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片恋ストーリー  作者: 丹
6/7

彼の策略

昔話。の続きです。まだまだ続きますが、温さんの旦那様書いてると楽しくて別な感じになって居ます。

彼の事が大好きだ。


私が、彼の胸に飛び込もうとすると、彼はさっと避けた。何で?何でなの??


「私の恰好おかしかった??」


気にしてらしくもなく、おたおたしたり表情を変えたりしてしまい、目の前の彼が珍しく優しく微笑んだ。


「そんなことないよ」


これが恋なのかぁと思った。彼の笑顔が私のプライドや見栄を全て奪ってく。また無表情に戻る彼がむかつくけども、腹立たしいけど好きなのだ。振り向いたら捨てようとかもう思えない。


「映画観に行くんでしょ?」

そう腕を絡めると、いつもなら、「離せ」だの「くっつくな」だの言いそうな彼と目が合い、無表情でいつもと変わらない感じで…でも拒否はしない。この人のこういう不器用な所が愛おしく、気が付いたら夢中になって居た。


「俺は、この映画好きじゃない」

「恋愛映画でしょ。ここは!」


厭そうな顔、でも、女子としては譲れない。彼はアクションが見たいと言うのを無理矢理チケットを2枚買って「私が奢るからいいでしょ!!」と言うと、「払ってくれるなら…」と少し無関心。男なら、ちゃんとチケット代くらい払ってよと押しつけがちに思うけれど、元々彼は観たくない映画に付き合うような人じゃない。


それって…と胸がときめいた。


映画のカップルシートを2枚買うと…


初めてなので、驚いたのだが、カップルがもう映画始まる前からイチャイチャして、間の敷居が無く、あまーい雰囲気が流れていた。椅子も座り心地がいいし、チケット代が嵩むわけだ。


初めてそう言うのを観て、恥ずかしいと思ったし、どうせ何もしてこないだろうと侮り、「座りましょ!」と座ると、隣に座った旦那は意外な事をしてきた。


「!」


手をきゅうっと握り、上目遣いで「ダメ?」とだけ訊いてきて、そんなの断れるわけがない。この、この「温さんが」ですよ。こんな古典的な手でやられるなんて、悔しい。


更に握るだけじゃ飽きたらず、映画を観ているときに、そっと髪にキスしてきたり…「ひゃっ」とビックリして避けようとすると、スヤスヤ肩に寄りかかり寝てしまう。しかも、手は握ったままで。


映画なんて、映画なんて、頭に入らないわよ!!と思うが、たまに「温…」とぼそぼそ声を掛けてくるので、自分でも何でこんな少しずるい男に引っかかったの。と思う。


無表情で女に興味なさげで、優しい訳でもないのに、心を開くとこちらの開けた扉にどんどん入ってしまう。改めて、この男は手強い…と初めて主導権を握られた。


その感覚が厭じゃなくて、自然な物だから余計質が悪い。


「楽しかった」とぼそぼそ、心なしか満足げに言うけれど、


私の心臓持たないわ…とやたら気が抜けてしまう。何で映画館でムードがあるからってあんなことするのよ!と八つ当たり気味に思うけれど、この人はきっと天然悪魔なのだと思う。悔しいけど、悔しいけどもね!


映画の内容、終わっても全く覚えて居ない。


その後食事して、「送る」というので、私の部屋まで付くと、


「ありがとう」と部屋に入ろうとすると、彼はドアに手を置いて、「上がってもいい?」と余裕がありそうな顔で口説いてきた。

淡々と続きます…て言うか、旦那様、積極的ですね。

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