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口は固い
「冗談だといいんすけどねぇ。
アンさん、旦那様以外にもお金、もらってる人いるっすよね?
うまく隠してるつもりでしょーが、給料二重取りしてるのばれてるっすよ。
もう一人の出資者は誰です?
青の陣営っすか?」
今度は泣きぼくろが印象的なメイドの笑顔がひきつった。
「それ、今聞きます?」
泣きぼくろが印象的なメイドが、エドガーの想定していた返答と違うリアクションを返してきたことで、彼は少し目を見開いた。
「ーーどういう意味っすか?」
「聞かない方が良いこともあると言うことですわ。
旦那様があなたにその事を伝えていないのも、きっとその事であなたをこの領地に縛り付けたくなかったからでしょうね。
好奇心は身を滅ぼすと言いますし、この場所に骨を埋める覚悟がないのでしたら、これ以上その話を聞くのは止めておくのが懸命でしてよ?」
「骨を埋める覚悟ねぇ。
ま、俺の場合、どっちにしろ他に行くあてもないっすし、今は自由にノビノビ仕事もできてるし、不満がないぶん、この領地に骨を埋めてもいいスッよ?」
泣きぼくろが印象的なメイドのこめかみがひきつった。
「あくまでも聞きたいとおっしゃるのね?」
「それが約束で始めた話っすよね?
大丈夫っすよ、これでも口は固い方なんで。」
泣きぼくろが印象的なメイドは、小さくため息をはいたあと、話し出した。




