ゴリラを通り越して魔獣
「アンーーッ!?」
振り向いたルクソニアが目にしたもの、それはーー泣きぼくろが印象的なメイドが握りこぶし大の透明なバリアを腹に直撃させ、反対側へと弾き飛ばされていく姿だった。スカートをふわりとなびかせながら、泣きぼくろが印象的なメイドは、尻から地面に着地する。
ニブく重たい音が、森のなかに響いた。
ドスン!
その瞬間、泣きぼくろが印象的なメイドが悲痛な叫びをあげた。木々に止まっていた鳥たちが音に驚き、ちりじりに空へ飛び立っていく。
「アン!! 大丈夫!?」
ルクソニアは慌てて、泣きぼくろが印象的なメイドの元へと駆け寄った。
泣きぼくろが印象的なメイドは地べたに座り、お腹と尻を押さえながらプルプルと小刻みに震えて悶絶している。
その姿を見て、ルクソニアは半泣きになりながら彼女の腕に抱きついた。
「本当にごめんなさい、アン。
魔獣だと思って、ついバリアをはってしまったの……!」
ルクソニアは、今にも泣き出しそうな顔で言った。
「……お嬢様……あなたも私の事を、ゴリラ扱い、するんですか……?」
苦痛から額に脂汗を滲ませつつ、泣きぼくろが印象的なメイドはひきつった笑顔でルクソニアに聞いた。
「えっ? ゴリラ?
魔獣扱いはしてしまったけれど……」
「魔獣扱い……!」
泣きぼくろが印象的なメイドに、衝撃が走る。
「アン……?」
ルクソニアは不思議そうに目をパチパチさせて、泣きぼくろが印象的なメイドを見つめた。
泣きぼくろが印象的なメイドは、胸に手をあて、瞳を潤ませながら訴えた。
「今朝お嬢様の姿がないと気づいてから、私、お嬢様の安否が心配で、それはもう身を粉にして一日中方々を駆けずり回って探していたんですよ……!
それなのに……ゴリラを通り越して魔獣扱いなんて……ひどいと思いませんか……?」
ルクソニアも瞳を潤ませて言った。
「ごめんなさい、アン……。
ついさっき魔獣のワンちゃんに襲われたから、またそうだと思ってしまったの」
うつむくルクソニア。
泣きぼくろが印象的なメイドはルクソニアの肩をガシッとつかむと、青い顔をして聞いた。
「魔獣に襲われたんですか!?」
泣きぼくろが印象的なメイドの勢いに押されながら、ルクソニアはぎこちない仕草で頷く。
泣きぼくろが印象的なメイドは頭に手をおき、意識が遠のきそうになるのをなんとかこらえた。




