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本日2回目のログインです。
今回は露店デビューですよ。
前回遊びすぎて露店のことすっかり忘れてました……。
ということで、ウォルターニアへと戻って来ました。専用の広場があって露店開きやすいからね。
広場に行くと人がいっぱいでちょっと二の足を踏みます。が、勇気を出して進みましょう。
敢えて人気の無さそうなエリアを目指す。広場のはじっこの木の陰だ。一応広場の中だし、マットを広げればギリギリ目につくような所。
以前変な男に絡まれたので用心深く行くために、まずはある作業をします。マットを広げる前に木の陰でメニューを開き装備を加えます。
そう、昨日行われたイベントで日の目を見ることが出来なかった老婆の衣装です。イベントは終わっても衣装は残るみたいなんだよね。
全身を覆う黒のローブ、そして顔が見えない仕様の目深に被るへなった尖り帽子!なんと声もしゃがれた風に聞こえるらしい。
これで声を掛ける人なんていないだろう。
品物が売れなくなるかちょっと心配だけれども……。
まっちゃは残念ながら異空間でお留守番です。目立つし一目で私ってわかっちゃいそうだもんね。
よし、マットをひこう。
そこに座るとウィンドウが出てきた。
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商品の販売者を入力してください。
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そしてこの商人システムも凄い。
プレイヤーからアイテムを買うと誰々の店で買った、と言うように詳細画面に追記されるらしい。
商人としての名前を持ちたい人や匿名で売りたい人もいるので最初に登録した名前で売ることが出来るのだ。更に店を開いてその場にいる限りアイコンの横には登録した名前が記される。
が、この名前は誰にでも見ることが出来てしまうのでそこはちょっとマイナスだ。けど、今の私には十分だよね。
名前はもう決めてある。
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ラピス
キャラネームと違いますがよろしいですか?
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勿論YESですね。
この名前はラピスラズリからとった。
理由?ただ響きが好きだからですよ?
この格好には可愛いすぎる気もするけど、ずっと使うなら気に入った名前がいいよね。
そして商品を並べながら価格をセットする。
まずはポーション類だ。
価格は結局店とまんま一緒にした。
下げても良かったんだけど、変に文句言われたくないし。
rankAのものはその倍の価格をつけておく。
次に食べ物。
これは回りに合わせて安めに価格を設定して行く。でもrankAで揃えたから味は保証します!
よし、準備が整ったので開店だ!
マットにあるボタンを開店にする。
最初は準備中になっていてその間は他の人からは『準備中』という看板が立っているだけに見えるらしい。
で、店を開いてみたがこんなはじっこだしなかなか人がこない。
暇だな……あ、ここちょっとスペースあるし何か作っててもいいよね?取り敢えず錬金術セットだけ出してみる。これが一番小さいのです。自分用にrankAのポーション類が欲しかったのでこの機会に作ってしまいましょう。
《粉砕》してから、ゴリゴリ……ゴリゴリ……
「あ、あの~」
ゴリゴリ……ゴリゴリ……
「す、すいません!」
ゴリ……は!
「あ、ごめんなさい。集中してたわ……」
「あ、いや、このポーションが買いたいんですけど……」
「なん本ずつかな?」
「いや、この品質がわからないので教えてほしいんですが……」
あれ?鑑定持ってないのかな?
ってかなんかこの人びくびくしてない?
この格好そんなに怖いかな……。
「あぁ、こっちのがrankCで30回復、こっちがrankAで回復量は50だよ」
「ら、rankA!?」
「そうだけど?」
「まさか……本当なんですか!?」
「いや、嘘言っても仕方ないし。疑うなら買わなくていいけど?」
「いや、買います!全部売ってください!」
「え!?全部!?」
「えっとポーション類のrankA全部買います。いくらですか?」
「ちょ、ちょっと待って……」
今出てるポーション系は全部で4種類。
ポーション、ポイズンポーション、バーンポーション、MPポーションだ。
rankAの金額はMPポーションが1000ギルでその他が200ギルだ。で、各10本だから……。
「全部で16000ギルになります」
「じゃ、トレードしますね」
「はい」
トントン拍子に話が進んでお客さんは去っていった。
こんなに簡単に売れるもんなのか。
ま、売れたことは嬉しいことだよね。
じゃ、さっそくさっきの続きを……。
「すいません!」
「いらっしゃい」
「こ、このポーションとMPポーション10本ずつ下さい」
しゃがれた声にびびったのか勢いが削がれる少年。
「えーと、6000ギルです」
「トレード開きます」
「はい」
少年が帰ったと思ったら猫耳少女のご来店。
そこからポーションはひっきりなしに売れていった。
開始20分で完売です。
そんなバカな。
料理の方は売れてないのに……しくしく。
「いらっしゃいませー」
新たに来た客はポーション売り切れの札を見てがっかりしたようだ。代わりにたまごサンドを買っていってくれた。
と思ったら凄い勢いで戻ってきた。
「すいません、たまごサンドを5個下さい!」
「あ、はい。500ギルです」
そしてあれよあれよと言う間にこちらも完売してしまった。
あれー?
何があった?
今日の売り上げ59000ギルなりー。
なんか釈然としませんが、よしとしましょう。
今回はどうしようかな?
こんな早く売り切れると思ってなかったから余った時間で釣りでもしようかと思ってたのだ。
うーん。
素材集めでもいこうかな?
あ、ウォルターニアの隣のフィールドには川があったはず。今回は川釣りもしてみようかな?
よし、片付け終わり。
あとはこの変装を解くだけなんだけど……見られてる気がする。
見られてるよね?
……自意識過剰かなぁ?
ここで装備元に戻すのはよくないよね。
木を隠すなら森!ってことでこの格好のまま人混みに紛れる。広場から離れたところで、曲がり角を曲がった瞬間に変装を解きまた来た道を戻る。
角を戻ろうとした時、曲がり角から飛び出してきた男とぶつかった。
「きゃっ!?」
な、何だいきなり!?
「あ、ご、ごめん!ちょっと急いでて!」
そう言って男は走って行ったが、キョロキョロ周りを見回して落胆したように肩を落とす。
その男の行動を見ていたがパチと目があってしまった。
「あ、さっきはごめんね。……そうだ、君僕とぶつかる前に黒いローブを来た魔女っぽい人見なかった?」
「ま、魔女?NPCですか?」
「いや。プレイヤーなんだけど……」
「すいません、すれ違った気もするけどちょっとよくわかりません」
ここで変に見たとか言ったら面倒になりそうだし。
ちょっと情報収集。
「その魔女っぽい人が何かしたんですか?」
「いや、したようなしてないような?」
え?どうゆうこと?
「僕はその人探しに行くから興味あれば掲示板見てみるといいよ」
そう言って男は走って行ってしまった。
え?本当どうゆうこと?
そのまま街の入り口へむかい、門の近くで壁に寄りかかりながら掲示板を確認する。この街は広いので広場まで戻ってると街の出入りが大変なのだ。
掲示板でさっきの人が言ってた『魔女』で検索すると『魔女のお店』というスレがたっていた。
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『魔女のお店』を語るスレ
1.ビヨン
ここは魔女のお店について語るスレです。
商品情報・目撃情報お待ちしてます。
2.メリア
え?魔女って何?
3.ビヨン
今日ウォルターニアのバザー広場で魔女っぽい格好した人が大量にポーション売ってたんだよ。
因みに内訳。
ポーション
ポイズンポーション
バーンポーション
rankC各100ギル
rankA各200ギル
MPポーション
rankC500ギル
rankA1000ギル
あと料理も売ってたけどそっちはよくわからない。
4.メリア
は?何それ?
5.ビヨン
まぁ、行けばわかる。
6.ニャン
そう、行けばわかる。
7.ニシ
うむ、行けばわかる。
8.メリア
何か増えてるんだけどwww
9.ビヨン
まさかこんなに早く同志が現れるとは……
10.ニャン
次こそrankAゲットだにゃ!
11.ニシ
おー
12.ロイ
お前ら自重しろ!俺の分も残しとけよー!
13.メリア
な、何が起きてるんだ!?
14.ロイ
そしてお前らはまだ知らないだろ?
魔女さんのこの味を!
たまごサンド旨すぎて半端ねーかんな!
15.ビヨン
〉14
ガタッ
16.ニャン
〉14
ガタッ
17.ニシ
買ってきたww
やべぇ、ぱねっすww
食べなきゃ損
18.ロイ
ふふふ、そうだろう?
19.ニャン
売り切れてたにゃ……
20.ロイ
ま、俺の後も何人か買い込んでたしな。
21.メリア
ねーねー広場のどこー?
22.ロイ
左側の木が生えてるはじっこの方。
23.メリア
誰も居ないし、何も無いんだけど……
24.ロイ
(´・ω・`)
25.ニシ
(´・ω・`)
26.ニャン
(´・ω・`)
27.メリア
ちょ、その可哀想なもの見る目やめてー!
28.ロイ
そういや1のやつどこいった?
29.メリア
え?無視?無視ですか?
30.ニャン
さっきから1のやつ反応がないにゃ?
31.メリア
おーい!私はここよー!
32.ニシ
1のやつ放置して落ちたのか?
33.メリア
こっち!放置しないで!
34.ビヨン
ただいま
35.ロイ
>34
どこいってたんだ?
36.メリア
うう……もういいよ……
37.ビヨン
魔女さんをつけてました
38.ロイ
え?つけてた?
39.ニシ
尾行?
40.ニャン
ストーカー?
41.メリア
へ、変態や!変態がおる!
42.ロイ
>37
で、どうだった?
43.ビヨン
途中で居なくなってしまった……
女の子とぶつかった拍子に見失ってしもーた
44.ロイ
>43
変態w
45.ニシ
>43
変態ww
46.ニャン
>43
変態www
47.メリア
>43
変態wwww
47.ビヨン
いや、偶然だから!
わざとじゃないから!
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そこまで読んで静かに掲示板を閉じた。
うん、変態さんには気を付けよう。
取り敢えず喜んでは貰えてるみたい?なのでよしとしましょう。