5歳だから大丈夫
「わかりました。お嬢様がそこまで言うなら、ヨド様にも同席していただきましょう」
それを聞いたルクソニアの表情がパアッと明るくなる。
「本当!? ありがとう、アン! 大好きよ」
そう言ってルクソニアは泣きぼくろが印象的なメイドに抱きついた。
「都合がいいときだけ、大好きにならないでくださいね、お嬢様」
泣きぼくろが印象的なメイドはチクリと嫌みを言うので、ルクソニアは口を尖らせて抗議した。
「アンは怒ってるときは怖いけれど、基本的にはわたし、大好きなのよ?」
それを聞き、泣きぼくろが印象的なメイドの表情が少し和らぐ。
「そうですか、わかりました。
そういうことにしておきます。
いつまでもこんなところで立ち話しているのもなんですし……転移ゲートを使ってお城へ帰りましょうか、お嬢様。
ヨド様もそれでよろしいですよね?」
ヨドは優しい目で頷いた。
「では、まずはお嬢様が先へ。その次は私、最後にヨド様の順でよろしいでしょうか?」
「そちらがよければ、それで構わない」
泣きぼくろが印象的なメイドは頷くと、ルクソニアに向き直り、膝を折って目線を合わせた。
「ではそれで。お嬢様、転移ゲートをお一人で通れますか?」
ふんすと鼻息荒く息をはくと、ルクソニアは言った。
「大丈夫よ、私もう5歳だもの!
子供じゃないから、転移ゲートを使うくらい平気なのよ」
「それは頼もしいですね、お嬢様。
ではあちらへどうぞ」
泣きぼくろが印象的なメイドは、こうこうと光る転移ゲートに手を向け、ルクソニアにゲートを使うよう促す。




