逃げられなくなる話
「俺は誤解を解く主義っすよ。
何がそんなに引っ掛かってるんすか、アンさん。
良い機会だし、これを期に腹を割って話しません?」
泣きぼくろが印象的なメイドは少し考えたあと、笑顔を顔に貼り付けて言った。
「私はいつでも本音で話していますよ?」
エドガーは片手でこめかみをトントンと叩いて言った。
「どの口が言うんすか、それ。
やっぱりなにかやましい事でもあるんすかねぇ?」
「ありません。」
エドガーの追究に対し、笑顔を崩さずに返す、泣きぼくろが印象的なメイド。
両者にらみ合いの状況である。
「わかった、じゃあこうしません?
お互いに怪しんでいる者同士、納得するまで交互に質問していくってのはどうっすか?
嘘はなしで。」
泣きぼくろが印象的なメイドの笑顔が消えた。
「女には簡単に話せないこともあるんですよ、エドガー先生」
「それはこっちも同意っす。
その上での提案っすよ。
お嬢様が大切なら、余計なリスクは減らしたいはず。
だったらこの条件を飲んで、不安の種をひとつ減らしておくのも手じゃないっすか?」
泣きぼくろが印象的なメイドは少し悩んだあと、観念した。
「私の秘密を知ると言うことは、もう逃げられなくなるってことですよ、エドガー先生。それでもよろしくて?」
エドガーはにっと不適な笑みを浮かべて、泣きぼくろが印象的なメイドに返した。
「それはお互い様っすよ」




