偽りの天使
冬至→温の話です。魅せられて…。とは一応繋がってるのですが、好きな順番で見て下さいね。
片恋ストーリー
冬至→温の場合。
「冬至君…家にゴキブリが出ちゃって…私怖くて…」
「任せて下さい!!」
そう言うと、冬至は温の家に入り、ゴキブリを完璧に叩く。
今ここには温さんと俺だけ。温さんは本当可愛いよな。
「ありがとぉ」
こういう可愛い笑顔や仕草が女ってもんだろ。
夏子と比べるつもりはないけど、娘なのに夏子って本当似てない。
夏子だったら無表情でゴキブリをスプレーで退治してそうだ。
「…何かお礼欲しい…?」
「え」
艶めかしい髪を下ろす仕草にドキッとした。
「ふふっ、冗談よ」
「あ…そうですよね」
そう笑う小悪魔な要素も本当メロメロになるくらい可愛くて綺麗で、料理も上手くて。
冬至以外でも結構狙ってる男は昔から居た。
未亡人になる前から。
2人で御茶を飲みながら、恋の話になる。
「冬至君は好きな子っているの…?」
―どこまで分かってるんだか。分かっていないのか居るのか全然分からない。
「温さんは未亡人だけど、再婚はしないんすか?」
逆にそう聞き返してみた。
「居るとしたらどう思う…?ふふ」
小悪魔的な笑みが冬至を捕らえる。
多分俺の気持ちを試されてるんだと思う。
「まさか…夏至じゃないです…よね」
「そうよ、貴方の弟の夏至君、本当可愛いわよね」
―え?夏至は夏子が好きなんだぞ?
「俺じゃ駄目ですか…?」
思い切ってそう言ってみる。ここまでストレートに来るとは思いもしなかったらしく、目をぱちくりさせて。
「ごめんね」
笑顔でそう言われたので、「冗談です!冗談!」と真っ赤な顔で言い訳してみる。
それを見透かすように笑う温さん。
笑顔は温だけど、読み切ってる分遠回しの拒絶と受け取れて落ち込む。
俺たちの恋はどうなるんだろう。
お茶会は逆に俺を落ち込ませるだけだった。
この話が一番単純ですよね。冬至君が一番普通で私は冬至君が一番お気に入りです。話し的に好きなのは、夏子→冬至です。これから書きますね。