出会い
今日二つ目の投稿です。一つ前を見てない方は先にそちらを読んでください。
よろしくお願いします。
海辺の道で天使の様な少女を見た後。弘成は、自分の家についていた。しかし、家についてもさっき見た少女の事が忘れられず頭の中に残っていた。弘成は、研究員の家族の血が混ざっているせいか、計算と暗記がとても得意だった。今は、幸か不幸かあの少女の事が忘れられないのだ。
「何だったんだろう・・・。話しかけようとしたら飛んで行っちゃったし。まぁ、いつまで考えていても答えは出ないし先にシャワー浴びちゃおう。」
弘成は、シャワールームに向かう。お風呂もあるが入るのは疲れた日や特別な日などである。曰く、風呂沸かすのがめんどくさい。
曰く、掃除めんどい。
曰く、とにかくめんどくさい。
とのことである。
それ以外でも入るかもしれないがあまりない。
弘成は、大のめんどくさがりなのだ。
シャワーを浴び終え、リビングに移動する。テレビをつけ夕飯の準備を始める。夕飯を作り終えるとリビングのテーブルに並べ、手を合わせて、一人で食べ始める。遠くで携帯にメールが届いたと教える着信音が鳴っているが夕飯を食べている途中だったのでスルーしておいた。
「大事な要件だったらまたメールなり電話なり届くでしょう。」
自分で作った夕飯をうまいだの普通だの評価して、次からこうしようとか、もう作らないでおこうとか決めていた。ゆっくりと食べていたので、時間が思ったより経っていた。時間は九時。普段はまだ読書をしていたり、テレビを見たりしているが。今日は、なんだか頭がぼーっとしていた。
「何だろう?高校初日だから疲れたのかな?・・・今日は早く寝よう。」
そう決意し寝室に向かう。ぼーっとした頭と体で階段を上がっていく。階段を上ってすぐ横の部屋が俺の部屋だ。
扉を開けると、弘成の部屋には、沢山の本が本棚に入っていた。そこには、工学の本など開発者の開発室の様に見えたが、段々と本の雰囲気が変わっていって、難しそうな小説からとても馴染みがある物へ変わっていった。そう、ライトノベルだ。本棚の三分の二がラノベで埋まっていた。本棚の上には、多くのフィギュアが置かれてあり。壁にはポスターやタペストリーが飾られていた。
弘成は、オタクだった。
まだ誰も家に入れたことが無いので誰にもばれていない。
いつもの様にパソコンの前には行かずに布団に潜る。ポスターやフィギュアの皆にお休みと呟き目を瞑る。脳裏には、今日の出来事が高速で流れていく。そして、海辺の道で会った少女を思い出しながら深い眠りに落ちていくのであった。
弘成の部屋のベランダに出るための窓?ガラスの扉?の外に音を出さず近づく影があった。
月は雲に隠れ外が暗くなり、その影は、弘成が眠ったのを確認すると、窓にかかっている鍵をギリギリ開けられるくらいの穴をくり抜き、ガラスの扉を開けて中に侵入する。
「まずは、情報収集。マスターの事を理解する。」
入ってきた影は、海辺の道で出会った少女だった。
少女は、部屋にある本棚から本を一冊取り出し、内容を確認した。
その本は、兄妹物で、兄が寝ている間に妹が兄の布団にコッソリ入って添い寝をする場面があった。
少女は、それを確認すると弘成のいる布団に近づく、弘成が眠っていることを再度、確認して少女は、弘成が寝ている布団に入っていく。そして、少女も起きる時間を設定してシステムをダウンさせて眠っている状態になる。
月は雲の隙間から顔を出し弘成と少女の顔を照らしていた。
=========================
日が昇り。また、カーテンの隙間から日の光が漏れ、弘成の顔に当たる。いつもの様に目覚まし時計が鳴るのを待っているが一向になる気配がない。朝が苦手な弘成だったが、目覚まし時計が鳴らないのはおかしいと思い、ゆっくりと体を起こす。そして、いつも目覚まし時計を置いている場所を見る。そこには、粉々になった時計だった物が散乱していた。
「な、なんだこれ・・・。」
粉々になっている時計を見ながらこうなった原因を探す。それはすぐに見つかった。すぐ横で少女が眠っていた。その少女は、昨日、海辺で見た天使ちゃんだった。しかし、原因っぽい少女は見つかったけど粉々になった時計の説明がつかない。
「もしかして、この子がやったのか?」
そう口にすると、少女が動き出した。初めに眼を開けてから体を起こす。そして、俺の方を向いた。
「おはようございます。マスター。」
「えっ??俺?あ、おはよう?」
「はい、おはようございます。前マスターの命により今日から貴方が私のマスターです。」
「ちょっとまった。まったく理解できない・・・。」
「何か、連絡などは来てませんか?」
少女は首をかしげて聞いてくる。かわいい。昨日、天使と思ったとおりの女の子だった。しかし、なぜマスター?
「そう言えば、昨日メールが来ていた気がする。それかな?」
「確認しに行きましょう。」
そう言うと少女は布団から出ようとした。掛け布団をどけて足を出そうとすると違和感に気が付いた。少女が布団から出そうとしている足を見ると何もはいていなかったのである。上は、Yシャツを着ていて特に変な様子はなかったが下は何もなかった。いや、Yシャツに隠れているだけでパンツぐらいは穿いているかもしれない、少しはガードがあるかなと思ったが、
今は、逆効果だ。丈の長いYシャツは、パンツまで隠してしまうけどギリギリ隠している程度の守りなので少し動いたら下が見えてしまう。更に真っ白で綺麗な足を無防備に晒しているこの少女。今は、小悪魔だった。しかし、会ってすぐの何も知らない少女に手を出すほど俺は落ちぶれてない。
「な、なあ。なんで下、穿いてないんだ?」
「ん?はいていますよ?」
少女はYシャツの裾を握ってめくり上げた。捲られたYシャツの向こうには、白のパンツが隠されていた。確かに天使ちゃん的には白のパンツで好感度高いが行動が小悪魔を超えて悪魔に成りかかっている。
「な、なな、何してんの!?」
「はい、下を穿いているか聞かれたので証拠と共に答えようかと。」
「いや、口で言ってくれたら分かるから・・・」
「分かりました。マスター」
「そうだ、話しが脱線したけど、メールの事だよね。」
「はい、メールの確認をお願いします。」
「分かった。君は、そのまま布団の中にいて」
「ん?どうしてですか?」
「いや、下穿いてないだろ?」
「穿いてま・・・。」
「ストップ!だから、ズボンとかスカートとか穿いてないだろ?」
またYシャツをめくり上げようとしたのでそれを止め、具体的に質問する。
「はい、穿いていません。しかし、行動に問題はありません。」
「そうゆう問題じゃねぇよ。目の毒だからそこで隠しとけってこと。」
「ん?私は、毒など出しませんよ?」
「ぬがぁぁああ!いいから、そこに居なさい。」
「はい、マスター」
少女はまるで犬の待てをする様に俺の布団で座っていた。俺は、昨日リビングに置いたままにしてあった携帯の場所へ行く。携帯には二件のメールが来ていた。一つのメールには何かをダウンロードするための画面で、もう一つは、その画面からダウンロードしてくれと書かれていた。俺の携帯は、迷惑メールが絶対に来ない用になっているので安全な筋からのメールだろう。この携帯は、特に大事なデータはないので迷わずダウンロードする。
ダウンロードにそれほど時間は掛からなかった。
ダウンロードされたデータは何かのAIだと思われる。携帯の画面には二人の女の子が映っていた。黒い髪の女の子と逆に白い髪の女の子だ。
「「初めまして。私たち、Nプロジェクト二世代目の」」
「黒です。」「白なの。」
「「これからよろしくお願いします(なの)」」
「あ、ああ。よろしく?」
なんかさっきも同じような会話したきがっするな・・。そういえば、あの子のなまえなんだっけ?
「ねぇ黒、Nプロジェクトって言っていいんだっけ?なの。」
「はっ!!お願い忘れてくださいっ!!」
「あっ!でも、データ制限掛かってないから大丈夫なのか?なの。」
「それを早く言いなさい・・・。」
「ごめんなさいなのっ!!」
「まいいわ。そんなことより。なんで昨日ダウンロードしてくれなかったんですか?」
「ごめん、昨日は疲れてて忘れてた。」
「そうでしたか・・・。今、混乱してるでしょう。」
「本当だったら昨日説明してお姉ちゃんを受け入れてもらうよていだった。なの。」
「お姉ちゃん?」
「昨日の夜にこの家に侵入したのがそうです。」
「ああ。あの子の名前は何ていうの?」
「分からない。なの。」
「データに制限が掛かっていて閲覧できません。」
「そうか・・・。いや、大丈夫だよ。でも、名前が無いと呼びにくいしどうしようか」
「なら、名前を付けちゃえばいい。なの。」
「いいですわね。」
白からの提案で天使ちゃんに名前を付けるようになった。
「名前どうしようか・・・。うーん。初めて会った時に見た桜と月が印象に残っているから。「ルナ」はどうだ?」
「月を表す言葉ですね。いいと思います。」
「綺麗なの。」
「気に入ってくれるといいが」
「ところでご主人様?時間大丈夫ですか?」
「え?・・・やべぇ!」
今すぐに家を出ないと間に合わん。すぐに着替えに部屋に戻る。ルナがまだベットの上で待っているがかまっている時間はない。すぐに制服に着替え部屋を飛び出すが
「おーい!ルナ、俺が家に帰ってくるまで自由にしてて構わないぞ。俺が何も言わなかったらずっとそのまま座ってただろう。そんじゃ行ってきます。」
家を駆けだし駅に向かう。玄関は自動ロックなので気にしない。駅に駆け込み、ギリギリ電車に間に合う。そして、弘成は確かに学校には間に合うが教室で「やっちまった・・・。」と呟くことになる。
何せ、携帯とカバンを家に忘れてきたからである。これを見た先生は、優しく。クラスメイトは、笑って慰めてくれた。クラスメイトに至っては慰めるよりいじられたが。雫はその中でも大爆笑だった。
「もうヤダ。やっぱり朝は嫌い・・・」
心の中で密かに愚痴る。
八つ当たりなのはわかっているけどあの三人がいなければ・・・
今回からやっとゼロ番ちゃんが天使ちゃんになって。そして、ルナちゃんになって本格登場です!
コレカラ毎回でるのかな?
無垢で純粋でかわいいルナを表現できるようがん張りたいです。
誤字・脱字。見つけたら教えてもらえると助かります。
次回もできるだけ早く出せるようにするのでよろしくお願いします。