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「おーい!!ハナちゃんこっちだよー」
ニーナさんが噴水の前で手をふっている。
慌ててニーナさんに駆け寄る。
「今日はよろしくお願いします!!」
「ここ結構空スペースあるし、あの空いてるとこでやろうか」
「はい」
広場の端に寄る。するとニーナさんがシートのような布を取り出してその上に座った。道具と材料を取り出して準備OKだ。
「じゃ、まずはこれを渡すね」
ニーナさんから羊皮紙を巻いたようなのを渡された。
「これは…?」
「基本のレシピっていうのは必ず取得しなきゃいけないんだ。アレンジはレシピなくても出来るんどけどね。ってかレシピないことのほうが多いかな?で、取得したレシピは写本を作って渡したり売ったりできるんだ」
「え!?じゃ、私このレシピ買ったほうが…」
「いーのいーの!!今回は初回お買い上げの特典みたいなものだし!!」
「ありがとう!!」
「じゃ、さっそくレシピを取得しちゃって!!その紙を開いて読めばいいから」
さっそく言われた通りに読んでみる。
読み終わると紙は消えてしまった。
紙には鍛冶の手順が乗っていた。
読み終わったと同時にレシピは消えてしまった。
「読めた?そしたらメニューのレシピを開いてみて」
メニューにあるレシピを開いてみる。すると鍛冶と錬金術のページがあった。そして鍛冶を開いてみる。
そこには「刀」と載っていた。そこを選択してみると刀のレシピが表示された。
「あ、さっきの手順が出た!!」
「そう、それを見ながらやってみよう。ウィンドウは手で掴んで自分の好きなとこに動かせるから」
言われた通り邪魔にならないようにレシピを横に移動する。
「出来たかな?じゃ、早速始めよう!!」
その後みっちり鍛冶のやり方を教えて貰った。
手順は「精製→鍛錬→素延べ→火造り→焼き入れ→しあげ」 の5工程だ。
精製は鉱石を熱して一つにしてインゴットにすること。その後の鍛錬で10回ほど捏ねて金属を鍛えるんだって。で棒状に伸ばすのが素延べ。形を整えるのが火造りで、水に入れて一気に冷やすのが焼き入れだ。ここまでなんと3時間もかかっている。やっぱりSTRが低いのが関係してるらしい。特に鍛冶はSTRが必要らしい。で、やっとこさしあげだ。
「あ、柄とかの材料言うの忘れてた…」
「え?」
「えっと今回は私が材料出すから使って!!」
「え、でも…」
レシピを教えて貰った上に材料まで貰っては申し訳無い。
「い~のい~の!!わたしが言わなかったのが悪いんだし~」
そして乾いた木の枝と柔らかい蔦を貰った。
これはこの森で取れる物だし実はギルドで買うことも出来るらしい。
木や蔦の加工は木工スキルの範囲なのだが、鍛冶で作る付属品のものは加工出来るという。
木を削って柄や鞘の形を造り蔦を巻き取り付けて完成!!
「やった!!出来たー!!」
「おめでとう~!!」
「ありがとうニーナさん!!…これお礼になるかわからないけど」
私は昨日採掘した銅の鉱石をあるだけ渡した。っていっても16個しかないんだけど。
「え?いいの?」
「うん!!ポイント教えてもらったり材料も分けて貰っちゃったし。受け取ってくれると嬉しいな」
「…じゃ、ありがたく頂きます」
良かった。なんか貰ってばっかは気まずいもんね。
刀をインベントリにしまう。
「自分で作った武器とかアイテムは未使用の物は露店で売れるよ。あとはギルドでも買い取ってくれるけど労力に見あわないからお勧めはしないかな?」
「そっかー…その内考えます」
「そだね。ある程度品数がないと露店も開けないし。あ、ごめん!!この後用事あってもうログアウトしなきゃなの。また今度ゆっくり話そ!!」
「はい!!今日はありがとうございました!!」
そのままニーナさんと別れる。
長い間拘束しちゃって悪かったな。
気づくと夜まであと1時間を切っていた。
今日は宿屋にこもって生産活動に勤しもう。料理のスキルをあげたいけどレシピがわからないのでまずはそこからだ。地図を大きくして図書館とか本屋がないか探してみる。
お、図書館あるじゃん!!
まっちゃを呼び出して早速向かう。あと1時間でお店が閉まっちゃうから其までにレシピを調べなきゃ。
図書館に行くまでに3人の人から話しかけられた。やっぱりまっちゃは目立ってたらしい。掲示板に書き込んだ事を話してそそくさと退散する。掲示板にあげてることを話すとわりかし態度が軟化するのだからタクに感謝だ。
やっとこさ図書館に入りレシピを探す。色んなレシピを探してるうちに気づいてしまった。そう、お金がない。生産はまた今度だな。
今回はレシピを探して覚えよう。幸い図書館は1日中やってるらしい。お腹が空いたので一度ご飯を食べに出て戻ってまた調べた。100ギルしか無かったので串焼き1本をまっちゃと2人で食べた。…ひもじい。
料理のレシピはいくつか揃った。まだ序盤なので覚えられるレシピは少ないようだ。3つのレシピを覚えた。
焼いた肉・クッキー・パン
これをアレンジすれば料理の幅は広がるよね!!
とにかく今はお金ないので自給自足しないと…。
あと錬金術と鍛冶もそれぞれ3種類のレシピを覚えた。
錬金術はポーション(回復薬)、ポイズンポーション(解毒薬)、バーンポーション(火傷薬)だ。
鍛冶は短剣、片手剣、両手剣だった。…剣はあんまり興味ないかなー…。
「これくらいかな?」
これだけのレシピだけど、膨大な量の中から探すのは骨がおれた。一応区分けはされているがそれでも量が多かった。
まだ持ってないスキルではどんなレシピがあるか気になったのでいろいろ探して見ることにする。
他には木工、裁縫、防具、細工、石工、道具、家具等があった。…ん?道具?
さらっと流して見てたので気になった道具職人のコーナーへ向かった。そこから「道具職人入門Ⅰ」という本を持って席につき読んでみる。
おおー!!このスキルを持ってれば職人が使う道具が作れるらしい。今は簡易キットだが、錬金鍋や鍛冶のハンマーなんかも作れるようになるらしい。
それと…!?な、な、なんとー!?
道具屋に売ってるようなアイテムも作れるようになるらしい。つまり!!魔法陣が作れるようになるってことではないか!?
よし、これは直ぐに取得だ!!
良かった、スキル枠あけておいて。
レシピはスキルをとらないと覚える事が出来ない。
他の細工、裁縫も気になるが今は道具優先で!!
またスキルとったら覚えにこよう。




