僕は復活を遂げる
この小説は最初の部分を飛ばしております。それが、嫌でしたら戻るのを推奨します。それと、この小説が投稿されるのは気分ですのでご了承下さい。毎回3000~5000字位の感じで書きますので。
注意 絵などが入る予定は在りません。
編集を多用します。
蝋燭より灯る、僅かな火のみの灯りに囲われた空間。そこに圧倒的な気配の滲ませる煌びやかな闇色の玉座に腰掛けたソレは冷たく酷薄に嗤って見せた。
「教えてくれ、篭の鳥。お前の掲げる理想はどこまで清いものなんだい?貴方の絶望はどこまで私を楽しませてくれるんだい?嗚呼、今から僕はその時が楽しみで仕方がないのだよ!多大な絶望感を隠す張りぼての幸福感に騙されておくれよ」
ソレが思わず浮かべる笑みは、何と恐ろしく美しいものか。されど、零した笑みを覗く者は此処にはいない。だからこそ、ソレは愉快に気ままに嘲笑を飛ばすのだろう。
そしてソレは思いついた。未だ十を超えぬ年という、幾つかの属性を瞬く間に操った魔法の才を持つ者。篭の鳥の生死に関わらず、手中に収めておくのは悪くないと。
「なればこそ、アレの準備もいるだろう」
顔を歪めながら、ソレは愉快に笑い声を上げながら姿を消した。残る玉座の間、最後に笑い声だけが木霊した。
とある洞穴の中。闇に紛れて集団の一人が小さくはっきりとした声で告げた。
「指示は憶えているな?次の標的はあそこだ。分かってるな?ここに天才だなんて持て囃されている奴がいる。何でも、まだ十も超えてない人間の子供が、誰に教わることもなく数種類の属性魔法を扱ったらしい。気をつけろよ」
「「「了解」」」
「命令は絶対だ。向かえ」
「「「我らが心は暁の如く」」」
闇に紛れた集団は、確実に闇へと消えた。
そこに、1つの骨と肉塊と化した肉がある。他にはなに者も何もない、ただの黒の隙間の様な、なにもないただの洞穴。
だが、そこにあった骨と肉は動きだす、元の形になろうとして。さながら踊るかのような、元に戻る動き。
足から脚、脚から腰、腰から胴体、胴体から左腕、胴体から右腕、左腕から左手、右腕から右手、胴体から首、首から頭と、直り始める。そして、そいつは元通りになった。
ふぁ、何だか疲れた。えっと何が何だかわからない。大雑把で何でもいいから、何か少しでも思い出せ。
えっとよし、何も思い出せない!うわぁ!何がどうなってるんだぁ!
まあ、まあ落ち着いて今の現状とか、確認しよう。そうだ、それがいい。他のことなど無視して、思いついたら即実行。
薄暗い、洞窟かな。夜目なにも利かないから、もう少し待って目が慣れてきたら他にも分かると思う。
周りには誰もいない。誰かがいた跡も無い...精々、僕の下に広がるこびりついた何かの後くらいかな?痕跡としては不充分。
それから、僕は幾つか何かしらを持ってるらしい。えっと、身に纏ってるのが一般的な平民用の服と同じく一般的な革の靴。それから、放り出されたのか、ショートソードが転がり落ちている。最後に、手首に引っかかっている折り畳まれた首飾り?
うぅん、何だろ?この首飾り、妙に気になる。考えても何も分からないし、後回しにしようかな。
次は...自分のステータスを見ようかな。
ステータス。
___
ロウ・カナティス LV7 6歳 17
活屍
HP29 MP21 SP13 攻撃能力9 速度能力9 防御能力10
スキル 火耐性LV4 水耐性LV3 打撃耐性LV3 鑑定LV4 火魔法LV1 水魔法LV1 生活魔法LV3
ユニークスキル 技能擬態変身 角形LV1
称号 復活者 活屍
___
LV7の六歳、ロウ・カナティス、種族は活屍...。
ロウ・カナティス...。頭の中で自分の名前だろうものを転がす。というか活屍って事は、僕は一度死んだことに成るんだよね?
兎にも角にも、なにも思い出せない上に憶えていない。いや、憶えていないというのは語弊かな?一部は憶えている。
とりあえず、動くに動けないのは間違い無い。まずは、少しずつ色んな事を思い出さなきゃいけないんだ。
頭を回転させる勢いで、必死に何かを探す。うん、少しずつだけど思い出せてきてる...。えっと...スキルは念じれば使えるはず。
今は少しでも知識が欲しい。まずは...特殊スキルからにしよう。鑑定。
___
特殊スキルは、通常では手に入らない技能。特殊な称号を手に入れるか特殊な条件の達成で手に入る
___
生前はこれを達成させたんだろう。次に気になること、17は一体何を指し示すのだろう?
___
17(階級) 魔物には二十一の階級があり、強さをを示す。数字が小さくなるにつれ、強さが増す
___
なるほど。じゃあ次は角形と技能変身について鑑定。
___
角形
自由に立方体を制作できる。
LV上限が特殊でLV1~LV50まである最少、1ミクル(ミクロ)の立方体まで制作可能。
制作時間LV1で50秒LV50で1秒まで短縮可能。
技能擬態変身
倒した生物の生態情報を吸収できる。
吸収する事ができたら吸収した生物に変身可能になる。
___
よし。ちゃくちゃくと覚えている。順調順調。
にしても、一向に夜目が利かない。闇が薄らでも見れないのは中々、怖いものが有るような気がする。何か、無いかな。
まだ調べていない、魔法辺りはどうだろうか。この生活魔法だったら、周り明るくしたりすることができるかな。
___
生活魔法LV3
長い年月の結晶。人工の魔法。
ライト
・分類:光魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV1
・僅かな光を生み出す。しかし、光魔法で生み出した光の方が眩い光を放つ。代わりに燃費は良い。
ダーク
・分類:闇魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV1
・僅かな闇を生み出す。しかし、闇魔法で生み出した闇の方が深い闇を漂わせる。代わりに燃費は良い。
ウォーター
・分類:水魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV1
・僅かな水を生み出す。しかし、水魔法で生み出した水の方がより多くの水を生み出せる。変わりに燃費は良い。
クリーン
・分類:生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV2
・対象に付着する汚れを魔力を用いて除く。しかし、他の生活魔法よりもほんの僅か消費魔力が大きい。
ドライ
・分類:生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV2
・対象の周りの僅かな水分を枯らす。しかし、枯らす水分は本当に少ないので、場合によっては数回の使用を考えておいたほうがよい。
ウィンド
・分類:風魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV2
・僅かな風を生み出す。しかし、風魔法で生み出す風の方が吹き飛ばせるものは多い。代わりに燃費は良い。
ファイア
・分類:火魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV3
・僅かな火を生み出す。しかし、火魔法で生み出す炎の方が熱量は高い。代わりに燃費は良い。
ソイル
・分類:土魔法 生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV3
・僅かな土を生み出す。しかし、土魔法で生み出す土の方が生み出せる量は多い。代わりに燃費は良い。
アンチインセクト
・分類:生活魔法 レベル上昇につき習得:生活魔法LV3
・小さい虫程度なら殺せる。しかし、対象が大きくなるにつれ、効力は弱まっていく。
___
この中で使えそうな魔法は、生活魔法LV1で覚えるライトか。えっと、魔法についても一度鑑定。
___
魔法は、己或いは自然の中等にある魔力を用いて生み出す現象。覚えた魔法は詠唱を読み上げることによって具現化させるのが一般的。
___
と言っても、詠唱については書かれていなかった。発動方法が分からないけど、だとしたら魔法名を声にすれば良いのかな。
「gagiro!」
ぱあっと眩しい光が辺りを照らす。先程まで暗かった世界に、零れた一筋の小さな光は有り難られる事も忘れられた。
え!え、ええぇ?な、何だ今の声!掠れた聞き取り辛い、それでいて耳障りな濁声。
ぼ、僕、なの?ショックだなぁ、運命の神様がもし居るとしたなら問い詰めたい...。それに、光が無かったから気づかなかったけど気持ち悪い虫もいる。嫌だなぁ、暗いしじめじめするし虫いる。
うぅん、でも他の場所は知らないし、ここから離れて良さそうな場所を探すのはまだ危ないかもしれない。
仕様がない、今は諦めよう。虫は...うぅ、我慢するしかないか。でも、生活魔法は何かと使えそうだな、小まめに使えばLVは上がるかな。
丁度その時、奥の細道から人の手のような影が見えた。あれは、魔物かな?それとも、他に誰かが居るのかな?
やがて、細道の奥から覗かせたソレが見えてきた。手袋のように真っ白な五本指の手だけが其処に浮遊していた。覚束なくふらふらと此方へと向かってくる何かは握り拳を作って迫ってくる。
___
飛翔右手 LV4
___
真っ直ぐ飛んできたフライハンドを一度避けてから、振り返る。
フライハンド。敵対心有りなのは今の攻撃で分かった。転がっていたショートソードを両手で持って、距離を詰めながら下から振り上げる。
此方に向き直ろうとしたフライハンドは真っ二つ。
___
経験値4獲得
LV7からLV8に上がります。
飛翔右手に変身可能
___
む?LVが上がった。とりあえずステータスを見よう。
___
LV8 HP34 MP22 SP14 攻撃能力15 速度能力9 防御能力11
_____
あれ、けっこう上がった。実感は無くても、少し強くなったのかな。
それはそうと...なんでだろう、LVが上がった直後からなんだか少し体が痒い。無性に身体をかきむしりたい。ゾンビって、痒くならないと思うけども。
耐えられるような耐えられないような痒さが何だか嫌だ。技能擬態変身っていうのを使ってみたら痒さが治まったりしないかな。
___
技能擬態変身
活屍
骸骨
飛翔右手
___
あれ、フライハンドにもなれるの?...ああ、さっきLVが上がったときにフライハンドに成れるようになったとかあったや。じゃあ、これが紹介文にあった吸収ってやつなのかな?
それじゃあ骸骨になってみようかな。
___
骸骨に技能擬態変身を使って変身します。
骸骨に変身しました。
ステータスが変わります。
称号、骸骨を手に入れました。
称号、骸骨により火耐性と水耐性が骸骨に総合されます。
___
特に何かしら違和感もなく無事に終了した。
まず、体についてた肉が剥がれ落ちて僕の体の中に入ってくる。骨以外は僕の体の中に入ると同時に体に激痛が走る事もない。肉が剥がれ落ちるのは痛そうだけどな。
それよりも、しっかり変身できてるよね?
ひとまず、自分の手を見る。骨だ。足も胴体も全部。成功したみたいだ。もう全然痒くならない。胴体を見るときに気づいたけども、服とかは落ちてなかった。
骸骨に成った時に、ステータスが変わったらしいから確認しようかな。
___
LV8 HP34 MP17 SP14 攻撃能力15 速度能力13 防御能力8
___
活屍の時とは、少し違うステータスだ。速度能力がゾンビより高い。対してSPと防御力能が低いみたい。
それからMPは...消費してないらしい。
生き残る為にも、レベルが欲しいな。フライハンド以外に経験値が貰える何かしらを見つけてないから、見かけたら倒したいな。
そうと決まれば、早速待ち伏せをしよう。待ち伏せなら、他のこともできるしね。この場所を出来る限り動かないで、来たところを叩くとしよう。
活屍と骸骨を鑑定してみよう。
___
活屍
未練を残して死した者がなる、生前の復讐のための一筋の希望。
活屍の特異技として、細菌を作り出して生者或いは死者に植え付ける。植え付けられると種族ごとに適応した活屍になる。
取得経験値は倒した種族によって固定。
骸骨
未練を残して死した者がなる、生前の模範のための一筋の希望。
何も思考せずに生前行っていた事をただただ繰り返す
他の骸骨を見つける団体行動を行い始める
___
何というか、これを見ると自分の異端さが見に見えて良く分かるなぁ。
次はショートソードについて鑑定してみよう。
___
ショートソード
一般的な鉄と木のショートソード。
あまり腕の良くない鍛冶職人によって作られた
___
全くと言って良い程来ないな。多少は来ると思ったんだけども。ん?あれは...フライハンドだ。それなりに待ったぞ。覚悟、この骸骨姿でもお前を倒してやる。食らえ。
___
経験値4獲得
___
先程同様に、一回斬っただけでフライハンドが倒せた。少しだけ強くなった事が分かるかも、だなんて思ったけど、フライハンドがさっきよりも楽に倒せたとか全く思えない。あっさりしすぎだなぁ。
そういえば称号、貰ってたな。なんの称号だっけ。確認、確認。
___
復活者 活屍 骸骨
___
今更だけど、全部確認すらしていなかったなぁ。復活者と活屍と骸骨、復活者は兎も角、活屍と骸骨を字面体から想像すると種族毎に貰えるものかな。
___
復活者
一度の死から、形を変えてまで抗ったものに贈られる称号
同じ効果の称号を持っている数だけ一日に死んでも復活できる
活屍
活屍となり未練を断ち切ろうとするものに贈られる称号
日に僅かなゾンビウイルスを政策する事ができる
同じ効果の称号を持っている数だけ一日に死んでも復活できる
骸骨
骸骨となり過去を繰り返さんとするものに贈られる称号
一部状態異常無効
死霊術による適正増加 光魔法、理魔法、白魔法、聖魔法による適正低下
光魔法 理魔法 白魔法 聖魔法による被ばくの威力上昇
同じ効果の称号を持っている数だけ一日に死んでも復活できる
___
これは強いんじゃないかな?特に骸骨と活屍は強くないかな?ゾンビウイルスはあんまり使いたくないけど、本当は強いでしょ?復活者はちょっと効能がしょっぱいけども。それでも日に三回復活できるのは大きい。
復活者を取得できたのは、多分僕がアンデッドになったからかな。
あぁ、でも技能擬態変身で獲得したのかもしれない。
それよりも骸骨になっただけで称号手に入れたから、フライハンドになっても称号手に入れられるんじゃないかな?よし、なってみよう。
___
技能擬態変身を使って飛翔右手になりますか?
___
もちろん是。
___
飛翔右手に擬態擬態変身を使って変身します。
飛翔右手に変身しました。
称号、飛翔右手を獲得しました。
___
自分の手に何だか違和感を感じる。と言っても手しかないからだけど。
...よし。また称号を手に入れた。さて、飛翔魔手とやらはどんな効果があるのかな。
___
飛翔右手
多大な未練を晴らすために残された右手を変化させたものに贈られる称号
マジックハンドが使えるようになる
___
え、それだけ?何だか復活者と並ぶくらいしょっぱい。
とりあえず、使えるようになった力。マジックハンド...あんまり使えそうには思えないな。
でも、当たりなら結構。使って確認しよう、マジックハンドを。
試しに力を込める。すると、自分の手が目には見えない何かに包まれる。違和感はない。
あ、丁度獲物を発見。お前を僕の贄にしてやる。
此方を確認するなり、本能のままに突っ込むフライハンド。そいつは僕に触れた直前にやられた。
___
経験値4獲得
___
効果としては手全体に纏わせた魔力で攻撃するらしい。
残念ながらLVは上がらなかった、悔しい。でも、効果が分かったからよし。一応一撃で倒せたのだし、それなりに威力は有ると思う、これからは積極的に使おうかな。あ、でもフライハンドの時でしか使えないのが悲しい。
___
活屍または骸骨に飛翔右手を総合することができます。総合するとその総合された方はこれから使えなくなりますが、総合した方は総合された方の力を使えるようにります 進化に影響はでません
___
これは良くないかな。今やろう、すぐやろう。でもゾンビかスケルトンか。僕は、ゾンビを選ぶぞ。
___
活屍に飛翔右手を総合しますか?
___
もちろん是。
___
活屍に飛右手を総合します
成功しました
使い方は飛翔右手の時と同様にお使いください
___
統合が完了すると、無理やり僕はゾンビになっていた。使えなくなったからかな。嬉しい事に、痒みは治まっていた。一体何だったんだか。
それはさておき、無事に統合完了。右手が白くなった。どうやら統合すると体の一部が置き換わるらしい。どんどん化け物染みてきそう。
取り合えずこれからは、危険性を良く考えて生き抜く事が目標かな。それじゃあ雑魚寝のお時間かな。
これからがんばって小説書きますので、よろしくお願いします。まあ、誰も見ないけどもね。
魔物のLV等がわかるのは鑑定の効果です。エネルギー消費無しのアクティブスキルです。
経験値
飛翔右手 4