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そして次に気づいたのはサティア様の貸してもらっている部屋だった。

はっとステータスを確認するとまっちゃは再召喚できるまでのカウントダウンが始まっていた。自分のも確認するとステータスが軒並みダウンしている。

死に戻りしてしまった。


はっと気づき部屋を出る。

そこには苦い顔をしたヒメが立っていた。


「ごめんなさい、勝てなかったわ」


「こっちこそごめん。全然役に立てなかった」


「ちょっと3人で挑むのは無謀だったようね。戦った感じ最低でもLv.30はないと厳しいと思うの」


「30……私今Lv.24だ。昨日今日で2も上がったのに……全然足りない」


迷いの森にきて結構な数戦ってるからこの短期間で2もレベルが上がったんだけど、全然足りないわ。


「そう……レベル上げね」


「へ?」


「ハナ」


「え?」


「あなたのレベルを30まであげて最挑戦よ!」


「は、はいぃぃ!」


ヒメにがしっと肩を掴まれ鬼気迫る顔で告げられる。

戦い嫌い、なんて口が裂けても言えそうにありません。


「それでもこの3人で受けるのは厳しいわね。何人か助っ人を呼ばないと……」


「あ、それならうちのクランメンバーにお願いするよ。ヒメも知っている人だし。レベル的にも問題ないはず」


「え?そうなの?そうね……ハナのクランメンバーならハナのことも分かっているだろうし安全かしら」


あ、確かにこの迷いも森はまだ知られていない場所だから変な人には頼めないもんね。でもあの2人なら大丈夫だろう。


「昨日までログイン出来ないって言ってたけど、今日はいるはず……あ、ログインしてる。ちょっと待ってね」


メニューをいじってヤトにコールを繋げる。


『……お?ハナどうした』


「あ、ヤトごめん、今大丈夫?」


『おお、今ホームでクオに菓子お願いしてんだ』


「あ、じゃクオもいるんだ。いまからそっちいっていい?もう1人いるんだけど……」


『いいぞー。クオにも言っとく。ん?もう1人?』


「それは会ってからのお楽しみね。じゃ、行くね!」


『おおー』


そしてコールをきる。

コールの声は周りには聞こえないはずなので、ヒメには聞こえてない。

なのでまだ誰と話していたかはわかっていないはず。


「お待たせ!今2人ともログインしているみたいだから今からうちのクランホームにヒメを招待しようと思うんだけど」


「ありがとう。その2人が手伝ってくれるかもしれない人でしょ?是非お願いしたいわ」


「よし、じゃぁ転移するよ」


転移石を使ってクランホームへ転移する。

パーティーを組んでいるのでヒメも一緒に転移だ。

さて、どんな反応かな?






「な!?ヤト!?」


「おー!?姫様じゃん!なに?ハナの連れって姫様だったの?」


「ちょっと、その姫様っていうのやめてくださらない?」


「わりぃ、ヒメの反応が可愛くって」


「なっ!?」


にししと笑っているヤト。顔を真っ赤にして口をぱくぱくするヒメ。

……ヤトの気持ちわかるわ。


「ヒメ?いらっしゃい」


「クオ!?ご機嫌用。今日も可愛らしいわね」


ウフフと笑ってクオの頭をいいこいいこと撫でるヒメ。

クオも嫌じゃないのか目を細めてされるがままになっている。


「よ!ハナが連れてくるのがまさかヒメだったとはな」


「びっくりした?」


「いや、マジびっくり」


なんだか悪戯が成功したようで楽しくなってしまった。


「お菓子できる」


一通り堪能したヒメは満足そうにクオと一緒にやってきた。


「ヒメも座って」


「あ、クオ手伝うよ」


そして私はお茶を用意する為キッチンに向かった。

ヤトとヒメだけにして大丈夫かな?……大丈夫だろう。


クオと一緒に準備をしてリビングに戻ると楽しそうなヤトと眉間にしわの寄ったヒメがいた。……大丈夫だったかな?


「それで何かあったのか?まっちゃもいないし」


お茶とお菓子を配り終え私とクオも席に着く。


「実はね、今あるクエストを受けてるんだけど、さっき戦闘で死に戻りしちゃって。まっちゃはまだ再召喚出来ないの」


「まじか。ヒメがいて勝てないって……かなり強いな、そいつ」


ニヤリと笑ったヤトは戦闘モードに入ったのかワクワクしている。


「3人じゃ倒せそうにないから2人にも手伝ってもらおうとお願いしたくて来たんだけど……手伝ってくれる?」


「勿論手伝うにきまってる!むしろ手伝わせてくれ!」


「おけ」


「ありがとう!あ、でもその前にね……」


「その前にハナのレベル上げが必要ですわ」


私の言葉に被せるようにヒメが告げる。

いや、そんなはっきり言うと。


「……ハナ、お前」


「……ハナ」


「だ、だって……」


やっぱりー!そんな顔で見ないでー!

クオは私が山に籠ってたこと知ってるよね?しょうがないよね?そう視線を送ると。

あ、目そらした。


「ハナって今レベル何だっけ?確か……前一緒に戦った時は22くらいだったよな?」


「……24、です」


「……あれって半月前くらいだよな?」


「ハナ……この2日間で2レベル上がったってさっき言ってなかったかしら?」


あぁ……ヒメも加わってそんな残念な子を見るような目で見ないでください。

戦ってすぐ1あがったからちゃんと経験値たまってたもん!それに山籠もりしてたんだもん!


「よし!そうと決まればレベルあげだ!クオももうちょっと上げといた方が安心だもんな」


「よろ」


クオは現在Lv.28らしい。確かにもうちょっとあったら楽になるな。

因みにヤトがLv.33、ヒメがLv.32だそうだ。


どうやらフェアリーの里にある神樹がLv.30くらいで突破できるくらいだったらしい。なのでそこをクリアした2人は当然30を超えているらしい。

でもそのボスと同レベルって魔公樹ってかなり強い?

そりゃヒメ1人が強くても倒せないわけだ。


レベル上げは私がLv.30を超えるまで続くらしい。

ヤトとヒメは35を目標に、クオは30と設定していた。


でも私が30を超える頃には皆更に上のレベルになってる気がする。


「ヒメ、強引に連れてきちゃったけど、この2人助っ人でよかった?」


今更な気はするけど確認は大事だよね。


「ええ。クオは文句なしですし、ヤトは性格に難はあるけれど実力は認めているから問題ないわ」


「難ってなんだよー難って」


「言葉通りでなくて?」


うーん、喧嘩するほど仲が良いってことかな?

言い合ってはいるが険悪な雰囲気ではない。どちらかというとお互いじゃれ合ってる感じ。


メンバーに問題もなさそうなので、ヤトとクオにも迷いの森の事を話す。


「「さすがハナ」」


2人とも目を輝かせていた。

ヤトは強い敵と戦えることに、クオは新たな採取アイテムとの出会いに。


今日のところはヤトとクオをサティア様の家へと案内して終わりにした。

始めていくところはホーム等特殊施設を除いて転移でも連れていけないのだ。


迷わずの陣を発動させて森へと入る。

いつもはヤトが戦って後ろで採取、といった形なのだがメインは私のレベル上げ。進みながらもヤトがスキルで集めるモンスターと戦いまくった。まっちゃも途中から参戦し、ガンガン戦っていく。サティア様の家に着くころにはボロボロになっていた……主に私の精神が。


お蔭でレベルは1あがったけど先はまだ長い。

それに魔道陣のレベルもあがり、やっとLv.50を達成。


〈魔導陣〉

ーーーーーーーーーー


レベル上限に達しました。SPを使い免許皆伝を取得しますか?


→魔導陣Lv.☆(SP35)


ーーーーーーーーーー


かなりのSPをもっていかれるが、この時の為にためておいたのでYESを選択。

どうやら自分でオリジナルの魔法陣を作れるようになったようだ。

作るには色々ルールを決めたりしないといけないのですぐ出来るというものでは無い様だが面白そうだ。落ち着いたら試してみたい。……いつ落ち着くかはわからないけど。


今日は時間も時間だったのでここでお開き。

明日は金曜なので21時に集合で土日は1日がっつりレベルあげの予定だ。

ヒメとクオは何やら予定があったようだが、調整するといっていた。

私も出かける予定があったが、ログイン予定時間に被らないので大丈夫そうだった。良かった、私がいないと意味ないヤツだし。


さぁ、明日からの地獄の特訓を頑張りましょう。








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