誘拐の可能性
「も、もーエドガー先生、言いすぎですよー!」
不穏な空気を察したおだんご頭のメイドが、
慌ててフォローに入る。
「そーだぜ、先生!
こんな美人さん、ゴリラ扱いしちゃ可哀想ってもんだ!」
チラチラ泣きぼくろが印象的なメイドの顔を見ながら、筋肉もりもりな庭師がそれに続く。
そんなフォローも空しく、エドガーはしれっと爆弾を落した。
「俺、非常時に能力あるのに出し惜しみする奴って、普通にムカつくんすよねー」
エドガーは地図を懐にしまうと、無言で泣きぼくろが印象的なメイドの目を見つめた。
無遠慮に刺さるエドガーの視線に、泣きぼくろが印象的なメイドは耐えきれずに叫んだ。
「もうっ……! わかりました!
行けばいいんでしょ、行けばッッ!」
エドガーは、ニッコリ笑顔を作って言う。
「理解が早くて助かるっす」
周りを取り囲んでいた他のメンバーは、ふたりのやり取りを見て、生きた心地がしなかった。
「まあでも、行っても99%、無駄足になると思うっすけど。」
泣きぼくろが印象的なメイドの笑顔が、ひきつった。
「む、無駄足なら行っても意味がないなーって、私は思うんだけどなー?」
おだんご頭のメイドが、チラチラ泣きぼくろが印象的なメイドの顔を窺いながら言った。
「無駄足だという事を確認するために、無駄足を踏んでもらうんすよ。
ここで何も出なければ、捜索範囲を広げなきゃならないし、そうなってくるとお嬢様単独での移動範囲を越えることになるんで、誘拐の可能性が出てくるっす。
うかうかじゃれあってる場合じゃ無くなるっすよ」




