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無能姫はショボいバリアで無双する。  作者: だんち。
エピソード1 元姫、森でイケオジと出会う。
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自衛本能

目を見張るような艶のある微笑みを浮かべ、ヨドはルクソニアをみつめた。

それを見たルクソニアの顔が、徐々に赤く染まっていく。視線を落とし、ドレスの裾をぎゅっと握るルクソニア。

「ずるいわ、ヨド。

そんな顔されたら、わたし、もうなにも言えないじゃない……」

ルクソニアは照れ隠しに拗ねてみせる。

ヨドはふわりと笑って言った。

「なるほど。

ルクソニア嬢の口を封じたい時には、この手を使うと有効か……」

膨れていくルクソニアの頬を見て、ヨドは声をあげて笑った。明るく笑うヨドにつられて、ルクソニアも我慢できずに笑ってしまう。

ふたりの間に、穏やかな空気が流れる。

魔獣を倒した安心感からだろうか。

ふたりは気づけないでいた。

ものすごい速さで、ふたりに近づく存在に。


ルクソニアの背後にある茂みが、荒々しく揺れた。


ザッーー


茂みから猛スピードで飛び出したのは、大きな黒い影。


「ルクソニア嬢……!」


青い顔をしたヨドがルクソニアの名を呼びながら、必死に彼女へ手を伸ばす。


ただ事ではないと悟ったルクソニアは、勢いよく振り向き、背後へと手を伸ばした。

数メートル先の空中へと、握りこぶし大のバリアをはる。

これは彼女がとっさにとった、無意識の自衛本能であった。


バチンッ


ルクソニアの目の前で、小さな火花が舞った。

バリアになにかがぶつかり、弾けた音。


バランスを崩し、宙を舞う影。

その正体を見て、ルクソニアの瞳が大きく見開かれた。


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