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夢見の亡者  作者:
第一章
3/37

僕らに向けた訪問者

 グロント・ディエカルリザードのお爺ちゃんを仲間にしてから三日後。グロント・ディエカルリザードのお爺ちゃんに"ヴォル"っていう名前を付けた。

 この三日の間に気になっていた事を大方調べた。新しい魔物とも戦った。


 一つ目、五感は正常かどうか。

 視覚と聴覚、触覚は言うまでもないね。嗅覚と味覚の機能も正常。味覚が正常なのは多分嬉しいと思う。その内美味しい何かが食べれる事に期待しよう。

 ということで五感は正常。


 何時の日か、街に行けたらなぁ。街に行ったら誰かと一緒に...いけない、いけない。脱線した、話を戻そう。気になってた事。


 二つ目、スケルトンの身体はバラバラに成っても自動的に組み立てられるか。

 ヴォル爺に頼んで試してみた所、魔力を使えば直った。素直に嬉しい。


 三つ目、スケルトンの身体は水の中でも戦えるのか。結果はダメ、バラバラになる。ヴォル爺に怒られた。


 三日間で新しい魔物と沢山戦った。かなりの量になった。暫くは食い扶持に困らなそう。でも、まともには食べられなさそうなものが多かったから、そうでもないかもしれない。


 ドレインマーノ、フレイムレッグ、ゾンビフット、ストーンアーム、ポイズンブルート、フリーズブレス、レディラ、ジャッカロープ、マタンゴ、ロェン、バリアン・ラスキーっと、驚きの12種類。内食べられそうなのは四つほど。うん、やっぱ食い扶持に困りそう。


 ドレインマーノは吸収する手。HPとMPを吸収されるからめんどい。RE。


___

吸収左手

多大な未練を晴らすために残された左手に力を込めたものに贈られる称号

ドレインハンドが使えるようになる

___


 フレイムレッグは燃える脚。水掛けて斬った。20階級。

___

燃焼右脚

多大な未練を晴らすために残された右脚に自然鎮火のしない唄を唄ったものに贈られる称号

フレイムレッグが使えるようになる

___


 ゾンビフットは青っぽい色の足。親近感が湧いた。RF。

___

屍左足

多大な未練を晴らすために残された左足を腐乱させ永久を彷徨うものに贈られる称号

攻撃能力に10加点、防御能力に5加点

___


 ストーンアームは石の腕。ヴォル爺に叩いて貰った。20階級。

___

岩石左腕

多大な未練を晴らすために残された右腕を岩石に変化させたものに贈られる称号

ロックアームが使えるようになる

___


 ポイズンブルートは毒の血。水を掛けて薄めてから、火魔法で蒸発させた。20階級。

___

呪毒血

多大な未練をはらすために残された血溜まりに呪いを詰めたものに贈られる称号

血を任意で毒に変更可能になる

___


 フリーズブレスは冷たい息。火魔法で燃やした、でいいのかな?20階級。

___

氷吐息

多大な未練を晴らすために残された息に全てを託したものに贈られる称号

息を任意で氷点下の息に変更可能になる

___


 レディラは栗鼠。見つけた途端ヴォル爺が倒した。21階級。

___

鏡栗鼠

鏡栗鼠レディラとしてこの世に生を受けたものに贈られる称号

魔法を任意で三分の一の威力で同じ軌跡で反射できる

成功率は相手と自分の攻撃能力に依存

___


 ジャッカロープは角兎。ヴォル爺が大地魔法で圧死させた。20階級。

___

角兎

角兎ジャッカロープとしてこの世に生を受けたものに贈られる称号

速度能力に加点15

___


 マタンゴは動く茸。様々な見た目があるらしい。ヴォル爺が仮面を飛ばして倒してた。15階級。

___

蠢茸

茸としての生を捨て蠢茸マタンゴとして新たな生を選んだものに贈られる称号

肉体に触れると稀に触れた相手を不調にする

効力は最大魔力に依存する

___


 ロェンは音を使う亀。ヴォル爺が叩いたら割れた。15階級。

___

音亀

音亀ロェンとしてこの世に生を受けたものに贈られる称号

音に敏感になる

___


 バリアン・ラスキーは苔の犬。叩いたらやられた。21階級。

___

苔犬

苔としての生を捨て苔犬バリアン・ラスキーとして新たな生を選んだものに贈られる称号

モースウィップが使えるようになる

___


 粘体亜種物質はゲル。19階級。

___

粘体亜種物質

粘体亜種物質ゲルとして世に生を受けたものに贈られる称号

部分変化・毒が使えるようになる

___


 爪狼はグルン。18階級。

___

爪狼

爪狼グルンとしてこの世に生を受けたものに贈られる称号

速度能力10加点、攻撃能力に5加点

___


 色骸はベグィ・マミー。生前に比例して階級が変わるらしい。

___

色骸

色骸ベグィ・マミーとなり過去に終わる事無き執着を見せるものに贈られる称号

カラーバンテージが使えるようになる

同じ効果の称号を持っている数だけ一日に死んでも復活できる

___


 称号の鑑定結果はこうなった。

 途中で分かったけども、加点数値はステータス上には表示されてないらしい。


 因みに、どれに統合するかとかも今全部決めたよ?


 ゾンビに、ゲル、ベグィ・マミー、ドレインマーノ、ポイズンブルート、フリーズブレス、マタンゴ、ゾンビフット。

 スケルトンに、フレイムレッグ、ストーンアーム、ジャッカロープ、ロェン、バリアン・ラスキー、レディラ。


 という感じに振り分けた。技能擬態変身(変わり者)様々だけど、どんどん見た目が可笑しくなっていくよ。まあ、これでゾンビは遠中戦用に、スケルトンは近戦用に成ったかな。

 ステータスは今はこうなった。

____

ロウ・カナティス LV17 6歳 15

活屍ゾンビ

HP38 MP25 SP23 攻撃能力26(加点15) 速度能力18(加点25) 防御能力15(加点5)

スキル 打撃耐性LV3 鑑定4 火魔法LV1 水魔法LV2 生活魔法LV4 狂気魔法LV1

ユニークスキル 技能擬態変身(変わり者) 角形キューブLV1

称号 復活者 活屍 骸骨 飛翔右手 粘体亜種物質 爪狼 色骸 悪食 危険生物 吸収左手 燃焼右脚 屍左足 岩石左腕 呪毒血 氷吐息 鏡栗鼠 角兎 蠢茸 音亀 苔犬

___


 ははは。称号の数が多いね。それも見る限り危なそうな称号が沢山。凄い文句が言いたい。

 ヴォル爺以外の誰かに見られたくは無いね。まぁ、危険生物の称号持っているから、驚かれるのは間違いないのだけどね。いや、怖がられるかな?僕は怖くない、きっと怖くない。


 因みに、全く関係のない話だけども、死体とかを適当に拠点に置いてたら、ベグィ・マミーの死体が逃げた。それから焦ってベグィ・マミーになってみたら復活可能なんだもの。無事だったから良かったものの、これからは失念の無いようにしたい。

 今は、要るものと要らない物とで分けてある。


 まあ、こんな事してる間に魔物達はやってくるのだけどね。

___

音亀ロェン LV3

___

___

角兎ジャッカロープ LV5

___

___

鏡栗鼠レディラLV4

___


 今度はもう色々混ぜって来たよ。どれも草食みたいだし、大丈夫なのかな?

 まぁ、こっちにはヴォル爺って言う強いお仲間がいるからね。そう簡単にはやられはしないだろう。

 骸骨に変身してショートソードを持つ。さあ、誰から来る?


 先ず最初に、ジャッカロープが突撃して来たから、右に跳んで回避。反転しようとしてるジャッカロープの右前足を落とす。


『食物には困らんの』


 ヴォル爺は嬉しそうにロェンの甲羅を砕いてた。

 わぁ、凄い!


 もちろん、ただ見てるだけじゃない。

 レディラが後方から魔法を使おうとしてたから、一本足が無くなって動けないジャッカロープを放置して襲いに行ってたよ。

 魔法に集中してたのか、注意が留守だったから首を落として即死。


 後は残したジャッカロープだけ!さてどこ行った?

 ...ん?居ないな、何処に逃げた。それかヴォル爺が倒したの?


『む?角兎なら主が踏みつけておるではないか』


 え?

 ....本当だ。何で踏んでたのかな?血溜まりが動いてたから、此処まで足を引きずってきたのかな?何とも仲間思いな事で。


『何故かなど、我が分かるはずあるまい。己に聞け』


 ヴォル爺に呆れられたみたいな言い方をされたから、ジャッカロープに留めを指す。おもに首を切り落とす。あ、この角、凄い尖ってて槍みたい。ここまで尖ってるのはあんまり見ないなぁ。取り敢えず戦利品を持って拠点に帰りましょうかね。




 今現在、拠点にヴォル爺と一緒に居る。一匹、いや一人のコボルトと一緒に。ヴォル爺とコボルトととで何か喋ってる。何が有ったのか、誰か説明を頂戴。


『...つまり、狩猟の帰りに、ここを見つけたと。そして、取り敢えずここで休んでいた。相違無いか?』

「αεη Ωχψστβγ ΘικλμναεβγβΩρππρββγα」

『抜かせ。我らに利がない』


 うぅん。...何て言ってるのかな。全く分からない。ヴォル爺の言葉を頼りに何を言ってるのか予想しても、断片的すぎて結局分からない。


『naniitteruno?』


 コボルトが急に僕の方を見た。と、同時にヴォル爺もこっちを見た。何が言いたいのか分からない...。


『うむ、すまんの。主には解らんかったか。だが、解らなくて良いことじゃ』

「Ωχγ!」


 鋭く射抜く黒い瞳。細められた瞳は何処までも冷め切ってるように見えた。人間には分かり難い表情だけど、確かにそう見えた。手に持った槍から手を離す素振りはない。

 コボルトの態度と表情で大分分かり易い。警戒の色が兎に角強い。それから軽蔑。ヴォル爺も僕も強い眼差しで睨みつけてくる。

 そんな事を思っていたら、直ぐに二人ともさっきの話の続きを始めた。


『だが、話はどうであれ、直ぐに出ていけ。此処は我等の住まい。主はお呼びでない』

「Ωχγβπργβη!」

『聞けぬか?』

「ΩχγβπρπηδξπΩ!」


 どうやらコボルトとヴォル爺の話は平行線らしい。歯を見せながら唸るコボルトを見ながら、少し内容が気になってきた。




#コボルト#


 落ち着け、落ち着くのだ。

 怒りは我を忘れさせる。丁寧に接し丸め込ませれば良い。態度一つで交渉と勝負は大きく変わる、と大婆も常日頃言っていたではないか。


 にしても、この話の行く先、どの様に持って行こうか?私達に確かな益を生むのはどう事を運んだときだ?


『おい、聞いているのか?』

「ふん」


 老いた魔物の言葉を横に流して思案する。

 別にこの場所についての所有権等どうでもいい。本来なら事情が分かれば直ぐに立ち去って良い。しかし、ヒトが居るのは黙視できない。私にもある魔族としての誇りと、歴史によってヒトの存在を容認できない。


 それにしてもヒトというのはこうも青白い肌を持つ者なのか?もう少し薄くしたら魚人マーマンと瓜二つじゃなかろうか?

 加えて、血よりも濃ゆい赤い髪は実際に何かを被さったらしく、所々黒く澱んでいる。感情の読めない赤い瞳は何処か、浮いているとでも言えそうな程何処を見ているのか分からない。その上、錆びた鉄の匂いが強い。さっきのよく解らない言葉も合わさって、不気味の一言に尽きるな。


 ...ああ、そうだ。ヒトは多種多様な知恵をつける。技術の殆どを中心に持って行ってしまった今の魔族、中心より離れたあの集落でも、技術を持てば他の勢力に確かな威圧を与えれるのではないか?

 中心にまで行って技術を学ぶより、今ヒトに浅くても広い知恵を教わる方が遥かに効率が良い筈だ。その後に中心に行って本格的に技術を学ぶなり何なりとすればいい。


 この集落のことを中心に知られれば、中心は此処まで手を伸ばして庇護を与えてくれるやもしれない。我が集落が安全になれば、中心に此処まで手を伸ばさせた私達に、近隣の他魔族達は感謝を示すだろう。族長会議でも、他勢力よりも多少偉ぶっても、多少なら許されるようになるだろう。

 そうなれば、いずれ彼女も私に...。いや、邪な考えは消そう。


 とすれば、一度帰路につき、大婆に報告するとしよう。集落のためのこと、ものの分別のできるあの人のことだ、頭ごなしに否定はしないだろう。

 先ずはヒトに賛同してもらい、晴れた気持ちで望んでもらえば発展に意欲的になるやもしれん。強引は最後の手段だ。大婆が否定したとしたら、殺せばいい。


「ヒトの子よ、我が集落に来い。悪い待遇にはしないぞ。意見を出すだけで良い。どうだ?」


 聞いてるのかどうか分からない顔で、此方を見るのみ。まともに話を聞いてるのかさえも分からない。


『ならん。何故道具などにさせねばならん?』


 ヒトの子の代わりに老いた魔物が拒否の言葉を伝える。此方の心を読んだかのような返答に、少しゾッとした。


「なぜお前が決める?その決断をするのはヒトの子だろう」

『この子にお前の言葉は通じない。諦めることだ』


 老いた魔物の静かな否定に、少しだけ苛立つ。何故この魔物が決めるのだ。決めつけるのだ。


「お前が話を通してからでも遅くはないだろう?これは念話だろう?言語の問題ならそれで通じるだろう?」

『通じるが、我が伝える必要はない』


 老いた魔物の正論に、自然と歯軋りをしてしまった。


『...何だと?ロウ、お前は魔族が嫌いではないのか?』


 ヒトの子が疑問に思ったのか、老いた魔物に問うたらしい。流石に、老いた魔物の言葉だけの断片的な情報だけでは本当に言いたい事は分からない。予想にすぎない。


 それから、念話でヒトの子...いや、ロウに私の言った事を伝える老いた魔物。それからしばらくは老いた魔物とヒトの子で話始める。


 これは、私の要望を検討していると取って良いのだろうか?

 私は無理矢理に介入する気もない。無理矢理は恨みを買うおそれがある。あくあまでも決断を待つだけだ。


「決まったか?」

『そちらのの返答によっては答えは変わるが、決まった』

「では、聞こうか」

『では、これらは約束してほしい。我らの安全、食住の確保。それと、この子だけではなく、我も連れてけ。まずは、これを飲んでもらわなきゃ、話にならん』

「それくらいは許容範囲だ」


 この爺はそれなりにヒトの子のことを良く思っていると見た。いくら活性脳グースと言っても、魔物とヒトが仲良くしているなど到底信じられはしないが。


『では次だ。我らに暴力を振るうな。如何せん、この子はゾンビ。体も脆いのだ、簡単に崩れてしまうだろう。それと、この子はゾンビになって喋れなく成っておる。その事も理解せよ』


 これは驚いた。不気味な見た目だと思ったがまさかゾンビだったとは。それも意識もはっきりしている。うまく話せないのは、仕方がないか。後遺症なのだろう。


「喋れないのは致し方ない。そこはお前に解釈を頼む。それと、集落の皆は仲間には決して攻撃しない。仲間ならな」

『他に要求するものは無いが、一点質問だ。ここから集落とやらは遠いのか?』

「安心しろ。ここから日の出に歩いて昼より大分速く着ける距離だ」

『では、我らはここで待つか』


 ああいいぞ。考えたような道筋を踏めている。次は私が大婆に許可を取れば良い。きっと上手くいくだろう。要は利を見せて害を消せばいい。


『む?行かんのか?』

「いや、行くとも。少し考え事をしただけだ」


 さて、早々に向かって、訳と理由でも考えるとしようか。それなりに納得のいく理由と利益まで考えねばならん。


「では、長と話をしてくる。二、三日で戻る。此処に居るのだぞ?」


 明確に言葉を伝える。少し語尾を凄ませたつもりだから、早々逃げるとは思えないが。無論、逃げても無駄なのは分かっていると思うが。




#ロウ#


 思い切って、ついて行くと言ったは良いけども、これからどうなるんだろう?コボルト以外にも他に誰かいたりするのかなぁ?


 というより、コボルトは何で僕を連れてこうとしたのかな?

 うぅむ...考えてもわかんないや。


『ロウ。もう少し考えてから物を言わぬか』


 ちゃんと考えてるよ。ただ、少し甘いかもしれないけど。


『...うむ。考えておるのなら良いのだがな』


 そうだ、ちょっとそこらでLVを上げてくるよ。


『遠くには行くでないぞ』


 わかってるよ。行って来ます。




スパッ

___

経験値5獲得

LV17からLV18

___

 戦うならマタンゴが一番良いかもしれない。足は遅いし、大きいし、本当なら怖いはずの胞子も喰らっても意味はない。

 15階級だなんて真っ平な嘘にしか僕には見えない。倒しやすくて嬉しいことだね。

コボルとの言葉は人間感覚じゃわからないというイメージの為にギリシャ語をいい加減に詰めただけです


経験値

フライハンド 4

ゲル 2

グルン 4

ベグィ・マミー 6

ドレインマーノ 3

フレイムレッグ 3

ゾンビフット 2

ストーンアーム 4

ポイズンブルート 2

フリーズブレス 3

レディラ 3

ジャッカロープ 3

マタンゴ 5

ロェン 6

バリアン・ラスキー 2

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