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夢見の亡者  作者:
第一章
4/37

僕らの新たな暮らし

構成はできてるのにその間が出てこない...。

 コボルトが来てから2日がたった。

 僕はいつコボルトが来るのかな、と思いながらLV上げに勤しんだ。新しい魔物とは戦ってはいない。というか、見つけていない。


 まだコボルト、来ないね。長との話が長引いてるのかな?


『そうかもしれないな。と言っても二、三日と自分で言ってたのだ、その内来るだろう』


 そうだね。気長に待つくらいで良いかもね。


『そうだな。ゆっくり待つとしよう』


タッタッタッ


 ん?何の音?...走る音?今来たのかな?


『そうではないか?走って此処まで来るとは良い心がけだ』


 もう五秒くらいでつくかな?ああそうだ、もし違ったときのため、剣だけは手に持っておくかな。

 外に通じる大ききな道を走って来たのは、予想通りコボルトだった。


「πρΣβκιαγδ」

『構わん。むしろ我らも少ない準備を終わらせる時間が手にはいった』

「ρΣγ」

『それでだ。どうだったのだ?』


 それからヴォル爺とコボルトの間で話始めて、僕は少しの間暇だった。




『うむ。ロウ、準備はできておるな?』


 勿論、多分、大丈夫、かな?


『なんじゃ、何か心配事でもあるのか?』


 いやね、僕はゾンビだから、腐敗臭とかするのかなって。自分だとあんまり分からないけど、臭ってたりしてるのかなって。


『ああ、そこで問題があるのなら直ぐに彼は言ってるだろうから問題はない。鼻が良いからだろうな。コボルトは衛生に気を使っておる。主もそこには気を配ってやるのだぞ』


 流石に気も配らずに居座ってるつもりはないよ

それじゃあ行こうか。


『うむ』

『αγγ』




 コボルト達に案内された小さな部屋の中で、今日のことを振り返る。というより、やっておいたほうが、少しずつ戻っていった人間の時の常識から外れすぎて、何だか良く分からなくなってる気がするから。


 結論から言うと、僕に日の光は多少早かったかもしれない。

 半日程でつくと言われたけども、嬉しいことに疲労は全く感じない。余裕しゃくしゃくで歩いていられる。


 それでもだよ。太陽の光がこうも刃を向けるとは思っても見なかった。


 最初の内は、左足がちょっと熱いくらいで、気のせいかな?だなんて思える程の熱。耐えられない訳がないもの。


 時間が経って、腰まで熱くなってきたのが分かった。太陽の熱は、ほんの少し外に出て、きっと自分には害は無いだなんて思うようなものではなかった。


 最後、集落についた頃になると。チリチリだなんて燃える音が聞こえる位になっていた。別に燃えた訳じゃないけども、凄い不安感を揺さぶる感じだったから、それ以来願って日の当たる場所に長時間居ることは無いと思う。


 実際に僕は、あの時にステータスのHPが38/17になっていたのを確かに確認した。...そんな気がする。暑さで頭をやられたかもしれない。そのぐらい、ついた最初のことを覚えていない。

 と言っても、本当に最初の辺りだけだから、それから直ぐに起きていたことは割と覚えてたりするんだけどね。ついさっきだし。


 集落についた事に気がついた時に目の前にいたのは、やけに白いコボルトだった。

 身長は小さめ。子供より大きくて大人より小さい。目は細められてて、人間の老婆同様に少ししわくちゃとした顔、とでも言えそうな風に見えた。だけど、細められた瞳からは人間の僕にもしっかりと分かる凛々しさが感じられたのを覚えている。

 見て分かる彼女こそが、集落の長、大婆だった。


 大婆は、コボルトの喋る言葉から一変して、ヴォル爺と同じような念話をして話しかけてきた。


『Ψγβ...よし、これでよいな』


 言葉が通じるとは思っていなかったから、大婆が急に喋りかけてきたのは凄い驚いた。


『では自己紹介といこうか。儂はこの魔族の集落の長、ニメだ。皆からは大婆と呼ばれている。君達も私のことを、そう呼んでほしい。そして、お前さんらを連れてきた者が、ヤムだ。基本的に儂ら二人以外は関わらんだろう。何かあればヤムに声をかけてくれ』

『我の名前はヴォル、グロント・ディエカルリザードだ。そしてこの子はロウ・カナティス。人間のゾンビだが、意識はハッキリしておる。しばらく、世話になる』

『お前さんらのことはヤムから聞いておる。呉々も妙なことは起こすのではないぞ』


 それはそれで驚いたんだけど、ヴォル爺が気にすることもなく話してるのも驚いた。念話ってのは、案外世間に溢れてるようなスキルなのかな?


『では早速だが、儂についてきなさい。寝床を教える。ψΦε』


 それから、大婆の案内の元、今現在いる部屋に案内してもらった。

 途中で、気になったことを幾つか質問をしてみた。これらは単純に気になったことと、住んでいく上で迷惑にならないか気になったから気になっていただけなんだけども。


 一つ目、僕らは臭わないのか。

 今はそれほど酷くないとのこと。いずれ臭いがきつくなってきたら、消臭する事になるらしい。その前にクリーンを使おう。

 二つ目、コボルト以外に魔族はいるのか。

 答えとしてはいないらしい。此処はコボルト以外いない集落とのこと。

 三つ目、人間のことをどう思っているか。

 大婆自信は其処まで人間を嫌っている訳ではないらしい。けど、中には良く思っていない奴もいるかもしれないとのこと。それは注意した方が良いかもしれない。


 最初、拠点に着いたとき、寝床と言っていたから寝るだけかと思ってた。けども、流石にそこまで雑な家ではなかった。


 藁と木の板でできた小さな家。玄関から狭い三つの空間に分かれているらしい。右は台所、中央が寝床兼居間、左が物置といった間取りらしい。居間の内装は、木を切って作ったらしい二、三人用みたいな小さな机に、石でできた作業台、藁が敷かれた寝床だ。後は壁に凹凸があるから、物をかけれそうなぐらい。


 これだけあれば、洞穴暮らしの生活よりも充分充実した時間を作れそうだなんて思った。


『おお、仮面作りも出来るではないか』


 居間を見てヴォル爺がそんな事を言って嬉しそうだったのは印象的だった。なんせ、何時も落ち着いてる様に見えたヴォル爺が喜色満面だったんだから。

 その時に、一緒に僕の仮面作りを頼んでみたら、すんなり承けてくれた。


 それから大婆は帰って、少ししたら今に至る。因みに、その少しの間に家の中を動き回ってた。主に何があるのかを捜すために。


 右の部屋にある台所は、使った感じが全くせずに清潔感が強かった。前の持ち主は、料理が苦手だったのかもしれない。まぁ流石に僕達のために新品の家を建てたとは思えないからね。

 真ん中の部屋は、それ以外にも開閉式の窓が一つ有った。それから、机の下に薪が積み重ねっていた。

 左の部屋にある物置には、武器を立て掛けるための台だとか、金鎚だとか、無骨な印象の道具が数点転がってた。


 それから、何とも吃驚な話なのが、物置に転がされてる道具に隠れるように、地下に続く隠し部屋が有ったことだけども。


 隠し部屋には、梯子で上り下りするようになっていた。部屋の中には誰も知らなかったのかどうか知らないけども、埃だらけでカビ臭かった。他の部屋には本当に僅か被ってる位だったのに。

 それで、とても小さい部屋だった。僕とヴォル爺が暮らす位だったら大丈夫だけど、端から十歩進めば壁につく。僕の身体は6歳だから、小さいのが良く分かると思う。中には何一つ置いてなかった。


 さて、振り返りも終わったけども何をしようかな。大婆はそのまま集落に戻っていったからなぁ。


 ...そうだ、集落の中を見て回れるかな。

 居間で寝そべっていたヴォル爺が、僕の顔を見てからヤムって名前のコボルトに話しかけてくれた。察してくれるって嬉しいことだね。


『ヤムと言ったな、ロウに集落の中を見て回ってこさせて良いか?』

「εΩγ γβκα」

『良いそうだ。だが、顔を隠して人間だとバレないようにろと』


 僕が何もまだ頼んでないのに、ヴォル爺はヤムさんに許可を取ってくれた。ヤムさんは少ない言葉で喋っていたから、具体的に言い直してくれたんだと思う。

 ありがとうヴォル爺。


『構わんよ』

「ΘΗΕ」

『では案内してやってくれ』


 ヤムさんが無言のまま手招きするのを、ヴォル爺と一緒について行く。言葉が通じないと会話にならないから、正直ありがたい。重ね掛けだ。




 ヤムさんの案内で、ヴォル爺と共に集落を見て回ってきた帰り、見つけた地下室にこもりながら考え事をする。


 コボルトの集落には、色々な工夫があった。ちからを入れているのは、匂わないようにする工夫と、家が崩れないようにする工夫、食物を長期間保存するための工夫だったりに工夫があるらしい。何というか、小さな工夫が多いらしい。


 頭の中にある人間の村の知識と照らし合わせると、衛生問題は臭い面は問題なし、食料の保存も問題なし、戦える者が多い。これらは人間よりも優れていると言っても過言ではないだろう。ここの部分は一端の村を過剰した分野だろう。でも逆に言えば、これら以外は改善の仕様があると思う。


 特に、籠城戦に向かない所を最優先で改善するべきだと思う。そうしたら、過半数が逃げるまでの時間を稼ぐ位なら充分戦えると思う。


 人間基準に考えちゃうから、どうにもちぐはぐな集落に見えちゃう。人間の村は、家畜や農業のみで生活を支えている様なものが一般的だ。だから、酪農をせずに猟と農業で成り立ってるのが、少し不思議に見える。




 そして家に戻ってきたは良いけども、コボルト達はどうして僕達を此処に連れて行こうとしたんだろう?


『さあ、なんでじゃろな?』


 ...まぁ、いいか。どうせ考えてたって思いつかない。今日はもう寝よう。


『おやすみ』




『起きろ、朝だぞ』


 ...むぅ?あさぁ?


『...我らに客だ。とっとと起きよ』


 寝ぼけ眼の、意識が完全に浮上していない僕に呆れるように、ヴォル爺が尻尾で足を叩く。

 分かったよ、起きるよ。


『ようやく起きたか。ほら、背を伸ばせ』


 ...背を?なんで伸ばすの?


『そんな曲がったままで会うだなんて、みっともないぞ?』


 そう言われて、別に反論する気もないから、従って背を伸ばす。意味は有るのかな?


『どうしたのだ、寝起きかね?』


 しれっと居間に入ってきた大婆に、驚く。いや、居るのは其処まで可笑しい事では、無いと思う。監視、とか。でも、だったら他の人に任せそうだよなぁ。じゃあ、なんで大婆がいるの?


『それはだな、お前さんらの仕事についてのことだよ。ここで暮らすのだ、仕事はしてもらわないとな』


 仕事、仕事かぁ。僕らは連れてこられた側だけども。でも、最終的に承諾したのは僕らだから仕方がないのかな。


 にしても、仕事ってどんなのだろう?ヤムさんが言っていた、人間の情報を提供するっていうやつかな?かわりとして彼等は住居を提供しますよっていうことかな?


 僕の予想はさて置いて、それでなにをするのかな。僕でも簡単にできることだと良いな。


『先に言っておくが、儂はお前の心が読める。変な事は思うでないぞ』


 ...なんで、この二人は念話が使えるんだろう?念話って、普通は使う機会無いと思うけども。


『色々あるのだ』


 そうですか。


『我も同じだ』


 同じですか。


『で、我々はどのような仕事をするのだ?』『ヴォルと言ったか。貴君には仮面を作ってもらう。デザインは同じで、統一感を出す。量は後で木に記して渡す』

『デザインは此方で決めても?』

『構わない。ロウだったかな?お前には人間の村落について教えなさい。それから、気になった部分があればそれも教えなさい』


 じゃあ、早速いいかな。


『もうあるとな?』


 うん。昨日村を回らせて貰ったから。


『ほう。では、聞かせてくれるな?』


 まず、この集落の良いところは、あまり匂わないようにする工夫と、食料面の保存も大丈夫。ここいらは、人間基準を大分凌駕していると思う。でも、それ以外はちょっと手が足りないと思う。


『質問だ。二点以外も手を加えてるつもりだ。お前は何を見て問題と思った』


 あぁ、やってたんだ。えっと、コボルトさん達の生活とかを見て、病気に懸かりやすそうな生活をしてる魔族がいたから。


『病気に懸かりやすそうな生活のぉ』

『ふむ、なるほど。そこまでは考えておらんだ。では、それらの改善策は?』


 衛生問題は血がそのままになってたり、ゴミがそのままになってたりしてるから、定期的に集落の中を掃除することと、生肉や生水を食べるんじゃなくて、焼くか茹でるのがいいと思う。確かそれで病気にかかりにくくなった、と思う。


『確かに人間が生食をしているのはあまり見ないな』

『なるほど』


 これは人間の村を基準に考えるけども、人間は猟と農業だけじゃなくて、魔物とか何かを飼育してたりする。それで労働力とか食料にしてたり、他の何かを作ったりとか。


『ほぉ、飼育か...。すると年間の貯蓄量から餌を出すのか...』


 話を戻すけど、僕が思った一番大きい問題点は、籠城に向いてないこと。一人一人の村人も速いと思うし、更に戦うための人達もいるから、戦力は良いと思う。けども、魔物用の罠とかも有るようには見えないし、攻められたら逃げるのも難しいと思う。生き延びるためにも、多少は籠城戦ができるようにした方が良いと思う。


 主に、攻められた時に備えて堀と柵は欲しいと思う。それから、物見櫓を建てておけば、遠くの敵を事前に察知できるようにできる、はず。


『わかった。それらを建築してみる。どのような形かも教えてくれ』


 形...形は、後でいいかな。


『いや、今のほうが良いと思うが...』

『できるだけ速いと助かる』


 それなら...。それじゃあ、何か板はない?絵をかくから。


『なんだ、絵を描けたのか』

『わかった、持ってこさせる』「χι、ΨΦ」


 あれ、誰か来た。ヤムさん、かな?


「μλν」

「ομΣχ。κγδ」


 ヤムさんであってるのかな?

あの人は、太くなくて体格が良いとこと、右腕の二の腕辺りだけ少し黒っぽいのくらいしか特徴が分からないからな。全身は茶色なのになんであそこだけ黒いんだろ?


「κγΔ」

『ああ、それは此方に』


 ヤムさんはヴォル爺に二つの板を渡した。


『それは、先ほど言った仮面の数を記した物と予備分だ。ヴォルはその分だけ作ってほしい。それからロウは、そこに絵を描いてほしい』


 了解。それじゃ、絵描きしましょ。

 えっと、物見櫓を作るんだから、それっぽいやつ。柱替わりの丸太に上に登るための梯子。足場の板。落ちないようにフェンスも欲しいかな。ん~。これぐらいかな。はい、大婆。


『ふむ、確かにすぐに遠くまで見えるかもしれぬな』

『人間の使う、弓を使えば上を抑えることができるの』

『ああ、あの武器か。あれの被害についても模索しないとな』


 この二人は頭が良いのかな?何の話をしたいのかよく分からない。


『そうだロウ。弓の作り方を知ってるか?我らは弓を使わなくてな。投石ぐらいだ』


 え?まあ、かじった程度だけど知ってるけども。


『ふむ』

『これでこの集落の寿命が延びた』


 え、軍事利用?


『あたりまえだ。我らがここに渡ったはいいが、すぐに死ねば意味がないではないか』

『では、ここに絵を描いてくれ』


 使い回し...。まあいいや。硬くて細い木と糸、は無いと思うから動物か魔物の腱、それと骨と角辺りも欲しいな。これで弓をつくろう。あ!短いか長いかどっちがいいかな?


『む?どうした?』


 弓についてだけど、短い弓か長い弓。どっちがいい?


『利点は?』


 短いと小回りが効くし、すぐに武器を変えれる。けど、射程が短い。威力も弱くなるんじゃなかったけか。


『小回りの利く弓か』


 長いと遠くまで撃てる。威力も凄いけど、小回りが効かなくって、大きいから撃たない時は邪魔になる。


『長い弓は立て籠もる時に使うくらいか』

『ふむ、どちらもだな。しかし、我らが使う機会が多いだろうのは間違い無く小回りが利く方がありがたい』


 それじゃあ、硬くて細い木を合わせて湾曲形にしてと。動物の腱を使った糸。できた。

 ついでに使い方も書いておこう。はい短めの弓を描いた絵をどうぞ。


『ふむ、これは。なあ?』

『うむ...。そうだなあ』


 え?なんか問題あった?


『今まで無かったのか?』


 えっと、何の話?


『...』

『...』


 顔を見合わせるヴォル爺と大婆。そこまで深刻な何かがあったのかな?


『...人間の言語は儂らには解らないでな』


 えっと。


「『...』」


 ...でも、僕も魔族語は解らないから!


『大婆、書いてやれ』

『言われなくてもやるさね。ほれ、ぼさっとしてないで読んでみなさい』


 それから数分後。魔族語に書き直された板があった。

フライハンド 4

ゲル 2

グルン 4

ベグィ・マミー 6

ドレインマーノ 3

フレイムレッグ 3

ゾンビフット 2

ストーンアーム 4

ポイズンブルート 2

フリーズブレス 3

レディラ 3

ジャッカロープ 3

マタンゴ 5

ロェン 6

バリアン・ラスキー 2

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