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高校生活おわた  作者: 花柄ティッシュ
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ひとめぼれ

これ誰得やねん

僕は先日、地元の県立高校を卒業した。


在学中は監獄とかなんだと言って愚痴っていたものだが、いざ卒業するとなると少し勿体ないような、矛先のわからない後悔が押し寄せてくるもので不思議なことだ。


だからなのか、どうしても高校時代の思い出をつづりたくなっている。


まぁ一人卒業文集みたいなものだ。寝そべりながら話半分に聞いてほしい。


さて、僕の青春は特段面白いかと聞かれればそうでもないような気がする。


かといってそれを名作に仕立て上げる文才があるわけでもないから背伸びせずにありのままに書こうと思う。


まずは、僕の二年越しの片思いの話だ。


世の中は「それほんと?」と聞き返したくなるような大恋愛であふれている。


読者の皆さんを泣かせたいなら病弱なヒロインを登場させればいいのだけど残念ながら僕の周りにはそんなドラマティックな女の子はいない。


だから、僕の恋は割と平凡だ。


僕が彼女に惚れたのは高校二年生の秋、クラスメートだった彼女、(ここではXちゃんとでもしておこう)が文化祭のライブでヴォーカルを務めると聞いて冷やかし半分で見に行ったら、普通に恋に落ちてしまった。


だってギャップすごいんだもん。


普段は大人しめであんまりはしゃぐタイプではないXちゃんの歌声は低温のハスキーボイスでなんとも心揺さぶられる歌声だった。


あと手を振ったら笑顔で手を振り返してくれたのもトゥンクポイントだ。


僕はあんまりアイドルとかわからないけど少し気持ちがわかった気がする。


ちなみにこの話を友達の木村に話したら、次の日Xちゃんに似た系統のアイドルをまとめたパワポを見せられてちょっと怖かった。


おっと、話が脱線してしまった。


話を戻すと、僕はライブ終わりにそっこーその子に話しかけに行った。


ぶっちゃけ高校入試より緊張した。


それで僕は彼女が歌っていた曲の一つが僕の好きなアーティストの曲だったのでその話題で盛り上がった。


多分これ以上はねぇわ僕幸せ!だなんて呑気なことを考えていたんだけど、この後僕の高校生活最大のビッグイベントが訪れる。


始まりは一本のライン。


着信とともに即返信したい衝動にかられたが、きもいかなぁというその思考自体がきもいなぁと今では思うようなよくわからない気遣いを見せつつラインを開いた。


これが実際の会話である。


「そういえば近くに『僕とXちゃんが好きなバンド』が来るらしいね」


「へぇ、そうなんだねーぎりいけそうな距離だね」


「私チケット当たったんだけどさ、僕くんも応募しないの?」


まじか。


僕はビビり散らした。


絶賛片思い中の相手と二人でライブ、、、、


どっきりかと思い「こんなに悪質なのは某水曜日に違いない」とおもって思わず、部屋に隠しカメラがないか探し回ったものだ。


カメラの代わりに弟のエロ本が見つかったのだがまぁそれはそっと袋とじだけ開けて元の場所に戻しておいた。


スク水特集って、、、弟のニッチなのかメジャーなのかわからない性癖はさておき。


僕はどっきりでないことを確認したのちに、「んーどうしよっかなぁ、、、、」と返信した。


もちろんがっついている思われないためのポーズである。


すでにその県行きの電車も予約したし、転売だろうと何だろうと是が非でも行くつもりだった。


「えーそっか、、、、僕君しかこのバンド好きな人知らんしなぁ。ライブって終わった後の意見交換まで含めてライブじゃん?」


純粋すぎてまぶしい。ごめん、よこしまな気持ちで。


いや、もちろん僕もバンドのことはすきだし、ライブもいきたい。でも学校を休んでまで行くのは、Xちゃんがいるからだ。


若干の罪悪感を感じつつ、結局ライブに二人で行く運びとなった。


その日は、大気圏突き抜けるくらいうれしかった。


ただ、同時に少し話しかけにくくもなった。


あんまり仲良くなってライブいったことがばれたら、相手を不愉快な気持ちにさせると思ったからだ。


そりゃ僕がジャスティンビーバーくらいならいいんだけど現実にはあんまり人に好かれるタイプじゃないし、イケメンでもなかったわけで。


よくうちの叔父さんがいってたけど、


「ええか。イケメンの物静かなやつは、クール、一匹狼とか言われるが、わしらみたいなブ男がそれをするとただの陰キャじゃからな。履き違えるなよ」


普段はいい人なのにお酒が入ると毎回僕と自分をくくってブスと総称する。まぁ否定はしないけどね!


そんなわけであんまり仲良くなるのもなぁとか思ってた矢先。


もう一つの事件が起こる。


それは“カラオケ事件”


これはまた、次の話でお話ししましょう。ではまた!




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