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城の外へ
それから1週間が過ぎ、ルクソニアは決意した。城の外へ行ってみようと。自身の目でみたものを信じようと思ったのだ。
城の中の人間はあてにはできないーーそう思った彼女は、隙を見て一人、城から抜け出した。城壁を越え、はじめて間近で見る、青々とした木々の緑に胸を踊らせ、スキップして山道を進んだ。
森歩きに不向きな革靴やドレスを着ていても、そんなもの、些細な障害だと思っていた。自身の存在理由の証明に比べたら、すべてがちっぽけなことだと思えるのだ。
勢いよく森を駆け抜け、人が行き交う街へと出るーーそれはとても簡単なことのように思えたが、それはとても簡単なことではないと言うことに、聡明な彼女は、二時間ほど森の中を歩いて気がついた。
森は、彼女の想像以上に深く、険しいものだった。
そして、現在のどうしようもない状況へと至る。




