表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/176

5

ギルドに入るとそこそこ混んでいた。


先ずは登録窓口に並ぶ。

列は思ったより早く進み直ぐに私の番になった。


「いらっしゃいませ。新規の登録ですね。ではこちらに手をかざして下さい」


カードのようなものに手をかざす。

するとカードに文字が現れた。


ーーーーーーーーーー


name:ハナ

tribe:フェアリー

level:1

rank:F


ーーーーーーーーーー


「こちらがお客様のカードになります。依頼は後ろのボードに貼ってありますのでご確認ください。依頼書は何枚もありますので剥がしてお持ちください。依頼書を持っていないと現物のある採取系以外は無効になるのでお気をつけください。依頼の完了報告や報酬の受け取りは隣のカウンターで行っています。依頼は自分より下のランクのものしか依頼を受けることができません。ランクは依頼をこなすことによってあがっていきます。以上になりますが何か質問はございますか?」


「大丈夫です」


「ではこちらをお渡しします」


ーーーーーーーーーーー


『ギルド登録』

クリアしました


クリア報酬:スキルスロット+1


ーーーーーーーーーーー


カードを受けとるとウィンドウが現れた。


「頑張って下さいね」


お姉さんがにこりと笑って見送ってくれる。

この人は名前持ちじゃないので特に話さずカウンターを離れる。後ろにはまだまだ長い列が出来ていた。


先ずは依頼書が張ってあるボードを見てみる。


何かいいのがあるかなと思ったら丁度よい依頼を見つけた。


ーーーーーーーーーーー


『薬草10枚納品』


クリア報酬:200ギル


ーーーーーーーーーーー


さっき森に3人で行った時採取した薬草が15枚インベントリに入っている。

依頼書を剥ぎ取って依頼受付カウンターに向かう。こちらは幾らかすいていたので直ぐに私の番になった。


「いらっしゃい!!今日は何の要件かな?」


元気なお姉さんだ。

私はカウンターに持ってきた依頼書と採取した薬草を10枚インベントリから取り出して一緒に置いた。


「依頼達成の報告です」


「報告ね!!じゃ、ちょっと待っててね!!」


そう言ってカウンターの中にあった扉に入ってしまう。と思ったらすぐ出てきた。


「これが報酬ね!!」


トレーの上にお金が置かれていた。とりあえず取ろうと手を伸ばすと、触れた瞬間お金が消えた。たぶんメニューを確認すれば所持金が増えてるのだろう。後で確認しよう。


ーーーーーーーーーーー


『初クエスト達成』

クリアしました


クリア報酬:スキルスロット+1


ーーーーーーーーーーー


お金が消えてすぐ電子音と共にウィンドウが現れた。

直ぐにウィンドウが消えるのを見てお姉さんに話しかける。


「お姉さん、私はハナって言うんですけど、お姉さんの名前教えて貰ってもいいですか?」


「?あたしはマロンっていうんだ!!よろしくね!!」


「よろしくお願いします!!で、ギルドって素材の買い取りってやってます?」


「やってるよ!!後ろのカウンターに行けば査定してくれるよ」


「ありがとうございます。じゃ、行ってみます」


後ろに人が並び始めたのでいそいそとカウンターを離れる。

そして後ろのカウンターへ向かった。


「すいません!!査定をお願いしたいのですが…」


カウンターには誰もいなかった。


ちょっと不安になって後半声が小さくなってしまったが、カウンターの中にしゃがんでいたのかごついおっさんがいきなりにゅっと現れた。


「わぁ!?」


驚いて2、3歩後ずさると、おっさんは苦笑いで謝ってきた。


「わりぃな嬢ちゃん。あまりにも暇だったもんでな」


と、気まずそうに頬をぽりぽりかいて笑って言った。


「い、いえ、大丈夫です。あの買い取りしてもらってもいいですか?」


「おうよ!!こっちのカウンターへ広げてくれ!!」


言われた通りウルフの毛皮を3枚出す。


「お、ウルフの毛皮だな?これは1枚30ギルだから、3枚で90ギルだな!!」


おっさんは毛皮を引っ込めて代わりにトレーにお金を乗せてカウンターに置いた。さっきと同じようにお金に触ると消えてしまった。


ーーーーーーーーーーー


『街での初売買』

クリアしました


クリア報酬:スキルスロット+1


ーーーーーーーーーーー


よし。


「ありがとうございました。あの、私ハナって言うんですけど、おじさんの名前は?」


「オレかい?オレはジードってんだ!!また素材売りたきゃいつでもきな!!」


「ありがとう!!」



ギルドを出て街を見て回る。屋台のおじさんや果物屋のおばさん。宿屋のお姉さんはサーリャさんって名前だった。


そんなこんなで1時間くらい街を歩き回る。


途中串焼きみたいな香ばしいタレの匂いに負けて串焼きを買ったので今は噴水広場のベンチに座りログを確認中だ。


そうそう、このゲームには満腹度システムというのがあって、お腹がすくとステータスにペナルティーがつくらしい。

睡眠はとらなくても良いらしいが、お腹がすいたままだと最終的に動けなくなるらしい。更にそのままいると死亡扱いになるし、フィールドでそうなった場合、モンスターに襲われればそのまま死に戻りなんてことにも。


このゲームのデスペナルティーは1時間のステータスマイナスと所持金の半減らしい。結構痛い。


と、そんなことよりログっと。


そこには今までNPC名前を聞いたログが残っていた。今何人か確認する。…お、もう15人クリアしてるじゃないか!!


「よっし!!」


思わず声に出してしまって恥ずかしくなる。


ぱっと隣のベンチで本を読んでるNPCお姉さんと目が合う。

アイコンが出てないから名前持ちの人じゃない。


「あ、えっと、い、いいお天気ですね?」


咄嗟に出たのがこれって…更に恥ずかしさがます。


「ええ、そうですね」


お姉さんは一瞬不思議な顔をしたけど笑顔で答えてくれた。


この後どうしよう。


「あ、あの、何かこの街で面白い話ってありませんか?」


何とか会話を繋げようと思った結果、とりあえず情報収集と思い立って聞いてみた。お姉さんは難しい顔をしている。


あ、これは「わからない」かな?


「そうね~…そう言えばサーリャが何か面白い話聞いたって言ってたような…」


「え?サーリャさん?」


思いがけない答えで聞き返してしまった。


「そうだけど…宿屋のサーリャって知ってるわよね?」


「あ、はい」


「詳しい話はサーリャに聞いてみて?」


「は、はい。ありがとうございました」


じゃあね、と言ってお姉さんは歩いていってしまった。


あれ?今の人って簡易NPCだよね?

こんな話出来るのかな?


とりあえず検証だ!!


その後広場にいた3人の簡易NPCの人に同じ質問をしてみたけど、全員サーリャさんの名前を出した。


これは…もしや…何かある?







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ