだ帰る気はない。
ルクソニア嬢との約束があるし、私が本来果たさなければならない用事もある。
それが終わるまでは帰るつもりは毛頭ない」
言い切るヨドに、エドガーは目を丸くして言った。
「居座るつもりっすか!
さっすが青の陣営の使者っすねぇ。なりふり構わないその姿勢、あきれ果てるばかりっすよ」
嫌みを言うエドガーに、ルクソニアが叫ぶ。
「ヨドを悪く言わないで!
馬車馬のごとく青の王子さまにこきつかわれて可哀想なんだから、労ってあげて!
それとヨドは私の命の恩人なのよ、バカにしないで大切にして!」
プウッと頬を膨らませるルクソニア。
それを見てエドガーは、眉毛がハの字にした。
「お嬢様はあくまでもヨドさんの味方なんすね」
「ヨドは大切なお友だちだもの!
当然よ」
ルクソニアの言葉を聞いたエドガーは、これでもかと盛大にため息を吐いた。




