36★
★あとがきにイラスト掲載しております★
さぁ素材集めの時間ですよー。
そして多少モンスターと戦闘はあったがなるべくかわして、適度に素材を集めながら川に向かい釣りを楽しんだ。
鮎とニジマスが釣れました。
ここは町のなかと違ってモンスターに襲われる可能性もあるのでちょっとビクビクしてたが、まっちゃが警戒してくれてるので無事釣りをすることが出来たのだ。
でもやっぱり落ち着かないので早いけど街に帰ろうと道具を片付けているとき、突然コールがきた。
『やっほ~!ハナちゃん今暇?』
「あ、ニーナさん!大丈夫ですよー」
『この前依頼のあった刀ね、出来たから渡したいんだけど、今から大丈夫?』
おおー!
仕事が早い。楽しみだな!
「はい、でも今フィールドなので街に戻るまでちょっと時間かかっちゃいますけど」
『い~よ!どこら辺?』
「ウォルターニアの南にある森です。そこまで奥に行ってないので30分くらいで街に戻れると思うんですが」
『じゃ、1時間後にバザー広場で待ち合わせでどう~?』
「了解です!着いたら連絡します」
よし。早めに帰ろう。
まっちゃ、帰りも頼りにしてますよ。
まっちゃの索敵効果もあり待ち合わせの時間前にバザー広場に着いた。メールで着いた旨を知らせ広場の中央にある大きな木のところに移動する。
木の回りには芝生が広がっていて、この辺りは店が開けないようになっているようだ。座って休んでる人達が何組かいた。
私も木に背を預けまっちゃをこちょこちょしながらニーナさんを待つ。
「いたいた~!ハナちゃんお待たせ~!」
「全然待ってないですよー」
「じゃ、さっそく。……はい、見てみて!」
「ありがとうございます」
刀を手に持って鑑定してみる。
ーーーーーーーーーー
桜花刀
rankA
ER:classA 100%
STR+35
AGI+18
ーーーーーーーーーー
「な、なんですかこれ!?」
え?これやばくないですか?
ERとはEnduranceの略で耐久力を表している。
一番上のクラスがAで下がF、ランクと一緒だね。
クラスが上がるごとに耐久度が増すらしい。
耐久力をあげるには色々やり方はあるらしいんだけど、ほとんどが作る時に特定のアイテムを混ぜたりすることで上がるらしい。
作るものによって相性の良い素材があるようなので、このクラスをあげる素材を探すのも大変なんだって。しかも作る物のレベルによっては、合わせる素材が変わったりclassも変動するらしい。
classAにするのはかなり難しいって聞いたけど……。
あれ?ここにありますよ?
「いいできでしょ?刀の依頼少ないから熱中して作っちゃったよ~」
「ありがとうございます!これで私戦えます!」
「喜んでもらえて良かった~」
「あの、代金は?」
「そうだね、これだと1万ギルくらいかな?」
や、やばい。安いのか高いのかわからない……ニーナさんのことだから高くしてるってことはないだろうけど、安すぎたりしないよね?
「そんな不安そうな顔しないの~!ちゃんと適正価格だよ?」
もうここは信じるしかないよね。
「わかりました。じゃ、お代です。……あ、そうだ。ニーナさん防具買うのにおすすめの店知ってますか?」
「防具?いるけど……ハナちゃんって装備まだNPCのお店で買ったやつ?」
「そうなんですよー。今まで出来るだけ戦闘回避してたんですけど、そうもいかないし。いい機会だし買い物しちゃおうと思い立って」
たった今ね。だってあんな性能のいい武器持ってるのに防具がこんな紙性能って。ねえ?
「なるほどね。だったらいい子紹介してあげる~!ちょっと待ってね?」
そしてメニューをいじって誰かと話しだした。
コールの声は回りに聞こえなくなるので何を話しているのかは分からなかったけど。
あ、終ったみたいです。
「お待たせ~!今店にいるみたいだからこれから行くけど大丈夫だよね?」
「勿論です」
ニーナさんと連れだって街を歩く。
商業区にその人のお店はあるようだ。
ってかもうお店開いてるなんて凄くないかい?
「ついた、ここだよ~」
ニーナさんの後ろから店に入る。
「ルル来たよ~!」
「はーい!待ってましたー!お?君がハナちゃん?ヤバイ美人さんじゃん!いーねいーね!こりゃ飾りがいがあるじゃないの!」
やたらテンションの高い女の人が店の奥から出てきた。
……本当に大丈夫だよね?この人。
「あ~。こんな感じだけど腕は確かだから心配しないで~?」
どうやら不安がそのまま顔に出ていたらしい。
ニーナさんを信じましょう。大丈夫……だよね?
「は!?その腰に下げてるのって刀!?それニーナが作ったやつでしょー?うんうん、やっとあれが陽の目を見るときがきたんじゃない!?ちょっと待ってて!」
そして奥の部屋へと走って消えてしまった。
そして何かを手に持って走って帰ってきた。
「これとこれとこれ!あ、あとこっちもね!装備してみて!今!直ぐにー!」
「え?あ、は、はい!」
勢いに負けてとりあえずインベントリに収納して装備してみる。
きちんと名前を確認しなかったがまずは装備です。
一瞬ピカリと光って装備が一新される。
「おおー!似合ってる!いいねー!やっぱり刀っていったらこうでしょ!」
「おお~!ハナちゃん似合ってるよ!うん、やっぱりルルのとこつれてきて正解だった~」
え!?これってもしかして……。
「あ、あのー。どうなってるのか自分ではちょっとよく見えないのですが……」
「あ!ごめんねー!こっきてー」
ルルさんが全身鏡のところまで連れてきてくれたので、ようやくきちんと装備を見ることができた。
おおー!?なんだこれ!?可愛い!
そこには藍色の袴に赤紫の中振袖、白い足袋に赤い鼻緒の黒塗り下駄。そして髪はいつのまにかポニーテールにされ赤い布リボンで止めてあった。
そこには大正時代にタイムスリップしてしまったような格好の自分が写っていた。
「な、何ですかこれ!?すっごく可愛い!和服大好きなんですよー!」
「お?分かる口だね君ー!そうなの!和服はロマンだよね!?今はまだこの形しか作れないけどこれからもっとバリエーション増える予定だからよろしくねー!」
軽く動いてみたけど中振袖なのに全然邪魔じゃない。体の動きにあわせ、邪魔にならないように勝手に袖が揺れている。
鏡で動きを確認したけど動くと舞を踊っているようで華麗に見える。さらにこの下駄。今まで履いてたブーツより安定感あるっておかしくない?下駄とブーツなのにね。
シルバープレートは一緒に装備出来ないので外しておいた。
一応鑑定させてもらった。
ーーーーーーーーーー
中振袖(赤紫)
rankA
ER:classB 100%
VIT+20
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
袴(藍)
rankA
ER:classB 100%
VIT+15
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
布リボン
rankA
ER:classA 100%
VIT+10
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
下駄(足袋付)
rankA
ER:classB 100%
AGI+25
ーーーーーーーーーー
な、なんじゃこりゃー!?
え?普通なの?
これって普通なのかな?
いやいやいや、全部rankAってことは最高級って事でしょ?
耐久度も高いし……。
「これ、全部売ってくれるんですか?」
「勿論!私は作った物を似合う人にはどうにか着せたい!むしろ貰って!」
「いやいやいや!こんな良いもの貰えませんって!お金払うのでいくらですか!?」
「えー?……ま、いっか。じゃ、全部で1万ギルね」
「え!?安すぎません?だってほら、そこに並んでる盾1万ギルですよ?」
「いーのいーの!材料もそんな珍しいもの使ってないし」
「……じゃ、ありがたくその値段で買わせてもらいます。また買いに来ますね!」
「ぜひともよろしくねー!」
お金も払い無事防具も手に入った。ルルさんとフレンド登録して、お店でニーナさんとも別れた。
今回は時間がないのでこれでログアウトです。
何だか周りの人に凄く見られてる気がするけど気にしない。
この世界観に対してかなり浮いた格好してるのわかってますから!
でも和服好きなんだもん。気にしません。
ーーーーーーーーーー
name : ハナ
tribe : フェアリー
level : 26
HP : 350/350
MP : 300/300 (+20)
STR : 54 (+35)
VIT : 51 (+45)
AGI : 56 (+43)
INT : 18
DEX : 37 (+10)
LUK : 9
AP : 0
SP : 13
【スキル】
〈採取〉Lv.27〈鑑定〉Lv.31〈魔法陣〉Lv.28〈育成〉Lv.25〈採掘〉Lv.25〈刀術〉Lv.30〈二刀流〉Lv.25〈ステップ〉Lv.21〈回避〉Lv.16〈MP+〉Lv.10
[控え]
〈鍛冶〉Lv.9〈道具〉Lv.23〈料理〉Lv.21〈錬金術〉Lv.27〈釣り〉Lv.7
【称号】
フェアリー族の加護:DEX+10
【売買】
商人Lv.2
【装備】
武器:桜花刀 STR+35 , AGI+18
防具頭:布リボン VIT+10
防具上衣:中振袖(赤紫) VIT+20
防具下衣:袴(藍) VIT+15
防具鎧:なし
防具手:なし
防具足:下駄(足袋付) AGI+25
アクセサリー(最大6個):魔法陣ホルダー・使い魔の指輪
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
name : まっちゃ
tribe : グリフォン〈幼体〉
level : 24
HP : 430/430
MP : 310/310
STR : 15
VIT : 11
AGI : 11
INT : 17
DEX : 7
LUK : 5
AP : 0
【スキル】
〈回復〉Lv.23〈索敵〉Lv.33〈かみつき〉Lv.28
【装備】
アクセサリー:なし
ーーーーーーーーーー
あれ?最後にステータスみたらMPの増え方がおかしくなっていた。
何でこんなにプラスが多いんだ?
これは〈MP+〉の効果だよね。
アーツを見てみるとLv.10で《MP+10》というものが現れていた。説明を見ると、どうやらスキルのレベル+10の値がMPに加算されるらしい。
なるほど、これはいいですね!
この調子で増えていって貰いたいものです。
では今度こそログアウト。
友人の冬乃透花様より頂いたイラストを以下に記載しております。
透花様より何でもゆるせる方のみどうぞ、とコメント頂いております。
イメージを壊したくない方やイラストを見るのがお好きではない方は、お手数ですがページ上部より次の話へお進みください。
よろしくお願い致します。
ここからは許せる方のみで!
・
・
・
・
・
「おまたせ!はい、これとこれとこれ!あ、あとこっちもね!装備してみて!今!直ぐにー!」
「え?あ、は、はい!」
ピカリ
「おおー!似合ってる!いいねー!やっぱり刀っていったらこうでしょ!」
「おお~!ハナちゃん似合ってるよ!うん、やっぱりルルのとこつれてきて正解だった~」
「な、何ですかこれ!?すっごく可愛い!和服大好きなんですよー!」
「きゅきゅきゅぅ~!」
「まっちゃ似合ってる?」
「きゅっ!」
「本当に!?ありがとう!」
「じゃ、まずそこ立ってこっち向いてー!」
「え?はい、ここ、ですか?」
「うーん、いいよ!その困った顔もいいね!」
「は、はぁ……」
「はい、スクショ!ふぅ……いい絵がとれたよ!」
「え!?今、ちょっと!あの、消してください!」
「あ、フレンド登録しよう!そしたら送るから」
「あ、はい。フレンド登録お願いします。……ってそうじゃなくって!」
「ルルったら~。ごめんね、ハナちゃん」
「きゅきゅぅ~?」
イラスト/冬乃透花様