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「おっ!釣れた!」


「何?」


「えっと、今度はブルーソルトだって。え?これ魚?塩?」


「焼く」


「よろしくー」


白い鱗のついた青い魚をクオに渡す。

現在港にあった漁船より大きな船で別大陸へと移動中です。

甲板の先端でヤトは船乗りさん達に囲まれながらモンスターをなぎ払っている。船乗りさん達やることなくて棒立ちだけど。


そのまた後ろで釣りをする私と、簡易調理道具で魚を焼くクオ、まっちゃはクッションでお昼寝です。


焼けた魚は船乗りさん達におすそ分け。

同乗したプレイヤーがいなかったので必然的に上げるのはNPCしかいないんだよね。


あ、またきた!


「よっと!」


「ハナ凄い」


「ま、スキルのお陰だね。……ん?クッキーボーンフィッシュ?」


釣り上げたのは見たことない、魚?でいいんだろうか。

よくマンガなんかで見る魚の骨が釣れた。

ピチピチはねてるからこういう魚なんだろうと思うんだけど。


「クオー、何か変なの釣れた」


「!?」


クオはこちらを見て目を見開き、その変な魚に飛びついた。


「ハナ、凄い!かなりレア!」


おおー、興奮してる。


話を聞くと、何処かに『お菓子な海』と呼ばれる海域があるらしい。まだ発見されてないんだけど、そこはお菓子のような魚ばかりが住む海なんだとか。

今まで捕まったお菓子な魚達はその海域から出てしまった極わずかなモノたちで、この魚もそうだろうということ。


「クオ食べたことある?」


「ない」


「よし、食べよう。クオ焼いて貰える?」


「いいの?」


「勿論!」


売ればそれなりの値段になるらしいけど、せっかくだから食べてみたい。


「まず砂糖」


あ、塩じゃないんだ。

クオはさかなを洗って砂糖をすり込む。

鱗はないから取らなくていいのは楽ちんだね。


「焼く」


「それでいいの?」


「シンプルが一番」


暫くすると香ばしい甘い香りが漂ってきた。


「良いニオイ!」


あ、ヤトが釣れた。

なーんて。

ニオイにつられて一段落したヤトがやってきた。


いつの間にかまっちゃも起きてお座りしてる。


「出来た」


「「おおー!」」


「きゅっ!」


皆でとりわけいざ実食!


「美味しい!」


「うまっ!」


「きゅきゅー!」


「……よかった」


ヤバイ美味しい!このクッキー!

いや、魚か。


でもこれはクオの料理の腕があってこそだよね。でもこの魚凄いね。いつかお菓子な海見つけに行きたいな。


そう思えるくらいに美味しい魚でした。


「陸が見えたぞー!」


結構前に日も落ち、ついに東の大陸に着いたようだ。今日はこちらの港町ポルツからボス前のセーフティーエリアまで進んでログアウト予定。


さ、もうひと頑張りしますかね!





次の日のログイン。

今日は夕方ログインできなかったので夜からのログイン。


ログインするとクオとヤトが既に来ていたようでご飯を食べている。私もサンドイッチをもらって出発です。


草原を進んで行くとボスのエリアに着いたようだ。


先ほどサンドイッチを食べながらボスの注意は聞いたので後は戦うだけ。

お薬でドーピングして挑戦です。


エリアに入るとすぐ体の自由がきかなくなる。

ヤトを中心に道を歩く。


するとどこからともなく地響きが。

立ち止まり辺りを警戒するも、特に何も見つからない。


しかし揺れは収まらず、ついに足元の地面が爆ぜる。


と同時に現れたのは。


Mooooooooooooooooooooooooooooogyuuuuuuuu!


「離れろ!」


「了解!」


「おけ」


現れたのはつぶらな瞳の巨大土竜さん。

なんかやたらデフォルメされててめっちゃかわいんですけど。


土竜さんは一声なくとまた地面に潜り辺り一帯に穴を空けていく。

それに巻き込まれないように出来るだけ中心から離れる。

穴は最初の穴を中心に広場一帯にあくのだが、ボスエリアの一番外側にまではあくことがないらしい。

なので一通り穴があくまで外側で待つ必要があるよう。

穴に落ちると土竜の巣穴で戦うことになり相当辛いらしい。

巣穴の中では土竜の戦闘力やスピードがあがるのか逃げてもすぐ追いつかれて潰されるんだって。

しかも上に戻ってくるのはほぼ不可能なので落ちたらアウトらしい。


今回のとりまきはリトルモグという大型犬くらいの大きさの土竜。

リトルじゃないよね?

まぁ、ボスの土竜にくらべれば小さいけどさ。

ボスは5mくらいある。


ま、ここらへんはどこのボスも一緒だよね。


とりまきはリトルモグ1種類しか出てこないんだけど、数がいつもより多い。いつものとりまきの倍いると思う。穴からのしのしと出てくるリトルモグを見ながら私はまっちゃに乗って空に飛びあがる。


「ハナ!頼むな!」


「よろ」


「頑張るー!」


今回の一番やっかいなところは土竜さんがどの穴から出てくるかわからない、ということ。

リトルモグはいたるところから這い出して攻撃してくるのでそれに気を取られていると後ろからガツンとやられてしまうらしい。しかも土竜さんは攻撃するとすぐ穴に潜るので気づいた時にはもういない、ということがほとんど。


ここで空を飛べる私達の出番、というわけです。


空からならどこから出てくるかはわかりやすい。

1発あてれば暫くその場で攻撃を繰り返すので、その間にヤトとクオが攻撃する、という作戦だ。


私はひたすら上空から魔法陣をうちまくるという感じです。


お、きた。


「ライトアロー!」


Mogyu!


よし、あたった!

打ちまくれー!


土竜さんは光属性が弱点らしいのでこのチョイス。

アロー系なのは一番速度が速いからだね。

穴に帰られる前に1発当てないと。


「ライトボール!」


そして今は魔法陣しか使えないので一番クールタイムが短いボール系魔法陣でごり押しです。



攻撃を与える度に土竜さんのスピードはあがっていく。

もうね、本当に土の中移動してるのかって速さで穴から出たり入ったり……。


リトルモグを倒しきった2人は私があてるまで攻撃できないから早く当てなきゃー、と焦って外しました。


「早い、早すぎるー!」


「ハナー!ファイトー!」


「がんばー」


うぅ……次こそは!




Momomomomomomogyuuuuuuuuuuuu!


「やった!」


思わず声を上げてしまった。

いやー、辛かった。


最後はどうしても当たらなくて何回はずしたことか……。

いや、本当あの速さはどうかと思うよ?

しかも最後は分身したのか偽物まで現れるしまつ。

ダミーに翻弄され本体にたどり着くまで相当時間を使ってしまった。


終わって本当に良かった。


ーーーーーーーーーー


YOU WIN


土竜を撃破しました

魔穴道の使用が可能になりました


報酬 SP8


ーーーーーーーーーー


「おつかれぃ!」


「おつ」


「うー……時間かかってごめんね!」


まっちゃから降りて2人のもとへ行く。


「まぁ、ここは人数いれば楽にクリアできるようなボスだからな。この人数でやるなら上出来だろ!」


「ハナ、頑張った」


「それより今日はあと2体ボス攻略だからどんどん行くぞー!」


「ハナ、早く」


「2人ともありがとー。待ってー!」


「きゅっきゅっきゅ~」


まっちゃ、しっかり掴まってないとないと落ちるよー。

っていうか自分で飛んでくれないのね。

ま、今回はまっちゃも頑張って飛んでくれたしちょっとは楽させてあげよう。



そして草原を暫く行くと魔族の里についた。

ここも転移台直行で今度はフェアリーの里に飛ぶ。


あと残っているのはフェアリーの里とエルフの里。

この2つ、実は魔族とはまた別の大陸にあるらしい。


ウォルターニアから西に向かうとポルトという港町に着くらしい。

そこから船に乗って西の大陸にあるポルタという港町に行き、北に行くとフェアリーの里、南に行くとエルフの里となる。

私はフェアリーの里なら転移出来るので今回は船旅はショートカットしてフェアリーの里から南下することとなる。


フェアリーの里を出て少し行くとすぐにボスエリアだ。

ここのボスはレイス。とりまきは色とりどりの悪戯妖精達。色は属性を現しており、今回はパーティー人数関係なく9体だけ出てくる。


レイスは半透明の巨大なお化けみたいなモンスター。

薄ら顔があり、ちょっと怖い。


Kyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!


甲高い叫び声で戦闘開始です。


「1人妖精3体な!まっちゃはレイスにひたすら風魔法!」


「わかった!」


「りょ」


「キェー!」


私の担当は赤と白と黒。

赤は火属性で白は光属性、黒は闇属性だ。


私は技術はないし1体1体確実に倒すしかないね。


ということでまずは赤い子から行きましょう。


「ウォーターボム!」


火に強いのは水。

あとはひたすら斬って斬って斬りまくれー。


「ウォーターボム!」


白の子と黒の子にはあんまり効いてないけど、余波で少し遠ざけられるので今回は一番威力の高いボム系魔法陣で攻撃です。


「《一閃》!」


クールタイムの短いアーツも使って行きましょう。




よし。

次は白の子!

結構赤い子倒すのに結構手間取ってしまった。

同時に白と黒の子にもダメージ与えたから次は少し楽に倒せるといいな。


光属性の子には闇属性で、闇属性の子には光属性で応戦です。

光と闇は反発する属性だからお互いが弱点属性となる。


赤い子と同じように後の2体の悪戯妖精も無事倒すことが出来た。


既にヤトとクオはレイスに向かっている。

私も加勢と行きますか!




Ryuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!


無事レイスも倒しきりました。

これだけボスを倒して回っているからかレベルも少しは上がったようで、倒すのがちょこっと楽になった気がする。


今回のレイスはどちらかというと悪戯妖精の方が面倒なのでそこまで苦も無く倒せた。

悪戯妖精達は魔法が効きやすいのだが、弱点属性は全部で9属性も必要なので倒すのに苦労するらしい。

まぁ、物理攻撃も効きが悪いだけでダメージは与えられるのでごり押しも出来るんだけどね。


そしてレイスは物理攻撃は一切効かないので魔法が使えないと倒せない。ただ、魔法攻撃があればわりと簡単に倒せたりする。


レイスのHPが減るにつれ多少攻撃法も変わっていくが離れたところから魔法陣打ちまくって倒しました。


なんとヤトもこのボスをきっかけに火魔法のスキルをとっていたらしくバンバン攻撃していた。

ついに魔法にまで手を出してしまったのね。さすがヤト。


ーーーーーーーーーー


YOU WIN


レイスを撃破しました

妖魔道の使用が可能になりました


報酬 SP8


ーーーーーーーーーー


「よし、これであと1体だな!」


「いこ」


「レアドロップ出なかった……」


「それはまた今度!ほら、行くぞ!」


「あ、待ってー」


私が狙っていたレイスのレアドロップは、水色の星型に光る線が入った石。

蒼輝玉っていうんだって。

絶対手に入れてやる!






そこから南下して一度ポルトの町で休憩。

そしてさらに南下していく。


本当はフェアリーの里から迷いの森をつっきって行けば早いのかもしれないけど、抜けれる保証は全くないので迷いの森を迂回するように南下しなくてはならない。


なので結構時間がかかる。


モンスターは気にせずにヤトを先頭にボス目指して走り続けた。

ヤトが襲ってくるモンスターを投げ飛ばしていくので、大体のモンスターからは逃げられる。

たまに戦闘になる場合もあるけどこの辺の敵なら4人でかかればすぐに倒せる。


そしてとうとう最後のボスにたどり着いた。


「よっし!これが最後だ。これ終わったらレイス周回な!」


「え?今日やるの?」


「おけ」


「こういうのは早い方がいいんだよ!」


「よ、よろしくお願いします」


「まずはこいつだな。いくぞ!」


「「おー」」


多少元気がないのは許してほしい。

頑張りますか。


最後のボスはキマイラ。

ライオンの頭に山羊の胴体、そして毒蛇の尻尾をもつモンスターだ。

ってクオに教えて貰った。


取り巻きは今回に限ってはいないらしい。

だけどその分他のボスより強いんだって。


ここは総攻撃ですね。


正面からヤトが突っ込みクオ、私と続く。


「《雷刃斬》!」


「《百華乱舞》」


「《桜咲》!」


うまくアーツのコンボが決まり、更にヤトがクリティカルを出し一気に2割程HPを削った。


うん、いい出だしです。

このまま一気にHP削りきるぞー!




Gyaooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!


2人のレベルが高いからか他より少し強いくらいのボスは結構簡単に倒してしまった。

わ、私も頑張ったよ?

またレベルも上がったし。


キマイラは最初は物理攻撃だけだったんだけど、途中から火の球飛ばしたり毒の霧を尻尾の蛇が吐いたりと確かにやっかいではあった。


でも最初に対処法を聞いてたし、なによりヤトがガンガン攻撃してくれるので簡単に感じただけかも。まっちゃと2人だったらこんなに簡単に行かなかったよね。


助けて貰ってばかりだから私もクエスト頑張って貢献度あげよう。


ーーーーーーーーーー


YOU WIN


キマイラを撃破しました

深淵道の使用が可能になりました


報酬 SP8


ーーーーーーーーーー


「よーし、レイス行くぞー」


その前に蒼輝玉を早く出さなくては……。







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