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本日1回目のログイン。

今日はサティア様の試練をクリアしたいと思います。

1回目はあまり時間がないので、世界樹図書館に行って魔法陣を覚えて来ようと思う。




「ようこそいらっしゃいました。はじめまして、シュンランと言います。よろしくお願いします」


「ハナです。お願いします」


なんだか神々しい雰囲気を持った女の子です。私と年も変わらなそうなのにこの違い。


「……はい、何とかハナさんは条件をクリアしているようですね。では手をお出しください」


「条件、ですか?」


魔導陣のレベルのことかな?


「はい。スキルレベルは限界まで上げていただく事は勿論なのですが、その他にもINT150以上、高位種族レベル30以上という条件があります」


ま、マジか。

皆にレベル上げ手伝って貰って良かった。自分1人じゃいつになってたかわからないよ。


「では手を」


「お願いします」


「グローイング」


ふっと魔法陣が現れ、すっと手の甲に吸い込まれていく。ピカリと光ったので無事完了したらしい。


「おめでとうございます。これで『リバース』という魔法陣が使えるようになりました。これは戦闘不能になってしまった仲間を復活させる事が出来る魔法陣です。有効にお使い下さい」


「ありがとうございます!」


やった、これでこの前みたいに距離が離れていても蘇生する事が出来る。

魔公樹との戦いで悔しい思いをしたので、これはかなり嬉しい。


「ハナさん、魔法陣の試練クリアおめでとうございます。これからは己の力で魔法陣の技術を高めて下さい。もうご存知かと思いますが、ハナさん自身で魔法陣を組むことが出来ます。色々試してみてください。最後にこちらは試練クリアの証です。お受取りください」


そしてシュンランさんの手から光が溢れ、私の身体をふんわりと包んだ。


----------


称号を手に入れました

【魔法陣を極めし者】

魔法陣威力1.5倍

INT+10


----------


「ありがとうございます!」


わぁー、これは凄いね。

魔法陣の威力アップはかなり嬉しい。


「ではこれからも精進してください」


そして視界は暗転、気づくと入口の部屋に戻されていた。

クリアすると称号が貰えるのかな?リバースポーションと合成の練習して早く錬金の方もクリアしたいな。


うーん、もうちょっと時間あるのでサティア様のとこ行ってみようか。


「転移」






サティア様の家へ着くとまっちゃを召喚してドアをノックする。


「あら、ハナちゃんいらっしゃい。……どうやら世界樹の試練をクリアしたみたいね。うーん……ま、いいわ。上がって頂戴」


「お邪魔します」


ん?

サティア様の試練基準って違ったのかな?


リビングに通されお茶を出される。

カップの中にお花が沈んていてすっごく可愛い。飲むと仄かに花の香りがしてほっと和む。


「さて、と。ハナちゃん、あなたはもうほとんど条件をクリアしているのだけど、あと1つ足りないものがあるの」


まったりしていると、サティア様がマドレーヌを持ってやって来た。まっちゃは取り分けて貰ったそれを美味しそうに食べている。


「もう1つですか?」


「そう、合成よ」


「……まさか10個」


「そのまさか。10個を失敗しないで出来るようにならないと私の試練は受けられないわ」


そうか……これは結構難題だ。

まず10個の合成パターンを私は2つしか知らない。しかも合成材料を用意するのに時間もお金もかかる。


「ふふふ。浮かない顔してるわね?うーん……ハナちゃんには他の依頼も受けて貰ったし、とっておきのヒントを上げましょう。ハナちゃんはルートの無の花の試験をクリアしたのよね?」


「はい」


確かに10個合成の1パターンは無の花だ。わかってはいるけど、結構大変なんだよね。


「ルートからハナちゃんに古の可能性をみたと聞いたわ。でもまだまだ威力は小さいもの。その威力を上げられればこの先きっと役に立つわ」


「威力……あ」


rankAで作った無の花は確かに攻撃力がついていた。その威力はやっぱり上がるんだ。


「そこでヒントなのだけど、ハナちゃんのものに足りないのは花の力。それが強くなればもっと強い無花薬が作れるわ。そうすればおのずと無の花の威力も上がる。……頑張ってね」


それって……。


「ヒントありがとうございます!また来ます!」


そしてまだ残るお菓子を見て名残惜しそうにしているまっちゃを抱えてホームに戻る。


サティア様のヒント。

それは合成10個のヒントだったはず。いつの間にか無の花の話になってたけど、つまり無花薬を作る過程で10個の合成をする必要がある、という事。

そして花の力が足りない、と言っていた。


ここから導き出せる答えは1つ。


「合成」


ピカリ

----------


屑(失敗作)


合成に失敗した成れの果て


----------


「やっぱり!」


無花10個を使って合成を試したら、成功した。出来たのは相変わらず屑で何が出来るかはわからないけど、これで合成10個もすぐ出来るようになりそうだ。


無花で出来たという事は、他の花でも出来るのではないか?


試しに火花で試すと、こちらも屑が出来た。


よし!


無花はまだ数が多くないので助かった。

MPトップポーションと花シリーズを取り出しておく。


準備は万端、時間の限り合成だ!




----------


火華

rankA


古の華


----------


なんだか凄そうなの出来た。

これで火の花を作れるのだろうか?







本日2回目のログイン。


「こんにちは!」


「あら、ハナちゃんもう出来たの?」


「はい。サティア様のヒントのお陰でバッチリです」


前回のログインでひたすらMP回復して合成の練習をした。途中からまっちゃ達にも手伝って貰って進めたのでスピードアップ。そのおかげもあって2時間くらいで10個の合成を失敗する事なく出来るようになった。


「よく頑張ったわね。じゃ、最後の試練よ。ハナちゃんにはこの守護石を作って貰うわ。まずは……はい、これで幻夢石のアイテム化はできるはずよ。ちゃんと合成出来るようになってきたからご褒美ね」


----------


クエスト

『守護石作成お手伝い』

クエストを受けました


報酬:【称号】世界に認められし魔女、守護石の販売開始


クエスト出現条件:〈錬金術師〉Lv.☆、〈魔導陣〉Lv.☆、合成成功率100%、魔法陣リバース取得、ルートの依頼完了


----------


「材料はこっちの部屋に用意してあるからお願いね」


「わかりました」


さくっと作り方を教えて貰って工房だと思われる部屋へと案内される。


では作っていきましょう。

まずは魔法陣を刻印する幻夢石、というものを作らなくてはならない。

材料は、ストーン、神石×4、ポーション、MPポーション、幻夢の花、玄夢の種、幻夢の実の10個。

幻夢系アイテムはこの迷いの森で手に入るもので、私もいくつか持っている。


「合成」


----------


幻夢石

rankC


神々しい魔力がこもった石

幻を見せ惑わせることがある

錬金術に使われる素材


----------


よし、成功だ。真っ赤な石が出来上がった。

ここに魔法陣を刻印、と。

リバースがMP100でアイテム化がMP50も使う。今までとはちょっと違う。


「《リバース》刻印、《アイテム化》」


すると色が少し薄れてピンク色の石が出来上がった。


----------


守護石

rankC


1度だけHPが0になった時リバースが発動する

その際HPMPが30ずつ回復する

※待機時間30秒


---------


おお……これは便利。

魔法やお薬なしで生き返るってこと?

しかもその際HPMP回復してくれるってことでしょ?この回復量は合成に使ったrankCのポーションとMPポーションの回復量と同じだ。つまり合成に使う時のお薬を変えれば回復量は変化させることが出来る、ってことなのかな?


それと待機時間って何だろう?

生き返って直ぐに行動とれないって事なのか……。


あとでサティア様に聞いてみよう。


さて、守護石は100個作らなくちゃいけないからどんどんいきますか。

あ、まっちゃ手伝ってね?1人だけお菓子食べに行こうとしてもだめだからね?




その後2時間かけて全部の守護石を作りあげた。

途中MPトップポーションがなくなってしまったので時間短縮で作りながらの作業だったので結構時間がかかってしまった。

守護石を作るのに、1個にMP250も使うんだもん。今の私のMPでは5個作っただけでMPはすっからかんになってしまう。

なのでお薬を飲んでは合成、刻印、アイテム化の繰り返し。時間短縮で作ってるからお薬の回復量は800。3個作ればまたお薬を飲まなければいけなくなる。

いや、ゲームで良かった。あんなに水分飲んでもお腹タプタプにならないもんね。


「サティア様出来ました!」


「お疲れ様。……うん、よく出来てるわね。さて、ハナちゃん。これであなたはこの守護石を作れるようになったわ。さて、ハナちゃんはこれで魔女として認められるわけだけど、魔女になったらどうしたい?」


「どう……ですか?」


「ええ、何でも思ったことを教えて頂戴」


今までこんなこと聞かれなかったけど、これも最後の試練だからかな?


「思ったこと……そうですね。まずは弟子をとってお店を開いてお金を稼ぎたいですね。あとはお薬の改良とか。この守護石も合成するアイテムを変えたら回復量を変えたものが出来るんじゃないかなってさっきも思いましたし」


「……そう。ふふふ、正直な子ね。お金稼ぎの部分はまぁいいとして、魔女とは追及し続ける者。その心がなければ魔女となっても何も変わらないわ。ハナちゃんの今後に期待するわ」


----------


クエスト

『守護石作成お手伝い』

クエストをクリアしました


報酬:【称号】世界に認められし魔女、守護石の販売開始


----------


「それにこれで守護石を売りに出せるわ。最近他の依頼で手が離せなくて作る暇がなかったのよね。助かったわ」


「こちらこそありがとうございました!まずは弟子探しから頑張ります」


「この世界にハナちゃんの弟子となれる人が絶対いるわ。見れば一目でわかるから、見つけたら手放しちゃだめよ?それにあなたの魔女として実績を積めば弟子を増やすことも出来るわ。何か困ったことがあったらいつでもいらっしゃい」


「はい!頑張ります!あ、あと最後に聞きたいのですが、守護石の待機時間って何ですか?」


「あぁ、あれは次アイテムが使えるようになるまでの時間よ。すぐにポーションとかで回復は出来ないのよ。だから使う時は気を付けてね?」


「わかりました。ありがとうございました」


そしてサティア様に別れを告げホームに転移。

明日はクオのお店を手伝う予定だし、船造りはどのくらい時間かかるかわからないのでお手伝いが終わるまでは取りあえずお金を稼ごうと思う。


ということでさくっと商品を時間短縮で作成。

素材を買うお金もないからまずは稼がないとね。

その他にも少なくなってきた食べ物をキッチンへ行って補充。

売るようにもサンドイッチを作ってみた。

今日はちょこっとテレビで見たモノを真似して、トロトロ卵焼きを挟んだサンドイッチだ。思った以上に熱が入って時間がかかってしまったけど、かなりいい出来。

卵はクオから買ったrankAの卵。好みは分かれるかもしれないけど、私的にはかなり美味しく出来たと思う。

そして時間も無くなってきたので、そろそろラピスに変身してウォルターニアへ行こうかな。


「お留守番よろしくねー」


「きゅっ!」


「ららら~」


「らららー!」


お菓子を置いて転移をする。

よし、今日も稼ぎましょう。





「ありがとうございましたー」


「ラピスさん、また来ますね!」


ふう、これで今日は完売かな。

屋台をたたんで転移台へと向かう。


市場を歩くと色んな人から声をかけられる。

それに答えながらもバザーの出入り口へと向かう……のだが。


なんだか視線を感じる。


ばっと振り向くが特に変わったこともなく。

そこには何の変哲もないバザー風景があった。いや、人がいすぎてなにかあっても私にはわからないだけかもしれないけど。


んー……変だな。


そのまま歩いて転移台に行くまでその視線は追ってきた。

自意識過剰?

でも、なんていうか違和感があるんだよね。


とりあえず今日は時間もないからとっととログアウトだな。





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