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次の日。
1回目のログインです。
今回はギルドの討伐依頼を終わらせちゃいます。
よしいくぞ、と街を出るところでメールがきた。
開いてみるとなんと注文書でした。
何々……え?これ全部ですか?
注文書にはこうあった。
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ポーションrankA×200
MPポーションrankA×100
万能薬rankA×100
STR+タブレットrankA×100
VIT+タブレットrankA×100
期日 3日以内
備考 出来なければ連絡くれ
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期日はリアルの時間だから明明後日までに納品出来ればいいってことだよね?
どっかボスでも倒しに行くんだろうか?この数……。
ま、これくらいなら1日あれば出来るかな?
3回ログイン出来ればだけど。
などと考えているとコールがきた。
『ハナ今大丈夫かぁ~?』
ジーンだった。注文のことかな?
「大丈夫だけど、どうしたの?」
『カタログのことなんだがな、あれは安すぎると思うぞ?』
「あ、ニーナさんに教えて貰ったから露店では値段ちゃんと上げたよ!」
『そうか、それは何よりだ。だが、それだと更にあのカタログの値段はダメだな。安くしてくれるのはありがたいが、この事が他の奴に知れたら暴動もんだぞ?うちも他で売るのと同じ額でいいからさ。こっちは契約してるから何時でもハナに注文出来るってだけでかなりのメリットになってるんだからな!』
そっか、そういうもんか。
「わかった!教えてくれてありがとう!じゃ、カタログの値段直しておくね」
『ああ。じゃ、注文の方もよろしくな!』
そこでジーンとのコールを終える。
忘れないうちにカタログ直しましょう。
今露店で売ってるのはそのままの値段で、状態異常系は全部同じ額で揃えちゃおう。
タブレットはいくらにしよう……。状態異常系より高いよね。うーん、rankCが1000ギルでrankAが2000ギルにしておこう。MPポーションと同じだね。
値段設定間違ってるようならまたジーンが教えてくれるだろうし。
これでよし!
今はマイホームが先ですね。
では行ってみましょう!
サンドスコーピオンはロックワームと同じで北の岩山にいるはず。
お、いたいた。
では行きます!
見た目はサソリだがその体表は岩で覆われていて固い。
先ずは魔法陣で攻撃です。
「ウォーターボール!」
うん、やっぱり効くな。
魔法陣のあとは刀で斬る!
高い音がし、刀が弾き返される。
相性は最悪ですね。
でも装備がいいからかきちんとダメージも入っている。
これは地道に頑張るしかないね。
まっちゃと一緒にちまちま攻撃を与えてゆく。
まっちゃの攻撃の方が効いてるよね?
がんばれーまっちゃ!
途中セーフティーエリアを見つけたので、そこで簡単なものを調理してご飯を食べながら休憩。そしてまたサンドスコーピオンを狩った。
このサンドスコーピオン、倒しづらい上に見つけづらい……。
まっちゃの探知があるからまだ楽だけど、元々数が少ないのか見つけるまでも時間がかかる。
なかなか見つからないもんだから、採掘等もしながらサンドスコーピオンを倒す。結局かなり時間がかかってしまい、50体を倒し終わる頃には夜になっていた。
なんか疲れたー…。私にはこういうの向いてないんだよ。
でもマイホームの為、今は頑張るんだ!
そのまま狩りを続けるのは無理だったのでそこでログアウト。
そして2回目のログインです。
セーフティエリアでログアウトしたのでそのまま東の草原へ向かう。ここにサンダーワームがいるらしい。
サンダーワームは黄色の芋虫っぽいモンスター。
糸を吐くように雷を口から吐いてくる。
ダメージはそんなでもないけど麻痺るから気を付けないと。
サンドスコーピオンと違ってこっちは刀の通りがいいですね!
ストレスもたまってたのか刀でばっさばっさと斬りまくりです。
斬れるって素晴らしい!
あっという間に30匹の討伐が終わってしまいました。
ふぅ、いい仕事したわー。
よし、帰りはちょっと採取しながら街へ帰りましょう。
「こんにちわー」
街に戻ってギルドで依頼完了の報告とドロップ等を売り払い建築屋さんに来た。
「いらっしゃいませ。許可書等は手に入りましたか?」
「はい。えっと、建設書とブラックインクと権利書と建築許可書です」
必要なもの全部いっきにだす。
「確認させて頂きました。こちらの許可書と権利書はお返し致します。ハナ様、こちらの権利書をお持ちということは街の外へ建築予定ですか?」
「はい、そのつもりです」
「まだ不動産に行かれてないようですが、場所はお決まりですか?」
あ、そっか。建てる場所決めて不動産に行かないといけないんだっけ?
「まだ、決まってないんですが……」
「そうですか。土地が決まらないと建てることが出来ませんのでお気をつけください。ただ、ハナ様は条件をクリアしてますので設計をすることは出来ます。本日されていきますか?」
「はい!」
「ではこちらにどうぞ」
アイラさんの後ろに着いていくと奥の部屋へ通された。
そこは部屋の壁を全て本で埋め尽くされ囲まれた部屋だった。その中央には4人掛けの机とイスが置いてある。
「こちらにカタログがありますので、アイテムを組み合わせてお客様だけの家を完成させてください。カタログに料金も表示されております。選んで建設書に記載されると料金も加算されます。建設書の下にある合計金額が最終的な料金となりますのでご確認下さい」
そう言ってアイラさんは建設書とブラックインクを机の上に置き、部屋を出ていった。
とりあえず1冊本を取りだしイスに座って開いてみる。
驚くことに並んでいる本は全て同じものだった。
本を開くと目の前にウインドウが開かれた。
あ、本当に本を読むんじゃないのね。
更にタッチペンが本に挟まっていたのでそれを取り出してマニュアルにそって進めていく。
最初にブラックインクにタッチペンの先を浸すそうだ。マニュアルの通りやってみると、透明だったペンが黒く変わった。これで建設書に記載出来るようになったらしい。
よし。
では初めは間取りを決めるとこからです。
えっと、部屋はリビングとキッチンと寝室とお風呂が欲しいな。キッチンはリビングにカウンターキッチンをつけて、寝室は狭めでいいよね。あとお風呂は浴槽だけでいいし。
で、別の階に生産部屋を2部屋くらい。ここはちょっと広めがいいなぁ。あとは倉庫も欲しいな。
こんなんでいいか。足りなければ増築すればいいし。
間取りを書き込むと今度は仕様を選択するらしい。
あ、地下室とかもできるんだ。じゃ、生産部屋と倉庫は地下だな。次に倉庫は物置収納か空間収納を選ぶのか。これは空間収納でしょ。物置収納は本当に棚に並べるもので、空間収納はインベントリと同じもので一覧表が表示されるし、勝手に分類されてくれる。更に出入口を設定すれば数ヶ所から同じ倉庫にアクセスできる。まぁ、出入口1つ追加につき料金かかってくるけど。玄関の先に廊下をつけて、部屋の位置を決める。
ま、こんなとこかな?
最後に大きさを設定して……うん、間取りはこれで完成!
次にアイテムを選択する。
ん?なにこれ……畑扉?
えーと、この扉を設定すると自分だけの畑に行ける!?
ほうほう。これは面白そうじゃないですか。
風景的には家の周りと同じになるけど実際は別空間になってるみたいなので外から見られることはないらしい。家にも畑がついてるようには見えないので広い土地を用意する必要もない。
これは勿論つけましょう。
畑の広さは、まぁ、最初は1つでいいかな?狭かったら後で増やそう。1つは10m×10mの広さらしい。扉は廊下に設置。
キッチンもシステムキッチンにして冷蔵庫も置いちゃおう。そこに倉庫の入り口を設定。その他にもあったらいいなと思うキッチン用具を片っ端から選択。ハンドミキサーもつけちゃった!
リビングにはラグマットとソファーとローテーブル、それとクッションも置こう。
寝室は部屋いっぱいくらいの天外付きキングベッド。
宿屋と同じようにHPとMPが回復する仕様です。
1時間に1回使えるものにしました。これが一番rankが高いものです。お値段も高いですがMPは必要です。
あとはお風呂!
勿論露天風呂で、檜風呂にしました。
周りに玉砂利をひきつめ木を編んで出来たサマーベットも置きます。そこに野点のように傘で日除けにして、小さなテーブルを置き、花や草を生やす。視界は阻害しないようにね。
最後に地下室かぁ。
ここは一つの部屋に錬金術、道具、鍛冶の設備を一通り設置しておいて、もうひとつの部屋はまだ空けておく。倉庫の出入口となる戸棚は両方の部屋に1つずつ設置した。
よし、あとはアイテムの外装だね。
いろいろあるな。せっかくだし全部和柄で統一しよう。色は暖色系で揃えた。
部屋の中はフローリングで洋風なのに和柄で和風モダンな感じだ。
いい感じですね。
建物の外装は……これも洋風の家に和を混ぜて和モダンに。家の周りには柵を巡らせて、その入り口から玄関まで石畳を敷く。木や花や草を設置し完成!
わぁー!これはいい!可愛い!
えーと、全部でいく……ら……?
え?
7800000ギル
ん?
7800000ギル
いちじゅうひゃく……え?
こんなにするんですか?
どうしよう……でも今更削るのは悔しいし。
いいでしょう!稼ぎましょう!
これから暫くは商売ですかね?
「アイラさん出来ましたー!」
「お疲れ様です。ではこちらの建設書はお預かり致します。建設地が決まりましたらお声掛け下さい。その時料金は頂きますので」
「わかりましたー。またきます」
時間は……まだちょっとあるな。
不動産行ってみよう。