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次の日。
1回目のログインです。
イベント本番まであと3日なのでレベルあげに戻りましょう。レベル50まであと少しだから頑張らないとね。
今回からはシアの周りの砂漠でレベル上げです。ついでにずっと放置してたレンさんの依頼とルーマさんの依頼をクリアしちゃいましょう。
が、しかし魔法陣の数が足りなそうなので今回は準備に当てます。魔結晶も作り足しておきたいし、新しい特化が作れるか確かめたいしね。
ぱぱっと畑の収穫とベッドでMP回復しながら合成練習と種まきを終えて地下へこもります。
まっちゃが手伝ってくれるからサクサク進むね。
先ずは特化魔法陣から作ってみましょう。
試すアイテムは水水晶、水花、シャボン、泡の花かな?
では水水晶からですね。
〈粉砕〉で砕いてからすりつぶして混ぜてみました。
さてどうでしょう。
ピカリ
お?
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水系特化魔法紙(上)
rankC
魔法陣を書くのに使われる用紙
魔法で同じものを使う時の1.5倍の威力
水系魔法陣を書くのに適している。
水系魔法陣に使用時 効果+30%
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おおぅ、1つめで成功してしまった。
いや、嬉しいんだけどね?
水の泡の件があったからちょっと拍子抜けです。
試しに魔結晶でも特化ができないか実験してみました。
……爆発です。
ええ、そんな簡単に出来るわけないよね?
ガラス棒作る時に混ぜてみたんだけど、無理でした。
また色々試してみよう。
砂漠は地属性のモンスターが多いらしいので、ダメージが効きやすい氷と水の魔法陣を多めに作る。
今ではインクリースが使えるので魔結晶に最大10回分までMPを込められる。そして砂漠用に氷&水のみのブレスレットを作ってみた。
フィールドのモンスターは魔結晶で倒して、特化はボス用にしておこう。本当はフィールドの敵も特化で倒せれば安心なんだけど、魔法紙作るのって時間かかるんだよね。それに水水晶も30個くらいしか持ってないし。リルマの周りでとれるアイテムはまだあまり出回ってないので自分で取りに行かなければならない。行ってもいいんだけどね。時間かかるから……。
ま、何とかなるでしょう。無理だったら取ってくればいいし。
ということで魔法陣やお薬を揃えて時間は過ぎていった。
そして2回目のログイン。
やって来ましたオアシス。
ここまで来るのに苦戦する敵もいたけど、レベルも上がってきたからか無事着くことが出来ました。刀で与えるダメージが少なくなってきてる気がするのでそろそろ本格的に自分の刀を作らなくちゃだなぁ。
そして目の前にはオアシスに入る前に不自然に出来た柵、多分レンさんの依頼にあるボスと戦闘になるはずだよね。
よし、特化はまだ使ってないから大丈夫だしHPMPも全快!念のため数珠の魔結晶もセクリースで全快になっている。
あとはタブレットでドーピングすれば完璧でしょう。
まっちゃー!お薬のお時間ですよー!
では行きましょう。
柵を越えると体の自由が奪われ勝手に歩き出す。
オアシスの湖を囲むように草木が生えたフィールドがあり、砂漠から湖まで道がひかれているようだ。湖が道の先に見えるのだが、途中でいきなり地震のような揺れが起こった。体勢を崩ししゃがみこむが、どうやら震源地は私の真下らしい。地面がピキピキっとひび割れ、更には陥没してしまった。とっさに後ろにジャンプするが既に遅く、そのまま陥没した地面に落ちてしまう。
そこは円形になり広いスペースになっていた。
壁は急な坂になっていて、地面は砂地にかわっていた。
砂漠もそうだったけど、砂って動きにくいから嫌なんだよね。
私の体は壁を登ろうと壁に手をついた瞬間、何かヌルヌルした縄みたいのが体に巻き付き一気に空へと持ち上げられた。
わー!いい景色!
って違ーう!
下を見ると巨大なミミズが砂から顔を出していた。その顔は全面が口になっており牙とよくわからない触手のようなものがうねうねしている。更によだれ?もだらだら……。
え?この縄みたいのって……?
ぎゃー!
その触手みたいなのが伸びて私の体を持ち上げていた。
きーもーちーわーるーいー!
そしてそのままお口の中へ。
ちょ、ちょ待っ!
まぁ、抵抗するよね。
自由に動かせない筈なのに体と心が一致して思っようにじたばた。
その暴れた蹴りが入ったようで触手から解放され地面に投げ出された。
Jyuruuuuuuuuuuuu!
うう……後でお風呂入ろう。
戦闘開始です。
「まっちゃ、食べられないように気を付けてね!」
「くぅ~!」
まっちゃはミミズの顔めがけて飛んで行くが、ん?迷ってる?
どうやらどこが顔か分からないようだ。
私もよくわからないよ……。
いつも目つぶししていたのでどこを攻撃しようか迷ってしまったようだ。
とりあえず口の周りを回りながら攻撃することにしたらしい。
お、口がまっちゃを追って動き出したから大丈夫そうだな。さすがまっちゃ!
まっちゃが引きつけてくれるから私も攻撃できます。
よし!私も攻撃開始です。
「アイストルネード!」
地属性系には氷がよく効くので今回も氷特化で攻めます。そして今のうちに接近。
そしたら一応ボール系で弱点探しです。この間の蛇さんみたいに有効なものの方が早く戦闘終わらせられるもんね。調べることも大事なんですね。
今腕には数珠が2つつけられている。
全部の属性のものと氷&水のものだ。
見た目ちょっとじゃらじゃらしてるが、装備なので腕からすっぽぬけることもないし邪魔にもならないので大丈夫です。
全部の属性で試してみたがやっぱり氷と水の効き目が良さそう。刀も普通に効くしね。
ただ、HPが多いのかレベルの問題か、HPは少しずつしか削ることが出来ない。
これは頑張るしかないですね。
ミミズの動きはそこまで早くないので大丈夫なは、ず?
「きゃー!」
どぉぉぉん……。
いきなり攻撃パターンが変わってミミズが倒れてきた。
縦の長さは私の5倍以上もありそうなので逃げる方向間違ったら確実に潰されるね。
焦ったぁー。
さっきまでは触手が主な攻撃手段だったからまさか本体が倒れてくるなんて思ってなかった。
よし、気を付けて攻撃しよう。
そのあともミミズに潰されるのを回避しながら魔法陣と刀で攻撃した。
刀のアーツ《雷撃》はひたすらミミズを駆け上っていったんだけど、最後ジャンプしたときの景色はやっぱり最高でした。HP削るのに時間がかかったのでクールタイムを消化してもう一回。うん、いい気持ち!
《桜咲》も好きだけど、こんなに高くまで駆け上がれる敵もそうそういないだろうと連発しました。
ミミズはHPが半分きった辺りから、たまに地面に潜って足元の地面を食べながら私を一緒に食べようとしてきた。出るところがわかってるから避けるのは簡単だと思ったんだけど、口も大きいので少しでもタイミングを逃すとお口の中ということになりそう。もうヌルヌルは嫌なので必死で走りました。
「これで終わり!アイストルネード!」
Lyuuryuuuuuuu!
回避を重視した結果、かなりの時間をかけてしまったが無事倒すことが出来ました。
特化は足りなくなってしまったので氷&水の数珠が大活躍です。攻撃力は落ちてしまったけど、つけておいて本当良かった。
ミミズはのたうちまわって地面に倒れた。
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YOU WIN
デザートワームを撃破しました
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これでレンさんの依頼はクリアだね。
よし、次はルーマさんの依頼なんだけど……。
あれ?この地面って直らないの?
この斜面登れってこと?
体の自由が戻ってボスフィールドから帰ってきた感覚もあるんだけど、景色はそのままでした。
仕方がないので坂になった壁を登ったよ。
そこまで高くないし余裕でしょ、と甘く見たのがいけなかった。
助走をつけて駆け上がっても滑り落ちる、窪みを作って登ろうと試みても砂になってうまく登れない。マリアみたいなジャンプのスキルとかあれば違うかもしれないが、私
がジャンプしたところで出れる訳がない。
少しずつ壁の高さが下がってきてるので時間がたてば出れるんだろうけど……え?
ここで待てってこと?
じっと待つのも嫌だったので何とかして脱出しました。だってモンスターが集まってきて大変なことになりそうだったし。
最終的にまっちゃの後ろ足に捕まって壁を駆け登りながらまっちゃに羽ばたいて引っ張ってもらうという荒業で出ました。まっちゃは大きくなって力持ちになったね。助かったー。
そしてオアシスの泉まで来てみました。そこまで大きくない直径10mくらいです。
さて、では採取しますかね。
セーフティーエリアはなかったので手早く色々集めます。ぐるっと1周してみたけど、奇跡の水は手に入らなかった。
どこにあるんだ?
もしかしたら夜にしかとれないアイテムだったりするのかな?
うーん……よくわからないし、ちょっとシアの街の人に聞いてみようかな?
レンさんに報告もしなきゃだし。
ということでシアに戻って来ました。
今回はレベル上げが目的なのでちゃんとモンスターと戦ってきましたよ。まっちゃの探知で見つけては狩ってを繰り返し街まできたら結構時間がかかってしまった。
「こんにちはー!依頼のモンスター退治終わりました」
相変わらず怖い顔で店の奥に座ってるレンさんに話しかける。3回目だからかもう恐くありません。
「ありがとう。これでどうにか商品も入荷できそうだ」
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クエスト
『オアシスの平穏を取り戻せ』
クリアしました
報酬:『秘薬』レシピ
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Cクエスト
『本屋一家の憂鬱』
クリアしました
報酬:【称号】本屋の加護
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な、何?
Cクエストってなんですか?
先ずはレンさんに挨拶をし店を出る。
そこでもう一度確認。
称号の効果はINT+5と本屋店員の好感度MAXらしい。つまり色々教えてくれるってことかな?
あ、奇跡の水のことレンさんに聞けばいいんじゃないか!
ということでもう一度扉を開いて店に入る。
「レンさんすいません、聞きたい事があるんですが」
「何だ?俺でわかることなら教えられるが」
「えっと、奇跡の水ってアイテムがどこにあるか知ってたら教えて貰えたらと思うんですが」
「奇跡の水?……聞いたことあるな。だがどこにあるかまでは分からない」
「そうですか」
やっぱりそう簡単にはいかないか。
「だが、確か野菜売りのミラクが前そのアイテムを見たって言っていたはずだ。ミラクの居場所は市場のサハマが知っていると思うぞ」
「ありがとうございます!さっそく行ってみます!」
何だか色々教えて貰えてラッキーでした。
Cクエストっていうのは謎だけど、とりあえず今はミラクさん探しに行ってみよう。