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「きゅ~!!」
自由になったまっちゃは可愛らしい声で鳴き、背中の羽をパタパタ動かし宙に浮く。
か、可愛い!!
この可愛さを伝えないとと思い、すかさずスクショをとる。
スクショはスクリーンショットの略で、両手の親指と人差し指以外を折り曲げてL字をつくり、その二つを重ねて四角を作る。絵の構図を決めるときのポーズ…え?やるよね?
そして「スクショ」と言うと画像を保存することが出来るのだ。
メニューからスクショのページを開き画像を確認する。
うん、可愛くとれてる!!
そのスクショをメールに添付してタクとマリアに送っておいた。
そしてメニューのステータスを開く。
まっちゃのステータスがないかなと思って。
すると思った通り使い魔のページが増えていた。
開くとステータスが表示される。
ーーーーーーーーーー
name:まっちゃ
tribe:グリフォン〈幼体〉
level:1
HP:200/200
MP:80/80
STR:3
VIT:2
AGI:1
INT:10
DEX:1
LUK:3
AP:0
【スキル】
〈〉〈〉〈〉
【装備】
アクセサリー:なし
ーーーーーーーーーー
え?この子グリフォンなの?しかもレベル1なのになんかステータス高くない?こんなもん?でも私よりHP高いし…。
ま、良い分にはいっか。
よし!スキル選んじゃおう!!
INTが高いってことは魔法系がいいのかな?
スキルを見ると魔法系スキルが多い気もする。
ソロやるなら絶対回復は必要だよね。それと索敵もあれば便利かな?あとは戦闘系のスキル取ればいっか。
ということでこうなりました。
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name:まっちゃ
tribe:グリフォン〈幼体〉
level:1
HP:200/200
MP:80/80
STR:3
VIT:2
AGI:1
INT:10
DEX:1
LUK:3
AP:0
【スキル】
〈回復〉Lv.1〈索敵〉Lv.1〈かみつき〉Lv.1
【装備】
アクセサリー:なし
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戦闘系スキルは〈ひっかく〉と迷ったけど何となく痛そうかなと思って〈かみつき〉にした。
と、いろいろやっている間に空が暗くなった。
ヤバイ!!ログアウトしてご飯食べて来なきゃ!!
ログアウトするためにまっちゃを異空間に送る。
指輪はいつのまにか右手の中指にはまっていた。
そして急いでログアウト。
ベットから起き上がりヘッドセットを外す。時間は12時過ぎ。リビングに行くと丁度ご飯が出来たところのようで安心した。
ご飯を食べて部屋に戻るとスマフォが光って誰かから着信があったことを告げていた。
開くと拓哉と茉莉2人から着信があったようだ。
何だろう?と思うがもう時間がないのでWROにログインする。
13時まであと5分しかない。頼んだのはこっちだし早めに行かないとね。
ということでログイン。
ログインしてさてまっちゃを呼ぼうかと思ったところでコールがきた。相手はタク。
「あれ?タクどうしたの?」
『どうしたじゃないよ!!ハナ電話出ないし!!だからログインするの待ってたんじゃないか!!』
「ご、ごめーん。ご飯食べてた」
『それより今どこ!?』
「え?始めに待ち合わせした噴水広場だけど…」
『わかった!!俺今ギルドだから直ぐに行く!!』
「え?ちょ、ちょっと!!」
いきなりコールが切れてどうしようかと考える。まだ待ち合わせには時間があるしギルドは近いから大丈夫かな?
と思っている間にタクが凄い勢いで走ってやってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「だ、大丈夫?」
「だ、だいじょう…ぶ…だ…」
しばらく息を整えるのを待つ。
「ごめん、もう大丈夫だ」
「そんなに慌ててどうしたの?」
何かあったのだろうか?
「どうしたじゃないよ!!あのメールは何なんだ!?あんなモンスター見たことないよ…どこにいたんだ!?」
「あー。あれモンスターっていうか私の使い魔なのー!!可愛いかったでしょ?」
えへへ~とまっちゃを思い出してでれでれしてしまう。
「へ?使い魔?」
「そう。なんかいつの間にかRクエストっていうのクリアしてて、その報酬でたまごと育成のスキル貰ったんだ」
「Rクエスト…レアクエストか!!そんなのがこの町にあるなんて…ハナよく見つけたな」
「うーん。RPGのお約束をやっただけなんだけどね」
「お約束?」
「そう。名前のあるNPC全員と話をしたら簡易NPCの人が全員同じこと話すようになって、で言われるままに行動したらいつの間にかこんなことに」
「なるほど…ハナこのクエスト俺もやっていいかな?」
「いいよー。特に秘密にする必要ないし。だけど、使い魔はパーティー枠1つ使うからソロ以外の人はどうかな?経験値も取得だから1人の割り振り減るし、呼び出してないと成長しないし」
「え?そうなの?うーん…俺もうパーティー枠いっぱいの人数で組んでるしなぁ………諦めるか」
「そっか」
「あ、でもこの情報秘密にしなくていいなら掲示板に書き込んだほうがいいかもよ?ハナの使い魔目立つし、テイマーでもまだテイム出来ないモンスターなんてむしろ悪目立ちするよ」
「え!?絡まれたりするってこと!?」
「まぁ…無いとはいいきれないかな?」
「わかった…掲示板書き込む」
「そっか、良かった。こういうのは秘匿して結構恨み買ったりするからなやり方わかる?」
もちろんやり方がわからなかったのでその場で掲示板のレクチャーを受ける。
メニューのオプションいじって掲示板表示して…なんかいろいろ言われた通りにやってやっとこさ書き込む。書き込むのは初めてだけど、まぁ、内容が伝わればいいよね?
タクは私が書き込むのを見届けて最後にまっちゃを撫でて帰っていった。慌ただしかった。
まっちゃは目立たせたくないのでとりあえず異空間に送っておく。
よかった待ち合わせ時間までに終わって。