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ちょっとズルして船を出します。


「まっちゃ、よろしくね」


「キェー!」


そして引っ張って貰いながら海上を移動。

時たま海の中からモンスターが飛び出してきたがヤトが一発で撃退。


マップが表示されないとこまできたので、そのまま進んでみたが、やっぱり海の中を行かないとマップは埋まらないらしい。


船の上でご飯を食べて水着に装備チェンジ。


「お?ハナ、そのアクセサリーって自分で作ったのか?」


「そうだよー。宝石のrankAが作れたからそれ加工して作ってみた。水着買い換えてないから防御がちょっと不安なので底上げしたんだ」


「綺麗」


「ありがとう」


ヤトに言われたのは額に装備するサークレットだ。細チェーンの先にはドロップ型の台座にダイヤモンドが付けられている。チェーンや台座はプラチナ鉱石で作ってあり結構ランクの高いアクセサリーとなっている。


「アクセサリーとか今度ハナに依頼しようかなぁ。最近買い換えてなかったし」


「私も欲しい」


「本当?じゃ、今度落ち着いたら2人にも作るからどんなの欲しいか考えておいてね!」


そして装備を確認して海へダイブ。

あ、ちゃんと船はしまいましたよ?


空気を補充しながら海の探索を進める。

ここまでくると流石にモンスターも結構強くなっていてヤトメインにクオと代わる代わる戦闘に加わった。

勿論私達は採取がメインですよ?

海はあまり来ないのでこの機会にたっぷりとっておきます。




「ぷはっ!一度上がる?」


「そだな。ハナ、船頼めるか?」


「わかった!」


まっちゃにまたがりメニュー操作で船を浮かべる。

そして先に上がり、2人を乗せるのを手伝う。

まっちゃはぽんっと小さくなり、パタパタ飛んできた。


あ、ちゃんとブルブルしてね?




まずは休憩。


「食べる?」


「ありがと、クオ!」


「サンキュー!」


クオが出してくれた温かい紅茶とお菓子で休憩です。

今日はバナナマフィンだ。甘くて美味しい!


海の中は耐えられるけどやっぱり少し寒い。

だからこの紅茶は嬉しかった。


「うーん……そろそろこのエリアも行き尽くしたか?」


マップを見る限りではほとんど誰かしら行ってる気がする。時間的にも、夜になる時間が迫っている。


「戻る?」


「そだな。夜の戦闘もしてみたいけど、街に帰ってちゃんと寝たいしな」


「あ、テント買ってきてなかったもんね」


ペナルティはごめんだ。

ということで街に帰ることになった。案の定途中で夜になってしまったが、街に近づく程モンスターのレベルが下がるのでなんとか街まで帰ってこれた。


ご飯をレストランで食べて宿に向かう。

この街のNPCもかぼちゃだらけなのでプレイヤーと見分けるのは楽だった。そしてここでもプレートをつけているのでもしかしたら依頼が受けられるのかもしれない。地図を見た限りではギルドがなかったので、明日試してみようかな?


時間は14時になるところ。

起きればちょうど朝だね。


「じゃ、おやすみなさい」


「おう!おやすみ」


「バイ」


まっちゃを抱っこしてベッドへ入る。

すっと意識が暗闇へと吸い込まれあっという間に眠りについた。






イベント2日目。


朝起きて、まずは食事と宿についてる食堂へきた。


「なんか昨日ダンジョンとレイドボスが発見されたらしいぞ?」


「掲示板レイド募集ある」


クオに言われて私も掲示板を覗いて見る。

……なるほど。

東西南北それぞれのエリアにレイドボスとダンジョンが見つかったらしい。

今日はその攻略がメインになるらしい。


それにやっぱり街中でかぼちゃさん達から依頼も受けられるからそっちに取り掛かる人もいるようだ。

ヤトは確実にレイドボスに行くだろうが、私は足手まといになりそうだからなぁ。


「別行動?」


「いいのか?」


クオも同じことを思っていたらしい。

そしてヤトはやっぱり戦いたいよね。


「じゃ、今日は別行動にしよっか?私も街の中歩いて見たいって思ってたんだよね」


「きまり」


「ごめんな!絶対ボス倒してくるよ!」


「頑張ってね!」


そしてヤトは早々に出かけて行った。


「クオどうする?」


「ハナと一緒」


「じゃ、お散歩しよっか?」


まっちゃを抱っこしてクオと街へと繰り出す。

街はハロウィン仕様なのかとっても楽しい。

かぼちゃの家やお化けの顔が浮き出る木、キャンディーがなる蔦が絡まる柵に、オレンジ色の噴水。

道具屋や鍛冶屋なんかに入ってみたら売っている物は通常のものだったけど、棚とかランプとか小物がとても可愛かった。かぼちゃの国で売っていたかぼちゃの変化薬とかは売ってないみたいだった。


そんな街を一通りぐるりと巡ってみるといくつか不思議な場所を発見した。不思議というか、私達では入れないエリアがあるのだ。なぜ入れないかというと、答えは単純、身体が大きいから。

それはかぼちゃさんたちがやっと入れる扉なのだ。因みにかぼちゃさんは50cm×30cmくらい。ふよふよ浮いているから背の高さは今まで気にならなかったけど、結構小さかったのだ。


そのくらいなら頑張れば入れると思うのだが、扉を開けようとすると近くにいるかぼちゃさん達が集まってきて「壊れちゃう」と泣いて拒まれるのだ。


「うーん、やっぱりあの扉気になる!」


「ハナ、あのレシピ」


「あ!」


そうだった。

今まで忘れてたけど、かぼちゃの国で手に入れたレシピで作ったアイテムを使えばどうにかなるかも。


「クオ、どれくらい作った?」


「20個ちょっとある」


「なら大丈夫そうだね、私も同じくらいあるから足りるかな?」


ということで、ゴクリとお薬を飲みます。

まっちゃもせっかくなのでお薬をゴクリ。

クオはスープを飲んでいる。


そう、私とまっちゃが飲んだのはかぼちゃの変化薬。クオが飲んだのはかぼちゃのスープ。

量産したイベントに関係あると睨んだアイテムです。


するとピカリとひかり、なんと姿がかぼちゃさんに早変わり!


「本当にかぼちゃ」


「本当だねー。あ、まっちゃは一回り小さいかぼちゃさんだね。よし!これなら通れるよね?行ってみよう!」


「きゅっ!」


足で歩いている筈なのに身体はふわふわ揺れて不思議な感じ。扉につき取手に手をかけるも何も言われない。


よし、このまま進みましょう。


そう、あの薬は名前のまんまだけどかぼちゃに変身することのできるお薬だったのです。

スープもそうだし、他の剣やステッキなんかも攻撃力はなくてただ変身するだけのアイテムなんです。


役に立ってよかった。


扉を開けた先はまっすぐの通路だった。

クネクネ曲がる道や分岐で行き止まりにあいながら何とか進む。

通路は潜った扉より少し大きい位なので、ここで元の大きさに戻ったら身動き取れなくなりそう。

街の中なのにマップも映らなくなってしまった。自分の進んだ道のみ記録されるようなので、とりあえずすべての道を踏破しよう。


クオとこっちかな?あっちかな?と、進んでいくと扉を見つけた。入ってきたものより豪華な様式なのでここが目的地なのか?

因みにさっきの迷路みたいのは外から見た他の扉からも入れるらしく、何度か外に出てしまった。

マップを確認すると全部分岐も制覇したし、あとはここだけのはず。

……今回は何処かに繋がってると信じたい。


「行ってみようか?」


「行く」


「きゅっ!」


そして豪華な扉を開ける。

中は地下へと続く階段になっていた。


降りて行くとそこはまるでダンジョン。

人の姿に戻って戦闘をしても余裕があるくらいの広い通路だった。

他のかぼちゃさんの姿はなく、モンスター?がいるのみ。モンスターといっても私の背より大きな狼がうろついているだけで他はわからない。そして何故モンスター?かというと、全くこちらを襲わないのだ。というか見向きもしない。


クオと顔を見合わすが、クオもちょっとよくわからないって顔してる。

かぼちゃの表情って以外とよく変わるんだね。


「進んでみようか?」


「おけ」


マップは白紙だったので埋めながら進んでいく。

すると宝箱があった。中から出てきたのはVITを上げる指輪。かぼちゃの飾りが付いている。


その後もモンスターに襲われることも無く、全ての道を歩くようにしながら進む。宝箱も、もう1つ見つけた。


その時、ピカリと光り急に姿が元に戻ってしまった。

薬の効果である1時間がたったようだ。クオも同じだったようで元に戻っている。このかぼちゃに変身するアイテムは変身後2時間経たないと次が使えない。

ま、同じ種類が使えないってだけなのでクオとアイテムを交換すればすぐ変身出来るんだけどね。


「きゅっ!」


「ハナ!後ろ!」


「え?」


気づいた時は遅かった。

振り向くと、そこには今までこちらを見向きもしなかった狼さんが。

大きなお口を開けてパクリと1口で食べられてしまいました。

そして暗転する視界。


気づくと中央広場に立っていた。


「え?」


暫く呆然としているとクオも現れた。

つまり狼さんにやられてしまったのだろう。


「強かった」


クオは私がやられた後も何とか倒そうと頑張ったがすぐ倒されてしまったようだ。全然歯がたたなかったらしい。


「変身したまま行く」


「そだね、元の姿は危険かも。……まっちゃは無理か」


1時間は再召喚できないのでそれまでは2人だな。

ごめんね、まっちゃ。


あの狼さんはかぼちゃに反応しなかった。つまり変身したまま進めってことか。


結構きついなー。


ま、私達はアイテム2種類用意してあったから交互に使えるけど、無かったら逃げまわるしかないのかな?そもそも、このアイテムはrankAの素材を使ってrankAのアイテムを作ったからこそ持続時間が1時間なんだよね。普通に作るとrankCで10分、rankBで20分、rankAで30分といったところ。でもリキャスト時間は同じで使用から2時間。rankAで揃えたとしても、最低4種類は必要だ。

しかもこの街の道具屋ではこれらのアイテムは売っていない。

イベントが始まる前の道具屋さんでは売ってたのに。


この先には何が隠されているのだろうか?

ちょっと興味がある。


「再戦!」


「そだね!次は時間気にしながら進もうか。アイテムも交互に使わなきゃだから最初は私の出すね?」


「おけ」


まずは迷路に入る扉の前まで行く。

狼さんが闊歩する恐らくダンジョンの扉に一番近い扉から入ることに決めた。

クオにお薬を渡しゴクリと飲み込む。

瞬く間に私達の姿はかぼちゃに。


「よーし!行こうか!」


「頑張る」


そして最短距離でダンジョンの扉を潜った。

ダンジョンの中に入ってもやっぱり狼さんは襲ってこない。クオが時間を確認する係で、私がマップを確認する係。


見落としがないよう、いつもよりマップを大きめに表示し進んでいく。


この地下ダンジョン、何が凄いってその広さだ。


なんと街と同じ広さだった。

その広さで迷路みたいに入り組んだ通路をしているから全て回り尽くすまで相当時間がかかった。


時間にして約5時間。


街自体が結構広いというのもあるけど、入り組み方が複雑で同じ道を行ったり来たりしなければならないのはかなり骨が折れました。


そして現在、街の中心部に下へと降りる階段を発見。


「他は全部行ったし、降りてみる?」


「まだ時間も大丈夫」





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