昔話。
温、主役です。
昔話、すごい書きたかったので、書かせて頂きました。
私が旦那と出会ったのは、夏子が産まれる数年前。
女子校を卒業し、共学の大学に入った。私の居た女子校はかなりハイレベルな上に、歴史も古いお嬢様学校だったから…私の周りの女子はハッキリハイレベルか、本当地味な真面目生徒。
三つ編みをして、スカートの裾を校則以上に長くして馬鹿みたい。
私はチヤホヤされてる自信があった。
しかし、女友達は段々と離れていき、私を邪魔物扱いするようになった。
「温さんって本当いいよな~」
「優しく、可愛い、何考えてるのか分からない所がいいv」
「可愛いv」
「綺麗!俺、サークルに応援に来てくれた~!」
などなど、私の評判はこんなコンパでも騒がれていた。
私は楽しかった、女子高時代にも彼氏は居たけれど、あのほの暗くお嬢様な雰囲気に私は合ってなかったし、大学1年の頃は先輩に目を付けられ、彼氏を盗ってしまった。2年の時は5股してみたり、3年になり、そろそろ決めたいと結婚相手を見定めた。どれもダメ。理想の男じゃないのよ。私と釣り合わないのよね。
そんな時、旦那が1人で飲んでいた。
私はこの男も自分の虜にしようと、わざと「フォーク落としちゃったぁ」とフォークを足下に落とした。
どんな反応が返って来るのだろう。
珍しくドキドキしながら待った。
すると…
「自分で拾えば」
とビールをお代わりしていた。
何で?
この私の落としたフォークを拾わない男なんて、居なかった。
プライドが何か音を立てて壊れた。
それがきっかけで私は、彼が些細な事でうちの大学に来たときに、いつも以上にお洒落をし、スリットの入った洋服で彼の前でよろけてみたり、時には映画に誘ったり、他の男友達に取り入り…。
何をしても「ふーん」「あっそ」「好きにすれば」とだけ返って来た。
私が落としたら捨ててやる!そう思い、大学最後の1年、とうとう私は男友達全員と縁を切り、彼の時間に合わせて動くことにした。
そうしたのが、何でだかは全く分からないけれど…。
彼と待ち合わせしていて、私は何故か清楚なタイトスカート白いシンプルなシャツという露出度0の洋服で街を歩いた。
街を見る人の目が、違う。
私も違う視点なんだ。
女の人も見てくるし、ご老人や小さな子まで観てくる。
私はこんな世界知らなかったんだ。狭い視野で、男の顔色しか見て来なかった。馬鹿だったな。世の中はこんなにも広くて、様々な目線があるんだ。
そう思えば、彼がフォークを拾わない訳も分かる。
そんな視野が狭い女を彼は望まない。
彼に似合うのは。
今日の恰好や視野の私で…初めて私は自分を恥じた。
本当に似合うような女になりたい。
貴方に声を掛けてる女性はみんな知的で綺麗。
その不快感を何かと聞かれると難しい。
しかし、私はどうやら彼の事が好きらしい。
自覚してしまった恋心。
振り返らせて振ろうと思ってたのに、こっちが本気になってしまった。
初めての本気の恋だった。
旦那さんみたいなタイプに案の定美人の奥さんが居るのはお約束(^^;)続く予定♪