バチバチ
「どういう意味ですか? エドガー先生」
と、泣きぼくろが印象的なメイドがエドガーを流し目で睨んだ。
対してエドガーも、
「そっちこそ人を根なし草みたいに言うの、止めてもらっていいっすか?」
と負けずに言い返す。
この瞬間、泣きぼくろが印象的なメイドとエドガーの間に、誰の目にも明らかな対立関係ができてしまった。
「エドガー先生ェ、その、ちっと落ち着いた方がーー」
「俺はいつでも落ち着いてるっすよ、ハイドさん。
ここはもういいんで、塩と服、なるはやで持ってきてもらえないっすか?
今、手がはなせないんで。」
泣きぼくろが印象的なメイドから目をそらさずに言うエドガー。
「それはいいんだけどよぉ、この空気でふたりにするのは……」
眉毛をハの字にして言う筋肉もりもりな庭師。その隣で二人の間に不穏な空気を感じたお団子頭のメイドも全力でウンウンと頷いている。
それをみて、エドガーと泣きぼくろが印象的なメイドはお互いに見つめあったまま、同時に言った。
「大丈夫っすよ、俺ら大人なんで。」
「大丈夫ですよ、私たち大人なんで。」
全然大丈夫ではないと、筋肉もりもりな庭師とお団子頭のメイドは思った。
しかし背後に転移ゲートがあらわれ、「どーぞ、さっさと行ってきてほしいっす」と促されたら嫌とは言えず、筋肉もりもりな庭師は何度もケンカをしないように念押ししながらもゲートの中へと入り、消えていった。
それを見たお団子頭のメイドもそそくさとゲートの中へと入っていき、消えた。
お団子頭のメイドが転移したのを確認すると、エドガーは転移ゲートを片手サイズに縮小した。
それを見届けたあと、黒い微笑みを浮かべながらも少し苛立った様子を口調にこめて、泣きぼくろが印象的なメイドが言った。
「エドガー先生、それはそれとして。
先程消失させた転移ゲートを再び開いてもらってもいいかしら?」




