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3人で南門に向かう。この『始まりの街』は回りをぐるっと森に囲まれているらしくその向こうは山で森より先は行けないらしい。東門から延びてる道をたどっていくと次の街へと行けるらしいが、その前にボスを倒さないと行けないらしいのでまだまだ行くのは先になるだろう。


門から外に出ると明るい日の差し込む森が広がっていた。


「ここで出るモンスターは3種類。ウルフとラビッドとスライムだ」


街の近くは人で溢れていたのでちょっと奥まで歩いていく。


「あ!!スライムだよ~!!」


マリアが指差した先には青いゼリーみたいなモンスターがいた。サッカーボールくらいのゼリーがぷるんぷるんと震えてる。


「じゃ、ハナ頑張って倒してみようか」


タクに言われちょっと緊張しながら前に出る。

ホルダーから1枚の紙を抜き取る。意識して紙を抜き取ることで魔法陣の種類が選べるらしい。


そこには魔法陣が書かれていた。今のホルダーには全部の属性の初級魔法の1つ、ボール系の魔法陣が10枚ずつ入っていた。


「ファイヤーボール!!」


紙がうっすら光ったのを確認してスライム目掛けて投げつけた。すると途中から紙が火の玉になってスライムへと向かい、スライムにぶつかりはぜた。

そしてスライムの上に表示されていたHPバーがいっきに減って0になった瞬間スライムが光の粒子になって消えた。


ーーーーーーーーーーー


『初モンスター撃破』

クリアしました


クリア報酬:スキルスロット+1


ーーーーーーーーーーー


そして電子音と共にウィンドウがあらわれた。


「なんか出たんだけど…」


「え?もしかしてクエスト確認してなかったのか?メニューのクエストページを開けば詳細がわかるぞ」


言われた通りメニューからクエスト画面を開いてみる。

すると6つのクエストが発生していた。

そのうち1つはクリアとなっている。


「なるほど、ここで確認するんだ」


「ついでにアイテムも見てみな」


言われた通りアイテムページを開く。


ーーーーーーーーーーー


ポーション×5

スライムゼリー×3


ーーーーーーーーーーー


「アイテムがあっただろ?ポーションは最初に全員に配られるんだ。他にも何か入ってるだろ?」


「うん。スライムゼリーってのがある」


「それがさっき倒したスライムのドロップだよ。ドロップは自動でインベントリに仕舞われるんだ。インベントリってのはそのアイテム欄のことな」


なるほど、確かに倒していちいちウィンドウ確認するのは面倒くさいもんね。


「でもそうするとどのモンスターが何ドロップするか分からなくない?」


「それはログをみれば分かるようになってるよ。メニューにログってあるだろ?」


確かに。ログを開いてみる、とさっきの戦闘履歴が残っていた。なるほどこれで確認するのか。


「ね~!!早く次行こうよ~」


マリアが待ちきれないようで急かしてくる。


「そうだな」


「よし!!じゃ~どんどんいってみよ~!!」


そう言ってずんずん進んで行くマリア。

タクと慌てて後を追った。


その後マリアとタクも1体ずつスライムを倒し次に出会ったのがウルフだった。見た目は茶色の狼。大型犬くらいの大きさで1匹だった。


「ハナ頑張って~!!」


後ろでマリアが応援してくれている。

ホルダーから魔法陣を出し準備を済ます。


「ファイヤーボール!!」


火の玉はまっすぐにウルフへ向かい命中する。


「やった!!」


「!?ハナ前っ!!」


タクの鋭い声で慌ててウルフを確認する、と同時に火の中からウルフが飛び出てきた。


咄嗟に回避出来なかった私はウルフの攻撃を受けてしまう。

ウルフのHPはまだ半分残っていた。


鈍い痛みが体を駆け抜けるが、ぐっと我慢してもう一度魔法陣を取り出した。今度は雷の魔法陣だ。


「サンダーボール!!」


バチバチと音をたてたながらウルフに命中した。

今度こそウルフのHPは0になり光となって消えていった。


「びっくりしたー…」


ふうと息をつく。


ステータスを確認するとHPが20も減っていた。

回避も出来なくまともに攻撃を受けてしまったからだろう。


「危なかったな~。ポーション飲んで回復しとけよ」


タクの言葉に素直に従いアイテムからポーションを取り出し飲み干した。ラムネの味がした。美味しかった。


「ハナ最後まで油断しちゃだめだよ~」


「さっきまで一撃だったから油断しちゃった」


「スライムは魔法に弱いけどウルフは弱点が魔法じゃないからな。モンスターによって攻撃の効きやすさがあるから気を付けて。ま、次からは大丈夫だろ。じゃ次いってみっか!!」


その後も狩りを続けそろそろ慣れて来たので一度街へ戻ることになった。


「じゃ、俺達は知り合いのとこ行くがハナは一人で大丈夫か?」


「大丈夫だよ!!元々ソロでやるつもりだったし。ありがと、色々教えてくれて」


「何かあったらすぐコールしろよ!!」


「私もいつでもコールしてね~!!また一緒に狩り行こうね~!!」


そう言って2人は人込みに消えていった。

子供じゃないんだからそんなに心配しなくても…と思うが何かあったらありがたく連絡させて貰おう。



そして今道具屋に来ている。


とりあえずチュートリアルクエストを終えてしまおう。


「いらっしゃい!!何がいるんだね」


「ポーションを5本買いたいんですが…」


「あいよ!!1本100ギルだから500ギルだよ」


ちょっと高いなと思いながらもお金を払う。

お金は最初から3000ギルあったから今は2500ギルになってしまった。


「そう言えば魔法陣って売ってるんですか?」


「魔法陣?珍しいもん使ってるんだね。一応扱いはあるが、うちはファイヤーボールのみだよ?」


「ちなみに1枚おいくらですか?」


「ファイヤーボールの魔法陣は1枚500ギルだよ」


「ごっ!?そ、そんなに高いんですか…?」


「まぁ、あんまり需要もないしなぁ。しかも魔法陣を書く魔法紙が高いんだよ。魔法紙だけで1枚400ギルだからな」


「そうですか…」


やっぱり買うのは現実的ではないなと思う。


「ありがとうございました。…そう言えば私はハナっていうんですけど、おじさんの名前って何て言うんですか?」


「俺かい?俺はガロンってんだ」


するとおじさん、ガロンの頭にあったアイコンの隣に『ガロン』と表示が現れた。


お?


「ガロンさん、この街で私に名前教えてくれる人って何人いますか?」


ガロンさんはニヤリと笑いこっちを伺ってきた。


「お嬢ちゃんは面白いこと聞くなぁ。お嬢ちゃんと話せるのは今は全部で15人だ」


今は…かぁー。

ま、いっか。


「ありがとうございます。また来ますね~」


「おう!!また来てくれよな!!」


店を出て次はギルドへ向かう。


その道中AIの知能の高さに感心していた。本当の人が操ってるのではないかと思ってしまう。

このゲームには2種類のNPCがいるらしい。簡易NPCと高位NPCだ。簡易NPCは簡単な受け答えは出来るものの、内容は決まったもので、それ以外の質問にはわからないといって答えられないらしい。更にアイコンが頭の上に表示されない。そしてさっき話したガロンさんのようなアイコンがついている人が高位NPCだ。かなり高性能なAIらしく自分で考えて受け答えするらしい。


RPGといったらやっぱり全員に話聞かないとね!!


あと14人!!先ずはギルドからだ!!






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