第六話《出立》
週末ってやっぱいいよなぁ
「どーするかなぁ」
マリアとの記憶の相違そして俺の記憶の消失の謎を解くために動き出したのはいいけれど何をどうしていいかまったくわからん。普通記憶なんて消されないからなぁ。てなわけで
「マリア。これからどーしたらいいと思う?」
俺はマリアに潔く助けを求めた。
「呆れた。さっきあれだけ啖呵切っといてなんなのよ?」
「うるせぇな。こんな状況になるとは思ってもなかったんだよ」
「確かにそうね。それなら・・・」
うーんと、と言って考えるマリア。なんやかんやいって助けてくれるあたり良いやつなのかもしれない。俺的には最初の印象が強すぎてそうは思いたくないけどな。なんだよあの「あら、名前を聞くなら先に自分から名乗るのが常識じゃない?」って。今思い出しても腹立つなぁ。なんて考えてたら
「王都に行って冒険者登録するのはどうかしら?」
とマリアが提案してきた。
「冒険者登録?する予定ではあったけどなんでまた?」
「いい?冒険者ギルドには各地の冒険者が集めた情報があるの。冒険者になることでその情報をある程度知ることが出来るの」
「へぇ。てことは冒険者ギルドは世界一の情報屋でもあるのか」
「そういうこと。じゃあ行きましょうか?」
「おう。王都に向かうとーーー」
「GLUUUUUUUUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!」
・・・どうして行こうとした矢先に面倒ごとの匂いがしてくるんですかね。やめてマリアさん・・・そんな残念な生物を見る目で俺を見ないで、・・・。
「・・・行ってみるか」
「・・・そうね」
俺たちは渋々声のした方に行ってみることにした。そこで繰り広げられていたのはなんとも異様な光景だった。
そこにいたのは少し小柄な女の子とそれを襲う「魔獣ーグランドベア」の図なはずなのにその周りには闇が立ち込めていた。
「いやぁぁぁぁ!!!!!こないでぇぇぇぇ!!!!!!!!」
少女が叫ぶと地面から生えてきた漆黒の腕にグランドベアが捕まり地面に引きずり込まれていった。
「なんだこれ・・・」
「闇属性初級魔法《混乱領域》と闇属性上級魔法《暗黒禁断束縛手》ね」
「知っているのか?」
「一応は。でも強すぎる・・・もしかしたら」
そうマリアが呟くと俺らがいた木の陰からまだ地面に座り込んでいる少女のもとにマリアが歩いていき
「少しいいかしら」
と声を描けた。
なんかデジャヴだなぁおい