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市場のサハマさんは野菜を売ってるおばさま。ついでに足りなくなっていた食材も購入。そのおかげもあって?ミラクさんの居場所を聞いたら快く教えてくれました。
で、言われた通りに湖のほとりにやって来た。
ミラクさんはいつも真っ赤な帽子をかぶっているとサハマさんから教えて貰っていたのですぐ見つかりました。
どうやら湖の水で野菜の泥を落としているみたい。
「こんにちは、ハナと言いますがミラクさんですか?市場のサハマさんから教えて貰ってきたのですが」
「ん?サハマさん?あぁ、確かにオイラがミラクだけど……ハナっていったか?オイラに何か用かい?」
「実は今奇跡の水っていうアイテムを探していて、ミラクさんが知っていると本屋のレンさんから教えて貰って来ました」
「おやおや、レンとサハマさんの紹介なら教えない訳にはいかないね。確かにオイラは奇跡の水を見たことあるよ。手に入れるには手順を踏まないといけないから、知らないとその場所までたどり着けないんだよね」
やっぱりそうですか。ルーマさんからオアシスの場所は聞いてたから、あそこでとれないのはおかしいと思ったんだよね。
そしてミラクさんからアイテムにたどり着く手順を教えて貰った。
どうやら手に入れるには時間がポイントになるようだった。
昼から夜に変わるその時間のみ、あの泉に蜃気楼の島というのが現れるらしい。
砂漠から泉に続く道が更に伸びて島へと渡ることが出来るんだって。島へ入ってしまえば時間が過ぎても大丈夫らしいが、完全に夜になってしまうと道も島も消えてしまうので要注意なんだとか。
「その島の中心に、水が涌き出ているからそこへ行ってみるといいよ」
「教えてくれてありがとうございました!行ってみます!」
夜になるまであと2時間ちょっと。
ここからオアシスまでは1時間くらいかかるから今から行けば間に合うよね。
一度ホームへ帰り、魔結晶の魔法陣をインクリースとセクリースで全快にする。そしてベッドでHPMPも全快にしてシアへ戻って来ました。
ではでは!
オアシス目指してしゅっぱーつ!
オアシスに着くまでは出来るだけモンスターを避けながら進んだ。時間までにたどり着けなかったら悲しいからね。
まっちゃの探知頼みです。頑張れまっちゃー!
オアシスに無事着いたので、夜になる時間まで採取や戦闘したりと時間を潰す。くるくる草の種も取れたし有意義な時間でした。
そしていよいよ時間が迫ってきたので道が途切れている泉の淵に立ってその時を待つ。
「本当に島なんてあるのかな?」
「きゅきゅ~?」
小さくなったまっちゃを抱えて太陽が沈むのを見守る。
そこに立つと、ちょうど目の前に夕陽が砂丘に沈む様がよく見えた。
太陽が地平線に沈み出すと、それと重なるように湖の上がぼやけだし、きらきらと白く光る道が伸びていった。その先には霞むように小さな島が見える。
「おおー!」
「きゅきゅっ!」
半信半疑だったまっちゃと私はその光景に思わず声をあげる。
夕陽が沈みきってしまうとこの道も消えてしまうので、落ちないことを祈りながら走って島まできた。
無事島に着くことに安堵して周りを見回すと、ちょうど夕陽が沈みきって夜になったところだった。今渡ってきた道は消えていて、今までいた対岸が霞むように揺らめいて見えた。逆に先程まで霞むように見えていた島ははっきりと視界に写っている。
何だか不思議なところだなと思いながら進むと島の中心に水が涌き出る岩があった。岩の上部が窪んでいてその真ん中から水が涌き出ているようだ。淵からあふれでたものは地面へと吸い込まれていく。
「これかな?」
特に採取ポイントが現れないのでその水を瓶に入れてみる。するとアイテム名が奇跡の水に変化した。この水自体が奇跡の水なんですね。
皮袋を出しいっぱいになるまで詰め込んでみた。何かに使えそうだしね。
よし、これで依頼もクリア!
……はて?
「どうやって帰るの?」
「きゅ~?」
まっちゃも頭の上で首を傾げている。
泳いで帰れってことはないと思うんだけどな。
試しにまっちゃが飛んで対岸まで行けないか試したが、真っ直ぐ進んでいたはずがいつのまにか反転して戻ってきていた。やっぱり無理か……。
また夕陽が沈むまで待てば確実に帰れるけど、そんなに待つ時間はない。
可能性としては、今目の前にある穴に入るしかないんだろう。
岩の隣にある穴には、下へと続く階段があった。
確実に入れってことでしょうね。
ダンジョンになってるのかな?
覚悟を決めて入りましょう。
まっちゃも縮小はといて元の大きさに戻って貰った。
HPMPの確認と魔法陣の補充。
ついでにタブレットでドーピングしてレッツゴーです。
「まっちゃ、よろしくね」
「くぅ!」
キリッとした顔でまっちゃが先行して階段を降りていく。
本当に頼もしい限りです。
階段を降りると案の定マップは表示されていない。中はジャングルのような密林でした。
よし、では行きましょう。
せっかくなので採取や採掘もしていきましょう。
モンスターは砂漠と同じくらいの強さだった。ちょっと安心。ただ、出てくるのは草系のモンスターばかりなので魔法陣の継ぎ足しが大変だった。インクリースをかけながら進んだのでMPポーションが結構減ってしまった。他の属性よりもやっぱり火が効きやすいのでつい使っちゃうんだよね。
今度それぞれの属性の数珠を作っておこうかな?
ダンジョンは広かったのでちょっと大変だったけど何とかボス部屋の前まで来れた。
このダンジョンはワンフロアで正方形の形をしていた。そしてその中心にボス部屋があった。
まさか真ん中にあるとは思わなかったからかなり迷ったよ。でもそのお陰でボス部屋を開く鍵を手に入れられたので結果オーライです。
フロアの四隅に祠みたいなのがあって、そこに鍵がはまっていた。それを4つ集めてボス部屋の鍵穴に差し込むと扉が開く仕掛けらしい。
採取では高級薬草やハイマジックリーフもとれし、なんと種も手に入れた!これで収穫出来るようになれば今後楽になりそうです。
そして食材も手に入れました。
滋養根と強壮根。
……栄養ドリンクとか作れるのかな?
どっちも雑草に紛れて生えていたので〈採師〉じゃないと絶対見付からなかったよね。
そんなこんなでボス部屋の前です。
ダンジョンも一通り回ったので後はボスだけです。
HPMP魔法陣は全快でまっちゃと一緒にドーピングもバッチリ!
では行きましょう。
カチャリ
鍵を回して扉を開く。
大きな扉をゆっくり開けると、何だか見たことあるような空間が。
緑の草の絨毯が敷き詰められた円形の広場の真ん中には不自然に真っ赤な薔薇の花が一輪。
足を踏み入れてもやはり体の自由が奪われることはなくそのまま薔薇の前へ。
……チューリップの同類ですか?
そして触れてみると、いきなりドンッと地震のような揺れが起こり、足の下の土が盛り上がっていった。
やっぱりー!
そこで体の自由が奪われ勝手にくるくると回転して安全な地面に着地する。
見るとそこには巨大化した薔薇がいた。花びらの合間から牙がはえ、思った通り真っ赤な舌を垂れ下げていた。
やっぱり気持ち悪……。
そしてチューリップの時は腕の様だった葉っぱは棘のついた茨の鞭と化していた。
Baaaaaaaraaaaaaaaa!
「まっちゃ、あの棘注意してね!」
「くぅ~!」
よーし!とっととやっつけましょう!
火系特化の魔法陣は温存してあったので多少余裕があります。っていってもそこまで数はないのですぐ使いきってしまいそうだけど。
チューリップと同じように顔をぶんぶん振り回して攻撃してくる薔薇。口がバクバク動いているので噛まれないように注意しないと。
茨の腕もかなり厄介です。
めっちゃスピード早いからなかなか近づけない。
「ファイヤートルネード!」
魔法陣は何とか当たるが刀が届かないー!
茨の鞭を切りつけてみるも高い音と共に弾かれる。
ええー……一体何で出来てるんですか?
しかしダメージは与えられているようなので先ずはこの茨の腕が相手です。
「まっちゃ!左側の腕お願い!」
「くぅ!」
顔は何とか避けて腕に集中攻撃です。
蜥蜴さんの時みたいに切れることを祈りながら……。
結構な時間攻撃を続けました。
私の祈りが通じたのか薔薇の腕を両方とも切断することに成功!
ふっふっふっ……これでもう恐くないわー!
もう火系特化の魔法陣は無くなってしまったので数珠の方を使って応戦。薔薇の残りHPも3割をきったのでもう少しです。
Barararararara!
ふぅ、間に合った。
あの後本体に攻撃出来るようになったは良かったのだけど、何と腕が少しずつまた生えてきたのです。心なしかそれにつれてHPも回復している気がしたので慌てて本体を倒しました。
宝箱から出てきたのは今回も精霊石の欠片だった。もう6個目だけど、どうしようかな?掲示板で調べたらやっぱり〈精霊魔法〉で使うことが出来るらしい。結構な額で取引されてたし売ったらかなりの金額になるけど……もしかしたら何かに使えるかもしれないのでとりあえずは倉庫に眠らせておきますかね。
では帰還用の転移陣が出たので帰りましょう。
転移した後出た場所は泉のほとりだった。ちょうど砂漠からの道が途切れるところです。
出たところが蜃気楼の島じゃなくて良かった。
と安心したのもつかの間、急いでシアへ戻りました。
残り時間が少ないので敵はかわしながらです。
そしてホームへ帰ってログアウトです。
慌ただしかったけど、とりあえず目標は達成かな?
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name : ハナ
tribe : フェアリー
level:50★ [2up]
HP : 590/590 [20up]
MP : 664/664 (+144) [20up]
STR : 70 (+45)
VIT : 70 (+55) [3up]
AGI : 70 (+53) [3up]
INT : 80 (+35)
DEX : 70 (+20)
LUK : 22 (+10)
AP : 0
SP : 33
【スキル】
〈採師〉Lv.16〈鑑定士〉Lv.20〈魔導陣〉Lv.21〈成長〉Lv.12〈抜刀術〉Lv.17〈二撃流〉Lv.12〈舞踏〉Lv.11〈MP++〉Lv.24〈農業〉Lv.2〈錬金術師〉Lv.33
[控え]
〈鍛冶師〉Lv.1〈道具師〉Lv.30〈料理師〉Lv.5〈釣り〉Lv.29 〈細工〉Lv.33
【称号】
フェアリー族の加護:DEX+10
世界樹図書館を開放せし者:全ステータス+10
本屋の加護:INT+5
【売買】
商人Lv.37
【装備】
武器:桜花刀 STR+35 , AGI+18
防具頭:布リボン VIT+10
防具上衣:中振袖(赤紫) VIT+20
防具下衣:袴(藍) VIT+15
防具鎧:なし
防具手:なし
防具足:下駄(足袋付) AGI+25
アクセサリー(最大6個):魔法陣ホルダー・使い魔の指輪 ・数珠型グリフォンブレスレットINT+10・数珠型グリフォンブレスレットINT+10
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name : まっちゃ
tribe : グリフォン〈亜成体〉
level : 25 [2up]
HP : 850/850 [30up]
MP : 730/730 [30up]
STR : 22
VIT : 22 [2up]
AGI : 22 [2up]
INT : 30
DEX : 20
LUK : 10
AP : 0
【スキル】
〈治癒〉Lv.8〈探知〉Lv.22〈牙〉Lv.9〈風魔術〉Lv.5〈縮小〉Lv.8
【装備】
アクセサリー:リボンネックレス
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