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無能姫はショボいバリアで無双する。  作者: だんち。
エピソード1 元姫、森でイケオジと出会う。
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ふたりの溝

泣きぼくろが印象的なメイドは軽く愛想笑いを返したあと、まっすぐエドガーを見据えて真剣な表情で言った。

「で、質問する順番はどうやって決めるのかしら」

「コイントスでーーっていいたいとこなんっすけど、アンさんズルしそうなんで、そっちが先でいいっすよ。レディーファーストっす」

飄々とした態度を崩さずに言うエドガーに泣きぼくろが印象的なメイドは警戒心を強め、表情を少しこわばらせたが、すぐにいつもの張り付いた笑顔になった。

「あら、随分と余裕がおありのようね。

じゃあ、お言葉に甘えようかしら」

「どうぞ」

エドガーは泣きぼくろが印象的なメイドに手で続きを促した。

「ーーそうね。

まずは旦那様とはどういう契約でここにいるのか聞きたいわ。ただのビジネスパートナーという訳ではないでしょう?

破格の待遇で雇われてるんですもの。

何か裏があると、前々から気になっていたの。

表向きの理由ではなく、実際のところ(・・・・・・)をお話しいただけないかしら?」

それを聞き、にっこりと笑顔を浮かべていたエドガーのこめかみがひきつった。

「いきなりそれっすか。」

こめかみを押さえながら言うエドガーに、したり顔で言う泣きぼくろが印象的なメイド。

「あら、言えないのかしら。

やましいことがないなら言えるはずだけれど……|エドガー先生は言えない《・・・・・・・・・・・》のかしら」

苦虫を潰したような顔でエドガーは言った。

「はいはい、言うっすよ!

言えばいいんでしょ?」

「言えるんですか?」

「この事を内密にしてくれるなら。ノーなら別の質問にしてほしいっす」

それを聞き、泣きぼくろが印象的なメイドが笑顔を顔に張り付けたまま、返した。

「それはもちろん、内密に。」

「……その笑顔が胡散臭いんすよ」

はあと大きなため息をはいて、エドガーは続けた。

「俺が旦那様に雇われている理由ーーそれは魔法の源、魔力研究のためっす。

森の運営はあくまでも木を隠すための副産物っす。帳簿管理も研究費を捻出するため。俺自身は何もやましいことはしてないっすよ」

肩をすくめるエドガーに、泣きぼくろが印象的なメイドが突っ込んだ。

「その言い方だと、他にやましいことをしている人がいるみたいですわね」

「アンさんっすよ?」

にっこり笑顔で言う、エドガー。

「あらいやだ、ご冗談を」

それを笑顔で返す、泣きぼくろが印象的なメイド。

二人の溝はさらに深まった。

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